わたし、実はデザートの中でもアイスクリームづくりには特に自信があるんです。今までにもいろんな種類のアイスのメニュー開発を行ってきました。
 アイスクリームが一番おいしいのはいつか。実は、アイスをつくるとき、「このときが一番おいしく感じるように」と狙いを定めて作っているポイントがあります。
 温度によって、甘さの感じ方は大きく違います。冷たければ冷たいほど、甘さは感じにくく、あたたかくなるほど、甘みは強く感じるようになります。
 アイスクリームについては、冷凍庫から出したてのカチカチの状態ではあまり甘く感じないんです。溶けてくるとだんだんと甘くなってくるので、一番おいしい状態は、「ちょっと溶けかけ」。レシピをつくるときも、ちょっと溶け始めた頃にこんな味になるように・・・ということを念頭に分量を設定するので、出したてのアイスではなく、少しやわらかくなり始めたものを食べて欲しいですね。
 これまでにつくったものの一部を挙げると、ポピュラーなココナッツアイスクリーム、ベリーのアイスクリーム、カラメルのアイスクリームなどはもちろん、タイ料理のレストランでデザートをつくったときにはいろんな珍しいアイスを開発しました。マンゴスチンやトウモロコシのアイスなんかも作りました。トウモロコシは甘みのあるスープのようなイメージでしょうか。
シンガポールのレストランでは、ブラックペッパーのアイスクリームなど。 他にも、シャンパンのソルベや、日本酒のソルベなど。日本酒のソルベのときには、佐藤錦というさくらんぼのフランベと合わせて出したのを覚えています。
 ミルクのジェラートを作ることもあるのですが、このときにはこだわりがあります。真っ白なジェラートに仕上げるために、卵黄を使わずに、その代わりサワークリームを使うんです。発酵したものを入れると、コクがでるんです。真っ白な材料ばかりでつくって、純白のジェラートにしあげています。
 たくさん挙げてきましたが、こうしたアイスクリームを、ぜひ一番おいしいタイミングで味わってもらえれば幸いですね。