モード誌編集者歴35年の平工京子です。

 

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プロローグ

 

ファッション・エディターの仕事① では、

ラフコンテが

撮影の設計図のようなもの、

というお話をしました。

 

今回は、撮影のセッティングについて、

ご説明したいと思います。

 

これも、私の仕事の中では

かなり大きな比重を占める作業です。

 

 

ラフを描き始める前、

編集部との打ち合わせの段階から

スタッフ組みがスタートします。

 

もちろん、

誰でもいい訳ではないので、

お願いしたいスタッフのスケジュールを

合わせるのが一苦労。


最初に決めるのがスタイリスト。

続いて、スタイリストと相談しながら

フォトグラファーの候補を絞ります。

その次が、ヘアメイクさんですね。


いざオファーをしたものの、

スケジュールが取れないということは

ふつうにあるので、

NGが出たらすぐに頭を切り替えて、

次の人を当たります。

 

もう一方で、

入稿スケジュールというものもあり。

いつまでも、

撮影をあと延ばしにしてもいられない。

 

とにかくデッドラインの前に、

その企画に対してベストなスタッフを揃え、

撮影を組むのが

エディターの腕の見せどころ。

 

しかも、ドラマの撮影に入っている

女優さんが被写体だったりすると、

 

「1週間後のこの日が空きました。

ピンポイントで撮影、組んでください」

 

というようなケースも、よくあります。

 

 

プレッシャーが強過ぎて

耐えられないという人いますが、

私はけっこう大丈夫。

 

私の35年のキャリアの中で

スタッフがつかまらなくて

撮影が組めなかった

ということはありません。

 

だから、どんなに状況が厳しくても

最終的にはどうにかなる、

大丈夫と確信しています。

 

 

あ、スタジオを押さえるのも、

私の仕事です。

 

人気のあるスタジオは、

他の撮影との

争奪戦が繰り広げられることもしばしば。

 

ひとつひとつの撮影は

そういうスリリングな状況を乗り越えて、

実現していきます。

 

写真は、四谷三丁目の「外苑スタジオ」で。

 

撮影終了後にセレクトをしている

フォトグラファーと私。

 

真剣ですね。

ほら、ちゃんと仕事してるんですよ〜。

こんな風に。

 

この日のフォトグラファーは、

生田昌士さん。

 

今は大変な売れっ子ですが、

アシスタントのころから知っているので、

いつもは生田君、て呼んでいます。

 

私にとっては、

「出来のいい弟」みたいな存在かな。

いつも、頼りにしています。

 

生田君、これからもよろしくね!

 

ファッション・エディターの仕事③ 

へ続く