きょうはモダン・プラナカン料理の名店、キャンドルナッツに取材に行ってきました!
プラナカン料理を古臭い、年配の方が食べる料理でなく、若い人が「かっこいい、おいしい!」と食べてくれる料理として提供して、伝統の味を保ちたいという思いで新しい料理を生み出しているマルコム・リーシェフ。

およそ一年半ぶりにインタビューしたマルコムシェフは、前回よりもさらに、自信とパワーに満ちていました。


2週間ほど前に、スペインの美食の町、サン・セバスチャンで行われた国際的な食のイベントにシンガポールを代表するシェフの一人として招待され、腕を振るってきたばかり。

たくさんのインスピレーションを得て帰ってきて、今考えているのは、サン・セバスチャンには、そのお店ごとに、そのお店にしかない、スペシャルなメニューやスタイルがある、キャンドルナッツを、ここにしかない、プラナカン料理のアイデンティティーを持った味を楽しめる店にしていきたいということでした。




プラナカン料理は元祖フュージョン料理、現代のシンガポール人は、世界中の味に慣れ親しんでいる。
そんな現代の息吹を、プラナカン料理に取り入れることで、プラナカンの味を後世に伝えたいと考えているそう。

例えば、イエローカレーをホタテの甘みを引き立てるソースとして使ったサラダ、リンゴのチップスで豚の頭の肉を挟んだアミューズや、牛タンでラビオリを作り、牛ほほ肉を包む、など、
様々なアイデアが飛び出してきます。
今後は、メインダイニングの一部をシェフズテーブルのような形にして、「R&D(研究開発)」で生まれたスペシャルメニューを生み出していきたいとのこと。

そして、もっとオリジナリティーを打ち出し、自分が食べたいものを、提供するスタイルを確立していきたいと語ります。

一部、前回と同じメニューもいただいたのですが、味がさらに進化していました。

今回特に気に入ったのが、伝統のブアクルア料理。

以前よりもコクが増し、そして新しく、ブアクルアのペーストが上に載っています。

この、カカオ豆のようなシナモンのような、独特の甘い香りが生きたペーストは、ガーリックやチリパディと呼ばれる唐辛子、小エビのペースト、サンバルブラチャンなどを加えてあり、深い味わいがあって、止まらないおいしさでした!いろいろなところでブアクルア料理を食べましたが、ここのブアクルアが一番好みかも。

また、もう一つのお気に入りは、イカの唐辛子炒め、サンバルソトン。


伝統的にはスープなどの香り付けに少しだけ入れる程度のイカスミを、炒め料理に使っています。
Wokと呼ばれる、スモーキーな香ばしさと、コクのある辛みをまとった柔らかいイカ、ほのかな酸味とカフィライムのかんきつ系の香りがアクセントになっていました。

シンガポールで「死ぬまでに食べたい10の料理」の一つにも取り上げられた「ブアクルアのアイスクリーム」は、味がさらにバージョンアップ。




やや酸味を強めに出して、さっぱりとした印象、そしてパチパチキャンディーの利かせ方も強めになっています。
これからさらに、新しいバージョンに進化させる予定とのこと。
一度食べたことがある、という方も、ぜひその違いを確かめてみてくださいね。

デザート類は、伝統の味をアレンジして、甘すぎず、さらに軽やかなものを作っていく予定ということでした。

今は、アラカルトはお昼のみ、ディナーはお任せコースとなっていますが、お任せコースのお値段はなんと50シンガポールドルという、シンガポールでは驚きのお手軽さ。近々値上げするかも?ということなので、気になっている方はお早めに!

詳細は過去記事をどうぞ! 

伝統料理に新風・若きシェフのモダン・プラナカンキュイジーヌ「Candlenut」