セントーサにある、ポメロを使ったチリクラブで有名な中華料理店、Blue Lotus(ブルーロータス)、Buona Vistaに麺のお店、そして7月にグリル料理を中心としたお店をタンジョン・パガー駅前にオープンしたということで、お邪魔してきました!
明るい光の差し込む店内ですが、奥にはなんとカラオケ付き、14人が使える個室があり、ランチタイムは700ドル、ディナータイムは1000ドルの最低使用料を払えば利用可能です。
Ricky Ngオーナーシェフにお話を聞くと、キッチンは中華のキッチンと、西洋料理のキッチンのセクションに分かれています。中国の伝統的な、高温の油で煙の香りを出すWokに加え、西洋の炭焼きオーブン、ジョスパーオーブンを使うのも特徴です。ちなみにジョスパーオーブンでは、備長炭を使っています。
Blue Lotusの魅力は、化学調味料を使わない、本格的な中華料理の味を楽しめること。フュージョン料理ではなく、現代や西洋のテクニックを使いながら、現代にあった本物の味を作ろうと考えているそうです。
オリジナルラベルのワインは、オーストラリア・マーガレットリバー産のソーヴィニョンブランとカベルネソーヴィニョン。
まずはチキンスキン。
鶏の皮というと、脂っこい印象ですが、脂肪分を全て取り除いて乾燥させ、オーブンで焼いてあります。材料は、塩と鶏の皮だけ。とてもカリカリで、表面についているのは、自然な鶏の脂。
しっかりと辛い、ヨーグルトとチリオイルを混ぜたディッピングソース。
そして、セントーサ本店でのシグネチャー、チリクラブが、こちらでは、コロッケのような状態で出てきます。
中身は丁寧にほぐしたワタリガニに、レモングラスと生姜の花、ネギが入っています。チリソース自体は、本店よりも絡みは控えめにしているそう。ソースにも、シャロットとレモングラス、生姜の花、ケチャップが入っています。
そして、女性が出産した後の回復食として食べられている豚足、その中でも手の先の部分を、中国の黒酢と生姜と共に低温調理してから、その煮汁を濃縮させたソースとともにいただきます。
黒酢の酸で柔らかく煮あげる料理。事前に低温調理をしているため、伝統的な製法よりも柔らかく仕上がっているそうです。表面をカリッと揚げてあります。
伝統的なチャーシューを、ジャスパーオーブンで仕上げた一品。
こちらもあらかじめ低温調理してありますが、肉は全て43〜54度と、低温調理にしても、ごく低い温度で加熱し、火が入りすぎないようにしているのだとか。砂糖にマリネしてからジャスパーオーブンで焼いているので、香ばしいスモークの香りと、砂糖醤油を焦がした香りが重なります。脂身を含んだ内側の柔らかさと、外側のカリカリした食感の対比も楽しめます。サイドは、すっきりと紫蘇の花のアクセントが効いた、やや甘めの大根の漬物。
マーブルスコア3〜5、あっさりとしたオーストラリア和牛のリブアイは、パプリカをジョスパーオーブンで焼いて甘みを引き出してから作ったピュレに、キャラメリゼした玉ねぎを添えて。Ricky シェフの考えでは、中華料理はマリネをしてから焼き上げることが多いけれども、西洋料理はシンプルに塩胡椒をするだけのことも多い。
そして、地元産のバラマンディは、ジャスパーオーブンで仕上げ、湯葉を素揚げにしたもの、大麦のリゾット、四川の赤唐辛子を塩漬けにしたものと黒豆の発酵調味料を混ぜて、緑の唐辛子のピクルスを加えたチリソースと共に。四川風の蒸し魚の横に添えられているチリソースと近い味です。
リゾットではありますが、よりアジアに近い味わいをということで、大麦に変え、またクリームやバターなどの乳製品を使っていないそう。にもかかわらず、そのコクのある味わいの理由は、中国の伝統的なチキンストックを使っているから。丸鶏をそのまま煮込んだスープですが、香味野菜だけは西洋的な、リーキ(ネギ)、玉ねぎ、シャロット、人参を使っています。そして、味の決め手は、鳥の足先をこんがりと黄金色になるまで軽くジョスパーオーブンで焼いてから煮込んでいること。コラーゲンを含む自然な鶏の脂が、バターと同じようなコクを生み出していました。
そして、ホットストーンライス。
熱したビビンバの鍋に、ラードを敷き、中国ソーセージやネギのみじん切りを加えます。炊いたバスティマライスを加え、醤油をかけ、最後には豚のラードを角切りにして揚げたもの、揚げたドライシャロット、醤油などを垂らして。仕上げに白トリュフのオイルも加えます。
味わいとしては、洗練されたクレイポットライス。カリカリに揚げたラードと、白トリュフオイルの相性が抜群です。
チリクラブラーメンは、チキンストックがメインのNoodle barに比べ、こちらは海老の頭、味噌、カニの殻で作ったスープがベース。
同じくジョスパーオーブンで軽く焼き上げてから使っています。更に、麺はオリジナルレシピの特注のもの。甘酸っぱい味に仕上げられています。ケチャップやアッサムチリなども加えて。どのチリクラブベースのものにもポメロを加えるのは、酸味とほのかな苦みを与えるため。
デザート
表面をカリッと焼いたクレームブリュレ、D24ドリアンの実が入っていて、濃厚なドリアンの味とクリーミーさがよくあっていて、とても美味しくいただけました。
オフィス街にほど近いランチ激戦区だけに、ランチタイムは3コース18ドルからメニューを提供しています。駅が目の前、通し営業ですので、覚えておくと何かと便利なお店です。
<DATA>
■Bule Lotus Chinese Grill House(ブルーロータス・チャイニーズ・グリルハウス)
営業時間:11:30〜 22:30、日曜休
住所:5 Wallich Street, #01-13 Tanjong Pagar Centre Singapore 078883
電話: +65 6996 0880
アクセス:MRTタンジョンパガー駅から徒歩1分ほど