シンガポール人の1日、がコンセプトだったLabyrinthですが、今週水曜日から大きくメニューを一新。新しいメニューをいただいて来ました。(これまでのメニューは、クラッシック・メニューとして残ります)
これまでは、シンガポール伝統のホーカー(屋台)料理をモチーフにした小皿料理を提供して来ましたが、シンガポールのミュージシャンによる音楽をかけたり、シンガポール産の食材を使ったりと、シンガポールらしさへのこだわりはそのままに、より中華料理のテイストが強くなりました。フォワグラなど、西洋の食材を使わず、アジアの食材だけにフォーカスしているそうです。
コースはS$188のテイスティングメニューです。
味のテーマは、1から手作りした旨味。スパイスも控えめになりました。
シンガポール味のカクテルもあります。こちらは、ラム酒をベースに、バニラ、はちみつ、パンダンリーフなどを使った甘めのカクテル。
そして、前菜のスナック。
QUARTET OF CHINESE UMAMI
DRIED OYSTER | 30 DAYS DRY AGED A4 TORIYAMA BEEF
自家製の乾燥した牡蠣と、30日間ドライエイジングした牛肉には、キャビア、ふじりんご、紫蘇などを合わせて。
BRAISED BABY ABALONE | HOMEMADE OYSTER SAUCE
そして、ソースも全て1から手作りされています。フィロペストリーの上には、自家製のオイスターソース、乾燥アワビを煮たものに、中華の上湯のゼリー。カンボジア産の胡椒がアクセントになっています。
DRIED SCALLOPS | HOMEMADE XO SAUCE
乾燥したホタテ貝のチップに、ホタテ貝を抜いて作った自家製XO醤は、XO醤の再構築。金華ハムと干し海老など、どの組み合わせも、中華の旨味をそのまま取り出したような味。
キャラメルポップコーンを乗せた、ウォッカベースのカクテル。
ICONICALLY SINGAPORE
BRAISED CHICKEN | HOMEMADE RICE FLOUR | GINGER & CHILI
シンガポールで行われた日本米のフェアで作った、チキンライスの餃子。皮の部分が日本の米の粉、そして中身はチキンライスのフィリング。そして、Hanシェフの祖母のレシピという、チリソース。
AMA EBI | BAFUN UNI | HAINAN PRAWN ROE | COLD SOBA
シンガポールの海老の麺に着想を得て作ったという、冷たい日本蕎麦がベースの麺。日本の甘エビとその卵に、北海道のバフンウニ、そして、カラスミパウダーのような、海南島産の海老の卵の、そして干したマッシュルームと海老の出汁のゼリー。
STINGRAY 3 WAYS | CHINESE “DASHI” BROTH | WATERCRESS
そして、中華の苦味がテーマのこちらは、シンガポールで愛されているエイの身を蒸したり、つみれにしたり、ヒレを揚げたりと、様々な形に。そこに、クレソンと、菊の花のスープ。菊花茶などで馴染みの味が、スープになっています。
どの皿も、乾燥した魚やホタテ、マッシュルームなどを使い、味のベースは、全て中華の出汁なのだそう。
JAPANESE SOFT SHELL CRAB | CHILI ICE CREAM | CRAB FAT
そして、Labyrinthを有名にしたチリクラブソースのアイスクリームと、カニの天ぷらを合わせたこの一皿。
出汁のゼリーの下には、蒸したカニの身、そしてオートミールのクランブルという、さらに進化した一皿に。
LOCAL DUCK BREAST | LIVER PATE | HAWTHORN BERRIES
なるべくシンガポール産のものを、と選んだ地元産の鴨に、鴨レバーパテ、そしてサンザシの実。北京ダックの再構築で、北京ダックに使われるホシンソース(魚介類がベースのソース)も手作り。カリカリの鴨の皮、キャラメリゼした玉ねぎなど。ソース自体も、鴨のあまりの部分を全部使った、無駄を出さないコンセプト、ゼロ・ウエステージの考えて作っているのだとか。
そして、肉のもう一皿は、
2-CUT CHAR SIEW | BA KWA | ADLAI GRAINS | PICKLED BAK CHOY
チャーシューに、バクワと呼ばれるシンガポールで愛されているポークジャーキーを細かく刻んだものを合わせて、ベーコンの出汁で仕上げています。様々な豚肉の味を重ねている一皿。肉は、肩肉と頬肉で、違った味わいが楽しめるようになっていて、豚骨の出汁で炊いた、もちもちした大麦を添えています。
PALATE CLEANSER
CLAM LEAF SNOW | ROSELLA MERINGUE | COMPRESSED GRAPES
そして、ぶどうのグラニテに、薔薇の実のメレンゲ、薔薇の花びらで香りをつけたもの。
カクテルは、ミロの粉をたっぷり載せたローカルドリンク、マイロ・ダイナサーに着想を得たもの。
デザートは甘辛味、
KAYA ICE CREAM | CRISTAL DE CHINE CAVIAR | LOCAL TOAST
朝食のカヤトーストをイメージしていて、トーストにベーコンバターを塗り、キャビアを載せたもの。そこに、カヤ(パンダンリーフ入りのココナッツカスタード)アイスクリームと、酸味のあるバタフライソレルを添えて。
食後の小菓子はメレンゲとKuih Bahulu(クエバル)と呼ばれる伝統菓子。
中華の旨味を中心に据えた、新しいLabyrinthのメニュー。
シンガポール料理が好きな私は、どちらかというとクラッシックメニューの方がより好きでしたが、シンガポールの中華系の人々の心の味とも言える部分を手作りで表現した新しいメニューは、とても画期的だと感じました。
また、濃厚な旨味は、特に紹興酒などとの相性が良いと思います。
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営業時間:ランチ 12:00~14:30(火~金曜、祝日はなし)、
プレ・シアターメニュー 18:00~19:00(木~土曜)
ディナー 18:30~23:00(火~金曜)、18:00~(土・日曜)
バー 18:00~深夜(月~土曜)
住所:Esplanade Mall 8 Raffles Avenue #02-23 Singapore 039802
電話: +65 6223 4098
アクセス:MRTエスプラネード駅から徒歩10分ほど