MRTラッフルズプレイス駅からほど近い、オーシャンファイナンシャルセンター43階から、マリーナベイサンズの絶景が望めるイタリアンレストラン、ザッフラーノ。

 

 

イタリア語でサフラン、という意味のこの名前は、最高級の調味料であるサフランと同じように、高いクオリティのものを出していく、という理由から。

今回は、夏のメニューをいただきました。

 

 

まずは、夏をテーマにした前菜。

イタリア南部、シチリア生まれのMarcoシェフは、シーフードに特にこだわりが。

 

 

sardine – arancia – finocchi – melograno($26)

中でも、鰯のシーズンは春から夏。そんな鰯をSarde a beccafico(サルデ・ア・ベッカフィーコ)というシチリア風のスタイルで仕上げています。鰯にパン粉やレモンの皮、レーズン、松の実などを巻きこんで、フェンネルの根のスライスのサラダと共にいただきます。

 

gamberi – ceviche – fichi($32)

 

 

南米のセビーチェにインスピレーションを得たという、玉ねぎなどを使ったエビの前菜は、シチリアのマザラ地区の、とても甘いエビ、ガンベリプラウンを使ったもの。よく熟した黒イチジク、サワードゥのパンと共に。

 

capesante – piselli – scalogno – datterini($34)

 

北海道産の帆立貝は、表面を強火で短時間焼いて、中は半生に。軽く焼いてからラスベリービネグレットに漬け込んだチェリートマトと。

 

piselli – stracciatella – uova di trota(テイスティングコースの一部)

 

 

イタリアで夏によく食べられる、冷製のスープ。粒感のあるマスの卵に、違った種類の粒感のあるグリーンピースが心地よい食感の、微妙にグラデーションのある重なりが楽しめます。熱湯で軽く湯がいているだけなので、芯の部分は半生のみずみずしさを残しています。

粒で入った豆は、皮をむいてありますが、スープの部分は、皮ごとミキサーにかけて、グリーンピースらしい緑の香りを表現。「野菜の皮には、素晴らしいアロマがあるから、それを活かさない手はない」とマルコシェフ。

クリームではなく、ブッラータチーズの中心のクリームのところだけを集めた、ストラッチャテッラ、それをクリームと一緒にミキサーにかけて、水牛のチーズならではの豊かな味わいを実現しました。

 

 

calamarata – pesto – gamberone – mentuccia($36)

 

 

ペストは、トマトを丸ごと、バジルや松の実、パルメザンチーズと一緒にミキサーにかけて作る。「本来はペストソースには、リコッタチーズを入れるのだけれど、シーフードに合わせるのにリコッタまで入れてしまうと重すぎる」ということで、リコッタを外した軽やかなソースに。

とはいえ、表面を触って柔らかくなるまで待った、イタリアの完熟のサンマルツァーノ種を使っているということで、まるで香りの良いトマトピュレかセミドライトマトを使っているような、凝縮感のある味が楽しめます。

オーストラリア産の大きなエビは、ミントの葉とともに焼き上げています。

パスタはナポリ地方のヤリイカの形を模したパスタ、Calamarata(カラマータ)。

 

risotto acquerello – nero di seppia – calamari – fave($32)

 

 

リゾットは、エイジングしたカネロニ米の中でも、最高級と言われるAcquerello Carnaroli(アクエレッロ・カネロニ)を使って。古米になると米粒に含まれる水分が減り、そのぶん出汁をよく吸うということで、熟成の期間によっても値段が違いますが、粒が揃っているものの方が、当然均一に火が入るため、高価なのだとか。

 

このカネロニ米を、イカスミと野菜の出汁で煮込んでいますが、ちなみに、Marcoシェフの作る野菜の出汁(ブロード)は、水にセロリ、人参、玉ねぎを、そして調理の際に出たこれらの野菜の皮や端の部分は玉ねぎをのぞいて全部入れるのだそう。「皮は香りが良いので大切。沸かさないようにゆっくりと煮ると、美味しい出汁になる」のだそう。

リゾット自体は、上に炒めたイカが乗っているだけでなく、米粒と同じサイズに細かく刻んだイカが入っているのが、アクセントに。ソラマメのピュレが添えられています。


 

 

merluzzo – asparagi – pomodori secchi($58)

 

 

しっかりと脂の乗った鱈は、フライパンで焼いた後、澄ましバターを焦がしたものをブラシで塗ってからオーブンで焼き上げているということで、表面にキャラメルのような香ばしさがあります。カニやエビのような、甲殻類の香りのある鱈でした。

下には、ホワイトアスパラガス、自家製のドライトマトは、80度のオーブンで2時間半、オレンジの皮などと共にじっくりと焼き上げたもの、グリーンアスパラガスのソース。

 

manzo – broccoli – carciofi($55)

 

 

48時間かけて、ローズマリーやタイム、セージなどのハーブと赤ワイン、シャロットなどと共に65度で真空調理したアメリカ産の牛肉のショートリブは、ごくわずかだけ油を敷いた高温のフライパンで両面をさっと焼き上げて、心地よい食感のカリカリの層を作ったもの。

 

tiramisủ – mascarpone – Marsala($16)

現代風にアレンジしたティラミスは、マスカルポーネのフォーム、酒精強化ワインのマルサラ酒とエスプレッソにつけたビスケットを挟み込んで。

 

miele - zafferano - lampone - madorla($16)

 

 

アーモンドのスポンジに、蜂蜜のムースにイラン産のサフランのクリーム、ラスベリーのゼリーなどが詰まっています。ラズベリーとメレンゲを添えて。

 

cioccolato – ciliegie – mela($16)

 

 

ヴァローナの70%チョコレートを使ったムース、チェリーとチェリーリキュールが効いたヨーグルト、青リンゴをバニラやシナモン、砂糖と共に45分間真空調理したものを入れて。

 

cioccolato – menta – fragola($16)

 

自家製ジェラートの盛り合わせ。

チョコレート、ミント、いちごでしたが、程よい酸味のイチゴが個人的には気に入りました。

 

イタリアの新鮮な夏の素材が詰まったメニュー、今の時期だけの味です。また、マリーナベイサンズの絶景が楽しめる屋外のテラスラウンジでは、毎週土曜日の午後8時〜10時に、$28でプロセッコ、ビール、ハウスワインが飲み放題のプロモーションが行われています!

 

 

サービスは、若干25歳の時に、ミシュラン三ツ星の最年少支配人となった、Paolo Colzaniさん(写真左)。Marcoシェフとはシンガポールのイタリアンの老舗、Garibaldi時代から一緒に働いています。ワインのことも料理のことも、ぜひ尋ねてみてくださいね。

 

<DATA>
■Zafferano(ザッフラーノ)

営業時間:ランチ 11:30~15:00(平日)、サタデーブランチ11:30~14:30、ディナー 17:30~23:45(月~水曜)、17:30~25:00(木~土曜、食事のラストオーダーは全日22:30)、日曜休
住所:Ocean Financial Centre, Level 43, 10 Collyer Quay, Singapore 049315
電話: +65 6509 1488
アクセス:MRTラッフルズプレイス駅から徒歩3分ほど