大阪でミシュラン一ツ星獲得、現在東京・銀座と麻布十番にも店舗を構える人気串カツ料理店、「六覺燈(ろくかくてい)」の海外初の店舗「Ginza Rokukakutei」が8月1日にオープンし、オープニング前日のメディアイベントにお邪魔してきました。

 

 

オーナーは、全国に「AW kitchen」、「やさい家めい」などを展開するeatwalkの渡邉明さん(写真左)。

シンガポール店は、銀座店で6年キャリアを重ねたという田中秀幸エグゼクティブシェフ(同右)がカウンターに立ちます。

 

 

まず、店内に入ると目を引くのが、バーコーナー。銘醸ワインが並んだ棚と、美しいカウンター。洗練された串カツを、ワインと一緒にいただく、というのが、日本と変わらないコンセプト。

 

 

今回は、シャンパン、白ワイン、赤ワインのついたお任せのマリアージュコース($288)をいただきました。

 

 

シャンパンは、Billecart SalmonのBrut Reserve。生き生きとした酸味と果実味、ハチミツやシトラス、熱帯のフルーツを思わせる味わい。

 

ドライトマトとバジルなどの3種類のパンは、スモークの香りをつけたマスカルポーネチーズとクリームを混ぜたペーストとともに頂きます。

 

 

 

野菜もしっかり。特に、生かと思うほどフレッシュな、軽く火を入れただけの北海道産のコーンがとっても甘くて美味しかったです。

 

サイドには沖縄の海塩とレモン、ソースはレモン汁とマスタード、出汁醤油、ごま、赤ワイン、塩胡椒、と揃っていて、串が置かれた先のソースを選んで食べるという仕組み。

 

 

まずは、ニューカレドニア産の天使海老を塩胡椒で。程よい歯ごたえを残し、海老の甘み頭の味噌に近い部分のふわふわした食感が十分に引き出されています。渡邉さんにお話をお聞きすると、素材と衣の間にあえて空間を開けることで蒸し焼きにし、ふんわりとした食感を実現しているのだとか。油の温度165〜170度で、素材毎に変えているわけではないそうですが、衣の厚みと加熱時間を素材毎に変えて、素材の持ち味を引き出すようにしているそう。

 

 

 

続いては和牛のフィレ。あまりにも柔らかいので、最初は一度低温調理してから揚げたのかと思ってしまったほど。タイムやローリエのようなハーブの香りをまとっています。

 

 

続いてはホタテの貝柱。柔らかく、まったりとした食感です。衣も薄くて、ふわふわ、という食感がぴったりきます。

 

 

グリーンピースのピュレを成形して揚げたもの。

 

 

とてもふわふわ、トロトロで、ほんの少し乳製品のニュアンスも感じられます。

 

鶏の胸肉も、とても柔らかい食感。

 

 

紫蘇を巻いて、マヨネーズととんぶりを合わせたソースがついています。

 

白ワインは、アメリカ・ナパのソーヴィニョンブラン。はっきりとした輪郭の緑の香りのワインに合わせたのは

 

 

 

絹さやと生姜。

 

 

生姜のはっきりした香りがアクセントになっています。

 

 

タコは、食感を生かしてしっかりとした印象。私は個人的にはとても好きでした。優しい関西風の出汁醤油につけて頂きます。

 

シンガポールのメディアの友人から人気だったのが、サーモンと酢漬けの菊。

 

 

脂の乗ったサーモンはふわふわで、甘酸っぱいバランスはサーモンタルタルを思わせます。

 

 

山椒の香りをほんの少しまとわせた海老とししとう。海老は別名「とびあら」や「サルエビ」と呼ばれるやや小ぶりの海老で、ジューシーな身と殻の香ばしさを楽しみます。

 

続いては、鴨ネギ。

 

 

鴨の表面を焦がすように焼いてから揚げています。鴨の香りとネギの甘みがよく合います。

 

ここで、梅干しのグラニテ。

 

 

グラニテの素材はその時に応じて変わるそうです。梅酒が少し入って、完熟梅で作った梅干しのさっぱりとした塩気と甘酸っぱさも感じられます。

 

たっぷりのネギや生姜と海老を混ぜたフィリングを詰めた椎茸。どこか、海老餃子を思わせる味。

 

ここで赤ワイン、オーストラリアのシラーズ。

 

 

よく熟したブラックベリー、ほんの少しチョコレートのような、大地の香りがあります。

 

フグは、しっかりと身が詰まった味を、みりんの効いたポン酢と唐辛子のソースでいただきます。

 

 

こんにゃくで包んだ鶏肉は、豊かな日本酒とごま油の香り。

 

 

どれも、お料理をそのまま串カツという形でいただいているような味わいです。

 

桜エビ入りの餅を醤油ソースで。

 

 

締めのご飯代わりのような串。

 

ゴーダ、モッツァレラなどのチーズ。

 

 

とろりととろけるチーズは、赤ワインにも合います。塩胡椒でいただきます。

 

追加の串は、素材により一本$5.5〜。

 

 

渡邉明オーナーにお話を聞くと、素材は日本と変わらないものを使っているそうですが、揚げ油は、輸入の規制の関係で、日本で使っているラードと牛脂を使うことができず、ひまわり油と自家製のラードを混ぜたものに、生姜の香りをつけて使っているのだとか。植物油と混ぜてある分さっぱりと軽く仕上がっているのは、暑いシンガポールではある意味嬉しいかも。

 

 

入口のシックなバーカウンターでは、シャンパンやボルドーなどのワインと共に、串揚げの3種盛り合わせなど、気軽に串揚げを楽しむこともできます。ワインに合うふんわりとした食感の串揚げ、ぜひ試してみてくださいね!

 

 

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■Ginza Rokukakutei(銀座 六覺燈)

営業時間:16:00〜 23:00、無休
住所:331 North Bridge Road, #01-04, Odeon Towers, Singapore 188720
電話: +65 6266 1077

アクセス:MRTシティーホール駅から徒歩5分ほど