日本の食材を世界へ、という動きが各地で始まっていますが、今回は新潟市がシンガポールの老舗中華で限定のキャンペーンを行うということで、お邪魔してきました!

会場は、MRTラッフルズプレイス駅からほど近い、Tong Le Private Dining。

下の写真は、8階のテラス席からの眺望ですが、なんと10階は客席が回転するレストランになっていて、マリーナベイサンズを始め、シンガポールの360度の絶景を心ゆくまで楽しめるお店です。

 

 

まずは、日本酒を使った柚子マティーニで乾杯!

新潟市産の里芋をわさびマヨネーズで和えたフィンガーフードを楽しみながら、新潟市の職員の方から、地域の食材や観光名所、交通アクセスについての説明がありました。

 

一緒に訪れたシンガポール人の友人は、東京に何度も訪れている日本好きなのですが、新潟にこんなに色々な魅力があったなんて知らなかった!と感動した様子でした。

 

 

新潟市からやってきた旬の食材。新潟市には、日本酒の酒蔵が15軒あるそう(ちなみに新潟県には約100の酒蔵があるんだとか、さすが酒どころ!)。

今回、このTong Le Priviate Diningを含めたレストランをシンガポールに数多く展開する、Tung Lokグループで19年、料理人としては30年以上のキャリアを持つ、Ken Lingシニア・エグゼクティブ・シェフ(写真下、右)自らが新潟市を訪れ、食材や日本酒を選んだのだそう。

新潟市の食材、そして新潟市の酒にこだわったコースのスタートです!

 

 

麒麟山特別本醸造ときかぜは、料理のスタートにぴったりの、すっきりとした切れ味の良いお酒。

 

 

 

そして、それに合わせた最初の一皿は、今の時期しか味わえない、新潟で水揚げされた新鮮なズワイガニを使った一皿。もともと甘いズワイガニですが、さらに日本酒と中国酒を加えて、味に丸みを出しています。上には、同じく日本酒に漬けたイクラ、新潟特産の大振りで鮮やかな紫色が特徴の食用菊、かきのもとを湯がいたものが飾られています。菊を食べる文化は、江戸時代から続いているものだそう。そして、下にはミディサイズのフルーツトマト。とっても甘く、程よい酸味とみずみずしさ。水を控えることで、この甘みを出しているのだそう。

 

 

続いての日本酒ペアリングは、越後鶴亀の山廃純米吟醸。

米の旨味と酸味があり、ボディのある日本酒です。また、山廃ならではのしっかりとした香りもあります。越後鶴亀は、新潟の酒を日本全国に広めた立役者でもあるのだそう。

 

 

合わせるのは、南蛮海老。大振りの甘エビで、Kenシェフが「初めて食べた時、その甘みに驚いた」という、お気に入りの食材。

 

生の味わいを生かすため、温かいかぼちゃのスープに乗せて、そのままいただきます。かぼちゃの甘みに負けない濃厚でねっとりとした味わい。昆布の旨味をさらに凝縮したような、海の味が詰まっています。スープの中にはかぼちゃの種も入っていて、カリカリした食感と香ばしさを加えています。上にはハンガリー産の白トリュフを散らして。トリュフとかぼちゃの組み合わせはシンガポールの中華で最近よく見かけますが、甘みと旨みに奥行きを加える役割を果たしています。

 

ボディのしっかりした日本酒は、冷やで飲んでも、こういった温かくて甘みや旨味のしっかりした料理に合う気がします。

 

 

そして、ペアリングのもう一皿は、和牛。こちらは佐賀の和牛ですが、新潟市産の緑大根のピュレと共にすりおろしたものを、中国のスパイスと共に甘辛く仕上げています。中国風大根おろしのような雰囲気です。上のスティックブロッコリーはゆずの香りをまとって、さっぱりと仕上げてあります。

 

 

 

脂の乗った和牛の味は格別です。

 

そして、真鯛のスープ。新潟の里芋と共にスープ仕立てになっています。

真鯛の頭で丁寧にとったフィッシュヘッドスープは優しい味わい。Lingシェフからは、「ここで一旦、口の中をすっきりさせてくださいね」とのコメントが。

穏やかな味わいのスープに、三つ葉や里芋が添えられ、胃がほっとする感じがします。グラニテやソルベの代わりにスープ、というのもいいなと思いました。

 

 

そして、最後はLingシェフも大のお気に入りという、よしかわ杜氏の郷有りがたし純米と合わせて、新潟県の魚沼産のコシヒカリの一皿。

 

 

なんと、チキンライスです!一口大に握った鳥の出汁で炊き、唐辛子を効かせたご飯に、左から中国醤油味、通常のチキンライスのチキンにわさび、ガーリック味のチキンが乗った、お寿司をイメージしたようなプレゼンテーション。有りがたしの純米原酒はやや甘めで、少しエイジングしたような香りと、チキンライスのスパイスやガーリックの効いたはっきりとした味との相性が良かったです。

 

 

目の前には、豆苗とお米のパフ、きゅうりのチリソース和えが添えられていて、カリカリ、サクサクした食感を楽しみながらいただけます。

 

デザートは、大人の手のひらよりもひと回り大きい立派な新潟市産の洋梨、ル・レクチェ。旬の時期は11月下旬から12月下旬と、今の時期しか味わえない、このル・レクチェを濁り梅酒に漬け込み、上には柚子のソルベと、「イモジェンヌ」という甘いサツマイモのカリカリのフライを添えて。サイドにはシンガポールらしいカヤフィリングを詰めたエッグタルトが添えられています。

 

 こちらのメニューは、日本酒のペアリング込みで、S$138と、シンガポールではかなりお得な価格。12月30日までの期間限定となっています、寒さが厳しくなり、甘みが増した魚介類や、今しか味わえないフルーツなど、新潟市の季節の味を、ぜひ楽しんでみてくださいね!!

 

■Tong Le Private Dining(トン・レ・プライベート・ダイニング) 
営業時間:ランチ 11:30〜15:00、ディナー 18:00〜23:00、日曜休
住所:OUE Tower, Level 8 & 10, 60 Collyer Quay, Singapore 049322 
電話:+65 6634 3233 
アクセス:MRTラッフルズプレイス駅から徒歩5分