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MRTワンノース駅のすぐそばにある面白いホーカーセンター、Timbre+。
基本的にクーラーのない、いわゆるホーカーなのですが、バスにペイントした、フードトラック風の店舗があったりと、ストリート感漂うおしゃれな店構えで、若い人に受け入れられるホーカーセンターを目指しています。
そんな中に、今週月曜日、新しいフードトラックがオープンしました。


ITEという、シンガポール有数の料理学校に通う中でも、特に能力が高いということで選ばれた、ポール・ボキューズによる特別コースをとっている学生たち6人が、在学中ながら自らのお店を3か月限定で立ち上げたのです。


学校の研修の一環でもある、ということだったので、費用は学校から出ているのかと思いきや、実は学生たちがみんなで費用を出し合って作っているのだとか。親からお金を借りているのかな?と思ったら、「僕たちはみんなパートタイムでレストランで働いてきたので、その貯金を使っています」とのこと。利益はみんなで分配するしくみ。



そのうちの2人、フランス語がペラペラで、卒業後はフランス・ボルドーのミシュラン星付きレストランへの就職が内定しているという、Kristoffer Tianさん(21、写真左)と、将来は大きなレストランチェーンを経営したいと夢を持つ、Ker Jin Longさん(22、写真右)にお話をお聞きしました。

Kristoffer さんは、シンガポール植物園内のレストランで、シンガポールのLee Hsien Loong首相が、中国の習近平国家主席をもてなした場所でもある、Corner Houseで研修したそう。仕事のレベルがとても高く、素晴らしいキャリアの人たちと一緒に働けたのはとてもうれしかった。Corner HouseのJasonシェフの、味や色彩へのこだわりに感銘を受けたのだとか。

Kristofferさん自身の料理への一番のこだわりは、テクスチャー。将来の夢は、自分の店を、Corner Houseや、Restaurant Andre、Waku Ghinのような素晴らしいファインダイニングにすること、と目を輝かせていました。

一方のJin Longさんは、「僕たちはニュージェネレーションと呼ばれる世代。僕たちの世代は飲食店の仕事に就きたがらないと言われているけれども、フードビジネスは、成功すれば大きなチャンスをつかめる。僕はあえて、リスクの少ないフードトラックやホーカー、カフェなどからスタートして、いずれは大きなレストランチェーンを経営するようになりたい。もちろん、フレンチを学んでいるのだから、そこがベースになると思うけれども、ローカル料理とのフュージョンのような感じで、オリジナリティを出していきたい」と、夢を語ります。

そんな2人を中心に、作り出したのが、Juz Ballz(ボールだけ)という店名通り、ボール型の料理だけを出すお店。
「本来は違うプランをTimbre+側に提案したんだけれど、それでは他の店とあまり変わらない、と却下されてしまったんだ。だから、どうやってオリジナリティを出すか、というのをみんなでかなり話し合って、食べやすくて見た目のインパクトのあるボールにしようと決めたんだ」とJin Longさん。

「ファインダイニングの見習いの仕事は、確かに仕事時間も長いし、高いレベルを要求されて難しい部分はある。だけれども、自分の任されたパートを完璧にこなせばいい。だけれど、このフードトラックは、食材の仕入れから、メニュー開発、お客さんを呼ぶなどが全部自分たちの責任で、それが収益や結果に跳ね返ってくる。」




人気のメニューから2ついただきました。
まず、Meatballs Marinara(S$9.5)は、シンガポールではチリクラブの横に添えられる外側がカリッとした揚げパン、マントウに、合挽肉を使ったミートボール。トマトソースはフレッシュなトマトから、ピクルスも自分たちで漬けたという、料理学校の生徒らしい、まじめな手作りの味。サイドには、パルメザンチーズを削ってかけたフライドポテト、紫キャベツと人参の手作りのコールスローが添えられます。


Truffle Flavored Mushrooms(S$7.5)たっぷりのマッシュルームでできたソースにトリュフオイルを加え、マッシュポテトでくるんで揚げてあります。


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中からトリュフの香りのクリーミーなマッシュルームソースが出てきて、トリュフ好きにはたまらない一品では。

調理は基本的にトラックの中で行っているそうですが、唯一の例外がこのIce Cream Mochi(S$4.5)。アイスクリームの入った餅なので、調理は学校で。「タピオカと米の粉で皮を作るのですが、とにかく、薄くてもっちりとした皮にするのが大変でした」唯一の休みの日曜日に、朝から晩までかけて320個分を作るそう。

薄い繊細な皮に、冷たいアイスクリーム。砂糖入りのピーナッツの粉で、カリカリとしたテクスチャーが加わっています。



ここから、もしかしたら将来のシンガポールのスターシェフが登場するかも?
若い学生たちが奮闘するフードトラック、ぜひ行ってみてくださいね!


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<DATA>
■Juz Ballz
(2016年9月30日までの期間限定営業)
営業時間:11:00~18:00、(日曜休)
住所:Timbre+ Unit #01-33 73A Ayer Rajah Crescent JTC LaunchPad @ One-north , Singapore 139957
アクセス:MRTワンノース駅から徒歩3分ほど