オーチャードのシャングリラホテルに今年オープンした日本料理、波心(Nami)。

 

 

オーチャード通りから少し入った場所にある、緑に囲まれた広い敷地も魅力のシャングリラホテル。その24階に位置するだけあって、明るく開放的な空間と、心地よいくつろぎ感が同時に感じられます。

 

 

波心のオープンにあたってシンガポールにやって来た、秋葉重雄料理長は、横浜のなだ万、料理の鉄人、中村孝明さんの店で料理長を5年間勤め、右腕として働いてきました。さらには、なだ万時代に明仁天皇のための料理を作った上、横浜プリンスホテル時代には、秋篠宮殿下と紀子さまの結婚式の料理も手がけるなど、31年のキャリアの持ち主です。

 

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三重県の酒、「作(ざく)」とともにいただきました。

 

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松茸と菊菜、菊の花のおひたし。菊菜の凛とした香りが秋の深まりを感じます。

 

 

湯葉豆腐の上にウニと畑のキャビア、とんぶりを乗せたもの。

 

 

土佐酢で和えた北海道産の毛ガニは、もちろんみそも一緒に。

 

すだちの下にはハサミの部分のごろっとした身が隠れています。こちらは、本当に日本酒にあいます。

 

器の下にさりげなくあしらいの葉を敷いてあるのも、季節感ある素敵な心配り。

 

ごぼうのすり流しは、真ん中にもっちりとしたジャガイモの柔らかい芋餅を浮かべて。

 

 

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上に長ネギの青い部分を散りばめ、その食欲を増進させる香りとさらに揚げ油のコクが加わり、ごぼうを食べやすく仕上げてありました。

 

今日は長崎の本鮪、と見せていただきました。

左上から赤身、その上に乗っているのが中トロ、大トロ、ヒラメ、下段左からシマアジ、金目鯛、アオリイカ。キメの細かいヒマラヤの塩を添えて。

 

 

前回6月に訪れた時には和食器への盛り付けだったのですが、少し洋のプレゼンテーションに。

 

「シンガポールの人は、器よりも盛り付けを重視する傾向がある」ということで、お刺身もアーチを描くような立体的な盛り付けに、そして花をあしらって見た目も美しく仕上げています。

 

同じくカニの茶碗蒸しは餡に生姜を効かせて。

 

 

カニの身が散りばめられた下には、茶碗蒸し、たっぷりカニが乗っているので、生地の中はあえて具を入れずシンプルに。1つだけ入っていたのは、なんと白玉。こちらの人はもちもちした食感が好きなので、入れているのだということ。確かに、他の味はいらない気がします。

 

最後は太刀魚のフライ。

 

 

あっさりした太刀魚をに片面だけカリッとしたフライ衣をつけて揚げ、海老の頭と白味噌で作った和風アメリケーヌソースを添えて。

 

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豆腐としめじの入った赤だしと、栗ご飯。

 

 

漬物は、特に赤カブが印象的。

 

 

アオリイカと同じように、両面から交互に細かく包丁を入れてあり、固すぎない食感になっています。

 

デザートは、わさびのムース。

 

 

シンガポールでは辛味が好まれるため作ってみたところ、好評だったということでメニュー入り。すっきりとしたオレンジリキュールのゼリーと、ラズベリー、シャインマスカットが添えられています。

 

季節感あふれるメニューはお昼は$130ドル〜、夜は$150〜。

日本人会の会員限定、事前予約制で、お昼の松花堂弁当$50も用意されているということで、この開放的な雰囲気を味わいに、ぜひ訪れてみてはいかがでしょうか?

 

 

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■ 波心(なみ)
営業時間:ランチ 12:00~14:30(レストラン・テラス席とも)、ディナー 18:00~22:30(レストラン)〜24:00(テラス席)、無休
住所: 22 Orange Grove Rd, Singapore 258350 (24階)
電話: +65 6213 4398
アクセス:MRTオーチャード駅から徒歩15分ほど