モード誌編集者歴35年の平工京子です。

 

(↓初めましての方は、こちらへ)

プロローグ

 

 

暑い中、コートの写真ですみません。

 

ここで出さないと、

タイミングを失ってしまいそうなので、

失礼させていただきました。

 

これは、小学館から出ていた

学生向けのファッション雑誌

『女学生の友』

通称、ジョトモに掲載された写真。

 

横浜のフェリスに通っていた

中学2年生の私です。

 

 

いろいろな学校の前に

記者とカメラマンがやってきて

生徒たちをスナップする

今でいう、

「おしゃスナ」の

走りのようなページで、

 

フェリス女学院の回に

通学路だった心臓破りの階段の前で

撮影されたカット。

 

私が雑誌というものに

初めて出た写真です。

 

 

モノクロなので分かりづらいですが、

フェリスの制服はセーラー服で、

3本のラインと

リボンタイがエンジでした。

 

そして、

フェリス

ファッションに関して

ものすごく自由で、

制服の上に何を着てもいいという

校則だったのです。

 

中学2年生の私は、

おしゃれに興味津々で、

ちょうど原宿に

友だちと行き始めたころ。

 

(↓昨日の記事はこちら)

私的70年代原宿物語①

 

 

この写真では、

セーラー服の上に

白いVネックのセーターを着て

黒いミリタリー調コートを着ています。

 

コートの袖には横須賀で買った、

US ARMYのワッペンをつけていました。

 

 

この企画は

記者とカメラマンが撮った

女学生たちの写真を編集部で採点する

というもので、

 

私の着こなしは、

最高点の10点をもらいました。

 

 

私にとって

暴君のような存在だった母親

たいへんご満悦でした。

 

彼女がダメだと思うことは

ぜったいに許されなかったので、

こういう事はOKなんだと

わかりました。

 

 

ところで、今回、この写真を

引っ張り出してみて

初めて気がついたのですが、

写真の裏に、線で消された

メモ書きがありました。

 

 

ただ点数がいいので、

そんなに小さくてもこまるのです

 

と、書かれています。

 

 

現在の私は、編集者なので

これが何を意味しているか

簡単に想像がつきます。

 

レイアウトのデザイナーが

小さい扱いでもいいか?

と、編集者に聞いたのでしょうね。

 

よく覚えているのですが、

得点が10点なのにもかかわらず

私の写真は

あまり大きな扱いではありませんでした。

 

点数は私より低いけれど、

私より断然きれいなカコちゃん

という子の写真がとなりに載っていて

彼女の扱いの方が、

大きくて目立ったのです。

 

 

私は、中学2年生にして

現実の厳しさを感じていましたよ。

 

カコちゃんのことは大好きでしたけど。

 

 

 

話は制服ファッションに戻ります。

 

スケバン、という女学生が

世の中に登場し、

他校の制服のスカートが

長かったこの時代。

 

フェリス生のスカート丈は、

ミニが主流でした。

 

これは、近くにあった

インターナショナルスクールの影響。

 

この写真の時は

まだ学生鞄を持っていますが、

インターの生徒たちを真似て、

 

フェリスではその後、

ディズニーのランチボックスと

ブックバンドが流行ります。

 

スカート丈もどんどん短くなって

先生が床からの高さを測るのに

ものさしを持って

追いかけてくるようになったり。

 

学校はピクニックでは

ありません

 

と、ランチボックスが禁止になったのも

笑い話になっている、

いい思い出です。

 

 

フェリス、夏服の授業風景  へ続く