今年6月には日本料理波生をオープン、さらにこの秋には、中国料理香宮に、香港の同店を二ツ星に導いたMokシェフを呼び寄せるなど、最近ダイニングに一層力を入れているShangri-la Hotel。

 

さらに新しくOrigin Grill & Bar というグリルバーをオープンする予定。一足早く、その料理を味わってもらおうというイベントが行われました。

 

今回ゲストシェフとして迎えたのは、香港のミシュラン一ツ星、VEAのVicky Chengシェフ。

 

Robert Parker ポイント90 点以上のワインと共に味わうというイベントです。

 

こちらは、ソーヴィニョンブランとセミヨンを使った、トスカーナ・フィレンツェのワイン。

ソーヴィニョンブランらしいすっきりとしたワインです。

 

まずは、Heidiシェフから2皿。

Cold Potato Soup, Jellied Eggplant, Caviar

 

冷たいヴィシソワーズの下には、ビーフコンソメのゼリーと茄子。上にはオシェトラキャビアという、王道の組み合わせ。ヴィシソワーズの胡椒がややしっかり目に効いているのは、グリル・バーという料理ジャンルを意識してなのかもと思いました。

 

 

Seeded Cracker, Bibeye Tuna, Jalapeno

そして、Heidiシェフが多く使っているのが、フラックスシード。こちらは、フラックスシードを使ったクラッカーの上に、アボカドソース、そして赤身のマグロ、乾燥したハラペーニョが乗っています。Heidiシェフはフラックスシードの、食感も好きなのだとか。プチプチした外側の中身は、噛むとちょっと粘りが出てきて面白いです。

 

 

そして、サプライズでVickyシェフからもう一皿。和牛のショートリブを低温で調理したもの。ほんのり生姜の香りがするアジアンテイスト。下にはニンニクと根セロリのピュレが敷いてあります。香港出身のVickyシェフ、この甘辛さバランスは、アジアの好みをよく捉えている気がします。

 

 

ここで赤ワイン。

 

 

ガヤのスーパータスカン、メルロー中心の味わいは、牛肉にぴったりでした。

 

Local Chicken, Iberico Lardo, Scallion and Ginger

そしてこちらがランチの本来のメインディッシュ。シンガポールのチキンライスから着想を得たという一皿。

左はカリカリに焼いた鶏肉、ポーチした鶏肉におかゆを薄くかけて、チキンライスのライスの部分のイメージを表現。フラックスシードのカリカリしたチップス、そしてネギのソース。付け合わせは白菜に香ばしくナッティなラードを薄くかけたもの。

 

Milk Jam, Salted Egg Yolk, Quinoa

ミルクジャムのアイスクリームの下には、デーツのジャム、カリカリのキヌアとワイルドライスのパフ、上から塩漬け卵黄を削りかけて。

ミルクに濃厚な卵黄の味が加わって、カスタードアイスクリームのような印象に。

 

 

アメリカ・NYのDanielなどを経て自らの店をオープンしたVickyシェフは、自分らしいアジアのニュアンスを取り入れた料理を追求している印象。

オーストラリア出身のHeidiシェフは、今回も健康に良いフラックスシードを使うなど、ヘルシー志向の食材を積極的に取り入れていきそうな予感。

 

今回、2人のシェフが作る味の世界を、少し知ることができた気がします!

 

 

Origin Grill & Bar は数ヶ月後にオープン予定とか。女性の社会進出が進んでいるシンガポールですが、料理業界、特にホテルでは女性のエグゼクティブシェフは非常に少ないもの。Heidiシェフがこのシンガポールで、どんな料理を提供していくのか、とても楽しみです!

 

<DATA>
■ International Chef Showcase with Vicky Cheng & Heidi Flanagan

日時:2017年11月5日、6日(終了)

住所:Shangri-la Hotel, 22 Orange Grove Road, Singapore 258350
電話: +65 9829 8239
アクセス:MRTオーチャードから徒歩5分ほど