地に足をつけた料理、として注目を集めるストリートフード。その味を、レストランで紹介しようというイベントが、無国籍料理のレストラン、Mooseheadで行われています。一晩限りのイベントですが、夜10時からのスタート。深夜までやっているので、仕事帰りのシェフたちも、気軽に立ち寄れると、プロの人気も集めています。

 

(セット1、$25。刻んだネギなどの入った野菜のヴァダイ、中にリコッタチーズのフィリングが入ったヴァダイ、ふわっとした食感のヴァダイと違い、カリカリした食感が特徴のパコダ、エビを直火焼きオーブンで仕上げた串焼き)

 

Mooseheadのキッチンに立つのは、スコットランド出身のSeumas Smithシェフ。
ロンドンのミシュラン一つ星、Lords of the Manorや、2つ星のDinner by Hestonなどを経て、シンガポールには、ESQUINA、Andrew WalshシェフがオープンしたCureを経て、このムースヘッドへ。普段はヨーロッパ料理で研鑽を積んだSeumasシェフの料理が楽しめますが、数ヶ月に一度、シンガポールのローカルフードに焦点を当てた一夜限りのイベントが行われます。

 

それは、庶民の味を吸い上げて、新しい料理を生み出そうという風潮の一つなのかも。

 

一度目は、フィッシュボールヌードル、2回目はサテ(シンガポール風焼き鳥)、3回目の今回はヴァダイ(インド発祥のシンガポール風揚げ物)。

 

 

(SeumasシェフとGinaさん)

 

1985年から夫婦でヴァダイを作り続けてきたGinaRajanさん。一時はシンガポールの高島屋の要請を受けて出店するなど、シンガポール内に数多くの支店を持っていた人気店でしたが、2009年にご主人のJamesさんが亡くなったこともあり、2013年に全ての店を閉店。その味は幻となってしまいました。しかし、味を絶やさないように、というJamesさんの遺言を守り、再度今年、Dunmanフードセンターに開店。人気のヴァダイを作り続けています。レシピは企業秘密ということで、教えてもらえませんでしたが「ヴァダイはもともとインドの軽食で、揚げた生地にチャツネをつけて食べるものでしたが、それをシンガポール風にアレンジして、9種類のヴァダイを作ったのです」とGinaさん。

 

少し大きめにピザ風にしたものは、たっぷりと、シンガポール人の好きなエビを乗せて。Moosehead 自慢の直火焼きのオーブン、インカオーブンで仕上げることで、香ばしさが加わっています。スペイン・カタルーニャ地方のアーモンドや松の実、パプリカなどで作ったロメスコソースを添えて。

 

セット2($25、エビのピザ風ヴァダイ、野菜のパコダ、枝豆のチリスパイス掛け)

 

 

バナナを練りこんだ生地を揚げて塩キャラメルソースと塩キャラメルムースを添えた、Jumbut jumbutも($7)。

 

今年、シンガポール国内のコンテストでベストバー、ベストバーテンダーに選ばれた、Vijay Mudaliar さんが作るインドにインスパイアされたカクテルも楽しめます。

 

 

マサラチャイをインフューズしたジントニック、カレーリーフが香る塩ラッシーにジンを混ぜたカクテル、マンゴーとピスタチオなど、ヴァダイと合わせて楽しみたいエキゾティックなものが色々($10〜)。

 

「旅行」をテーマにしたMooseheadのコンセプトにも合う、いつもとちょっと違う味を、気軽に楽しめる機会。

 

 

お腹がいっぱいな時でも気軽につまめるインド風スナックも。

 

ドアがなく、人と人が行き交う旅先の交差点のような自由な空気の漂うMoosehead、インド生まれシンガポール育ちの味を楽しみに、訪れてみてはいかがでしょうか?

 

<DATA>
■Supper Series with Gina's Vadai

会場:Moosehead Kitchen-Bar
日時:7月28日(金) 22:00~深夜
住所:110 Telok Ayer Street, Singapore 068579
電話: +65 6636 8055
アクセス:MRTテロック・エア駅1分
http://mooseheadproject.com