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日本の和牛を世界に広めたい、そんな思いで、「ホリエモン」こと堀江貴文さんと、浜田寿人さん率いる、Wagyu Mafiaのイベントが、5月1日日曜日ワンフラトンの和食レストラン、山崎で行われました。

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去年11月に、Wagyu Summitという名前で行われたイベントですが、立食形式だった前回と異なり、今回は着席で6皿のコースメニュー(95シンガポールドル)というラインナップ。

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宮崎県の尾崎宗春さんが育てる貴重な尾崎牛が、ウェルカムドリンクもついてこの価格。「シンガポールでは本来200~300ドルで提供される内容。シンガポールの人に本物の和牛を知ってもらいたくて、ほぼ原価のみです」と、浜田さん。

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会場は、シンガポール人より日本人が少し多かったような印象です。

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日本のブランド牛は、「松坂牛」「神戸牛」のように生産地の名前が冠されるのが通常。でも、尾崎牛は尾崎さんが育てた牛だけ。月間30頭しか出荷できないので、世界のレストラン、30軒ほどにしか卸せない換算。

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尾崎さんは、どの牛も同じ味になるように、飼料にもこだわり、飼料の価格が変わると配合のバランスを変えてコストの削減を図る同業者もいる中、どんなにコストがかさもうと、それを変えないようにしているとか。また、スウェーデンから輸入した特別な海藻を使い、牛の血流を良くするなどの工夫をしていたりと、こだわりつくされた和牛が尾崎牛。

でも、なぜ堀江さんが和牛?そんな思いを、率直にお聞きしてみました。


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仲山)そもそも、WagyuMafiaという活動をなぜ始めることになったんですか?

堀江)マグロ、日本食などは、世界で認識されているけれども、和牛に関しては、口蹄疫もあり、世界に輸出できない状態が続いていた。その間に、オーストラリア和牛やアメリカ和牛など、和牛の遺伝子は持つけれども、味は違う「和牛」が出てきて、日本の和牛もオーストラリア和牛もひとくくりに「和牛」と認識される状態が続いている。

仲山)確かに、「和牛」と聞いて、どこの?と聞いたらオーストラリア産だった、ということ、シンガポールではよくあります!

堀江)そうでしょ?ワインだったら、例えば、ロマネ・コンティならロマネ・コンティで、作り手がそのままブランドになっているのが当たり前。でも、和牛はそうではないでしょう?その現状を変えたかった。

ワインの世界のように、和牛が細分化されたブランドとして認識され、例えば尾崎牛が尾崎牛として認識されるような、そんな風に世界を変えていきたい。

仲山)和牛と言ってもピンからキリまでありますよね。

堀江)そう。「いいものを安く」、が今の日本の風潮。でも、いいものは高く売られるべき。
そうじゃないと、産業自体が活性化しないし、後継者も生まれない。今、日本では、良いものが安くなりすぎている。生産者の努力、それが適正な価格で買ってもらえる、海外に販路を見出すことが大切。

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また、尾崎牛に関しては、サシの部分が魅力。しつこさがなくて、胃もたれもしない。
日本では赤身がブームだけれども、海外ではサシがある肉の評価が高い。尾崎牛の魅力は、海外でむしろ理解してもらえる。


仲山)堀江さんは尾崎牛のどんなところが好きなんですか?

堀江)脂が多くてもしつこくなく、とろけるような食感、本当においしいですよ。


海外で生産されている和牛と、日本の和牛とは、実は血統が違い、それも味の違いに影響しているのだとか。サラブレッドと同じように、血統が重要視される和牛の世界。
「食味やオレイン酸の含有率などをチェックして、どの血統の組み合わせが一番おいしいかを研究している」世界的に有名なレストランやラグジュアリーホテルに卸している、高級和牛の牧場主の友人からも、そんな話は聞いていました。

しかし、ビジネスマンでもある堀江さん。採算度外視のこういったイベントに関わる理由はなんなのか、それについてもお聞きしました。


仲山)和牛を世界に広める、ということで、堀江さん自身が得たいこと、ってなんなんですか?


堀江)日本と違って、海外はシェフの地位が高く、そして人とのつながりがある。
例えば、大統領が食べに来たりして、大統領とのコネクションがあったり。高給だしね。

ちょっと話は変わるけど、今、音楽の世界では、DJが一番実は稼いでいるんです。パソコンの中にすごい数の曲が入っていて。一回の出演で5000万円くらい稼いだりしてね。

それと同じことをプロの料理人と組んで、料理の世界でやりたいんです。
例えば、尾崎牛のブランドが、MHLV(モエ・エ・シャンドン、ヘネシー、ルイヴィトンなどを持つ巨大ブランドコングロマリット)に買い取られる、なんてことがあったっていい、そう思っているんです。

そして、問題を解決しながら世界で名前を売れば、世界で自分がやりたいことを、もっと聞いてもらえるでしょ。

仲山)それって、ITですか?

堀江)ITはもうかるし、モテるし、カッコいい。でも、それはもう自分の中でやりつくした感がある。
医療や宇宙開発、車の自動運転とか。もちろん、料理もだけれどね。だから、世界で自分の存在感を出すためにやっている面もあります。

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とはいえ、自ら厨房に入り、素材を選ぶなどしていたという堀江さん。今回初めて、WagyuMafiaの制服を作ったそうですが、実際に手を動かして、ワイシャツを変えなくてはならないほど汗をかいたので、「実はワイシャツは本来のユニフォームじゃないんです」と話していました。
現場で誰より汗を流していても、きれいごとでなく、「自分の夢につながっているからやっている」、とはっきりおっしゃっていて、逆に好感が持てました。

世界に販路を広げることで、後継者不足などの話を聞く、農業や畜産業など、食にまつわる仕事を、かっこよく、稼げる仕事に。これは、本当にそう!おいしいものを作る人たちが、もっと報われる世の中じゃなくては。

次回のWagyuMafiaのイベント、日時は未定ですが、また半年後くらいに行われる予定だということです。