フォンダンショコラを食べ比べてみて
チョコレートの味の違いを上手く表現できない自分に気づき

世の中にこんなに色んな品種があって 奥深い世界が広がっている筈なのに・・・
という理由で 利き酒 ならぬ 利きチョコ をしてみる事に

そう言えば、ワインエキスパートの資格を取った時も、こんな動機でした

そんなこんなでテイスティング開始
カカオ豆の味わいにこだわったチョコレート16種類+ボンボンショコラ5種類
 


左はボリビアの「エル・セイボ」 右はイタリア「ドモーリ」のシングルビーンカカオのシリーズ


フランス「ボナ」のグランクリュシリーズ
 

 

 

 

 

 

日本のエスコヤマのボンボンショコラ

カカオ豆の品種は大きく分けると、古来からチョコレートに使われて来たクリオーロ種と、今生産量の80%を占めるフォラステロ種に分かれていて、
香りや味わいに優れるものの、気候の変化や病気に弱く、つける実も少ないクリオーロ種を、丈夫で育て易く、実も多いフォラステロ種と交配したトリニタリオ種というものも生まれているそう。

これだけの種類を食べ比べてみて、その味わいと香り、溶け方の違いに驚きました
比べてみないと、分からないものですね

しかも、カカオ豆は、土の質だけでなく、周りでどんな植物が栽培されるかによってや、気候によって年ごとに、味わいが変わってくるのだとか・・・

個人的には、シングルビーンズでは

シナモンのような香りのある、「ボナ」の”マラニョン”と、

 

 

 

まったりした味わいの「ドモーリ」の”チュアオ
 



が、気に入りました

それにしても、これまでグルメレポートを数多くやって来ましたが、「チョコレート味」とひとくくりに出来るものでは、とてもとてもなかったんですね~


更にこれにクリーム、砂糖、更にはナッツやフルーツやリキュール等・・・様々な要素が絡み合っての味わいを作って行くと考えると、本当に深遠な世界です・・・

 

 

そんなチョコレートを更にブレンドして組み立てたのがボンボンショコラ

今回食べたエスコヤマのものでは

日本らしいほろ苦さのあるふきのとう と

 

 

 

肉料理にも合いそうな スモーク風味の ニンジャ

 

が気に入りました

パリのサロンデュショコラで、外国人部門最優秀ショコラティエ賞を取ったという
小山さんのチョコレートは、表現したいものをしっかりと主張していて、しかも1から順に食べる流れまで計算されている印象。一粒一粒に”日本らしさ”を表現しようと言う思いが感じられました。
 

 

 

男性に高級チョコレートを贈っても、良さが分かってもらえないという理由で、女性同士で贈り合う「友チョコ」が人気とか
ワインやコーヒーにはまったりする男性は多いようだけれど、チョコレートの奥深さがもっと知られるようになれば、チョコの「違いの分かる」男性も増えてくるのかな


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以下、テイスティングの感想です、引用もあって長いので、ほぼ備忘録として記載しています
興味のある方がもしいらっしゃればご覧ください~

ドモーリ社のシングルオリジン(1品種のみを使った)チョコレート
「   」内はメーカー側の説明
☆は感想

 


①②③
④⑤⑥
 

 

 

 

①スルデルラーゴ(トリニタリオ品種・ベネズエラ産)
「ベネズエラ産のクリオーロ種とクリオーロ・トリニタリオ種の交配種。クリオーロ遺伝子を多く含む品種。第1アロマ:繊細、第2アロマ:アーモンドの香り。香り、味、触感のバランスは絶妙で、酸味、渋みは低い。口当たりが良く上品。持続性がある。」

☆かすかにナッツっぽさのある、上品な淡い味わい。

②リオカリーベ(トリニタリオ品種・ベネズエラ産)
「ベネズエラ産のクリオーロ・フォラステロ種と、時間の経過と共に生まれた交配種との交配種。第1アロマ:強い、第2アロマ:木材、タバコ、甘草、胡椒、ナツメグ、カシューナッツの香り、味、感触のバランスが最高。」

☆インパクトのある香り。クリーミーで濃厚な香りで、後からハーブのようなさわやかな印象のある青っぽい香りが。



③サンビラーノ(トリニタリオ品種・マダガスカル産)
「マダガスカル産のクリオーロ種遺伝子を多く含む。 第1アロマ:強い、第2アロマ:ベリー、カシューナッツ、胡椒、シナモンの香り。個性的な酸味とベリーの香りの特徴的で、軽い渋み。滑らかで香り、味、触感のバランスが良い。持続性がある。」

☆力強さがある。しっかりとした酸味。干しぶどうのような香りと後味。


④アプリマック(トリニタリオ品種・ペルー産)
「花、キャラメル、ミルククリームの様な香りと微かな酸味が特徴。マイルド。」

☆マイルドな甘み。花の香りのするはちみつのような、リキュールのような奥行きのある香り高さ。


⑤アッリーバ(ナショナル種・エクアドル産)
「第1アロマ:弱い、第2アロマ:熟したバナナ、ハチミツ、ヘーゼルナッツ、柑橘類の香り。軽く渋み、酸味があり、まろやか。持続性があり、香り、味、食感のバランスが良い。」

☆マイルドで、深みのある濃厚さ。はちみつの香り。南国っぽい味わい。

⑥テユーナ(トリニタリオ種・コロンビア産)
「余韻があるカシューナッツとハチミツの香り、甘みが特徴的」

☆まずはちみつのような甘みがしっかり出ている、酸味があまりなく、穏やかな味わい。食べ易い。

砂糖を加える量は一定だそうなので、カカオ豆の特徴として、甘かったり、色々あるんですね。

続いて、世界のカカオ豆の0.01%しかないという希少なクリオーロ種のもの


①②③
④⑤⑥
 

 

①ポルセラーナ(70%クリオーロカカオ・ベネズエラ産)
「サン・ホセ農園産ポルセラーナ。バター、パン、ジャムの香り。濃厚で繊細で滑らか。ドモーリが最初に手がけたクリオーロ種」

☆口に入れると最初バターの香り、続いてフランスパンのクラストのような香ばしさ。ほのかにカレーのようなスパイス香

②プエルトフィーノ(70%クリオーロカカオ・ベネズエラ産)
「サン・ホセ農園産オクマーレ67キャラメル、タバコ、パパイヤ、マッシュルーム、デーツ、樹木の香り。」

☆最初おとなしい印象だけれども、深みがある。キャラメル、樹木の香り。酸味は控えめ。クリーミー。

③プエルトマーレ(75%クリオーロカカオ・ベネズエラ産)
「サン・ホセ農園産オクマーレ61生クリーム、アーモンド、チェリージャム、の香り。バランス良い甘みと滑らかさ。」

☆クリームの中に、しっかりとした酸味。

④ジャバブロンド(70%クリオーロカカオ・インドネシア産)

「タバコ、ベリー、燻製、樹木の香り、非常に滑らかでスパイシー。余韻が長く続く。」

☆甘み、スモークチーズのような香り。ナツメグのような、スパイシーな樹木の香り。ヴァニラ。エキゾチック。
産地が変わった感じがする!鉄分を含んだ粘土のような土の香りというか

⑤チュアオ(70%クリオーロカカオ・ベネズエラ産)
「ナッツ、アーモンドの香りのあとハチミツ、バニラ、クリームの香り。素晴らしい甘みと滑らかさ。」

☆べっこう飴やヴァニラのような甘みのある香り。とてもクリーミーで、ねっとりとした印象。



⑥カノアーボ(70%クリオーロカカオ・ベネズエラ産)
「ミルククリーム、デーツ、アーモンドの香り。まろやかで持続性がある。」

☆何も入っていないのに、ミルクを加えたプラリネやジャンドゥーヤのような滑らかな味わい。上質なクリームの香りが強い。

ボナの希少品種

 

マラニョン(右)
シナモンのような強い印象の香り高いフレーバー!
ほんのり後味がスパイシーな感じは子どもの頃食べたニッキ飴を彷彿とさせます
カプチーノと頂きたい

ソコヌスコ(左)
インパクトはマラニョンほどではないが、
口に入れた時に上品な青っぽい感じがある

その後にドモーリのポルセラーナporcelanaを食べると、はっきりキャラメルっぽさや乳製品の印象が感じられる
ドモーリの味のタイプが分かる、バターっぽさやキャラメルっぽさが特徴

一回りドモーリを食べてみてソコヌスコを食べてみると
最初のアロマが分かった!青っぽい香りと言うより、桑の実の香り・味と酸味
上品な透明感のある味わい

ボリビアのエルセイボ

 

ヘリテイジカカオ75%(右)
熟成したコンテチーズのような香りとコク、針葉樹のようなツンとした香りと土っぽさ 香り高さ
ファインダーク(左)
「説明には、レッドフルーツのアロマ」、とあるけれど、
重く沈み込むような森林の香り 深くものを考えたい時に食べたい
何かのスパイスのような味・・シャープな針葉樹の香り
冬っぽい味 冬の食材と合いそうな味


これらを食べてから 日本のショコラティエのチョコを食べてみる事に

 


兵庫のエスコヤマのサロンデュショコラパリの受賞作、デギュスタシオンNo.5

シンプルなガナッシュの
1「夜明け」を食べると
どことなく米っぽい!(日本産の生クリームを使っているから?)ミルクの味わいとフルーティなリキュールの香り
2「Fukinotou」ふきのとうの苦みとクリーミーなミルクチョコの合わせ技が見事
3「Praline japonais」はじける金胡麻の香り高さ。クリスピーさ
4「Sake japonais」日本酒の酒粕のコク リキュールっぽさ
5「Ninja」薫製 食事にも合いそうなチョコ 鹿肉の赤ワインソースとかにも合わせたい
薫製した海塩のアクセントも好き☆

さ~運動しよっと