人が見る夢は、目が覚めた時には覚えていなかったり、顔だけボヤけていたり、前後の繋がりがおかしかったりする事は多々ある。

でも…


何時ごろだろうか。

眠っている私の枕元に、誰かが腰掛けた気がした。

前日からのいろんな残像や感情の流れもあって、
『待ってて良かった!』
という意識ははっきりしていた。

その誰かとの出来事が、夢なのか、幻なのか、現実なのか判断する間もなく…
全てを受け入れることしか出来なかった。


身体の中心に衝撃が走り、熱くなり、激しい拍動を感じて目が覚めた。

脳ミソは夢を見ていて、身体の感覚は現実だった。

しばらくのあいだ、その余韻を楽しんだ。


こんな体験は初めてだった。

『もう少し眠って続きを』
と、願ってみたが夢の中の出来事だと正気に戻った。



でもどうして忘れたくなくて、此処にその記憶を記録します。

夢物語 壱
ある役者の朗読劇を観劇するために上京した日の出来事。

1日限りの3回講演。
男女の過去と未来の糸が複雑に絡み合った物語。

全ての講演を観終えて、生まれて初めての感触。

息づかい、声、感情、表情、役者のありとあらゆるものが身体に感じられた。

脳ミソがしびれた。

全てが終わり、役者たちが関係者席へ挨拶に降りてきた。

最後まで残って居ようかとも思ったけど、お目当ての役者に声をかけて、握手をしてもらい会場をあとにした。

脳ミソがしびれたまま地下鉄に乗り、予約してあったビジネスホテル近くのコンビニで本物のビールを買って、部屋に入った。

シャワーを浴びて、ビールを飲んで、その日の出来事を思い返して、好きな役者の姿を思い浮かべながら眠りについた…



つづく


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