西オーストラリア、マーガレットリバーのワイナリーイベント、「Margaret River Gourmet Escape」の記者会見へ。

当日まで秘密とされていた、今回初参加のシェフ、いったい誰だろうと思っていたら、

ゴードン・ラムゼイの師で、かつて世界最年少ミシュラン三ツ星シェフに輝いた、Marco Pierre Whiteシェフ。

若い頃は、「気に入らない客は帰ってもらう」という激しい性格でも知られていたMarcoシェフ。会見が始まった時は、哲学者のような、少し気難しい雰囲気が漂っていたものの、「今年のイベントの、例年とは違うスペシャルな部分はどんな所?」という記者からの質問に、「僕が参加していることじゃ足りない?」とジョークで返す等、すぐに和やかなムードに。

(左は地元マーガレットリバーから、西オーストラリアの「Chef of the Year」に選ばれた、Aaron Carrシェフ)

最近の食のトレンドについて聞かれると、「昔は一口ずつ、20皿のコースが出て来る、というのがもてはやされたけれど、今時代はもっとワイルドに「食べる」ことに向き合うような流れが出来ているのではないかと思う。完璧な焼き加減の肉を、温かい状態で食べる。そんな風なシンプルな食の本質が、今求められているのではないか」と話していました。そして、何を食べるかというよりも実はもっと大切なのは、誰と一緒に食べるか、とも。

(オーストラリアの国鳥でもある、エミューを使ったアミューズ。生のタルタルでしたが、牛肉のような赤身の肉で、とても滑らかな肉質でした)


そう言った意味でも、シェフにとって最も大切なのは、誰かに美味しく食べてもらいたい、レストランを楽しんでもらいたいと言う「ハート」、とも。そして、この仕事を選ぶ若者にアドバイスは、と聞かれた際には、「シェフというのは仕事ではなく、「生き方」そのものだよ」と答えていたのが印象的でした。

シンガポールでもTV番組で知られていただけに、会見後の時間には、記念写真を求める行列が。
地元メディアの友人は、「私が初めてTVで見たシェフなの!」と大興奮。そのことをMarcoシェフに伝えると、「それはあなたの人生を変えた?」と質問、「もちろん!」と彼女が伝えると、「よかった」とにっこり。

私は日本の食材についてお聞きしましたが、日本のシーフード、伊勢エビとホタテ貝は素晴らしい、と絶賛していました。
握手をした手がとても大きくて温かかったのも、印象的でした。

2時間ほどの短い時間でしたが、ひとりひとりの報道陣に名前を聞き、ゆっくり話している姿からは、かつて「Enfant terrible」と呼ばれたとは思えない優しさと落ち着きが感じられました。

そんなMarcoシェフも参加する、西オーストラリア、マーガレットリバーで行われるイベント、Margaret River Gourmet Escapeは、今年は11月20日~22日の日程で行われるそう。

砂浜にMarcoシェフを始め、セレブリティーシェフのテントが並び、特産のワインや音楽と共に楽しめるイベント、日程が合えば私も参加したい・・・




(以前取材させていただいた「Waku Ghin」 の和久田シェフも登場予定)


南半球ではちょうど初夏のこの時期。西オーストラリアにこの時期旅行を計画されている方、お勧めです!