インスタグラムで
繋がっている友だちから、
「80年代のシーラカンスな
ファッションがもっと見たい」
とのリクエストがありました。
きょうは手元に残していた
『流行通信』のバックナンバーから
1985年5月号をお届けしましょう。
テーマはブルー・デニム。
「定番的なアイテムだった
Gジャンやジーンズが
おしゃれになってカムバック。
デザイナーたちの手によって
新しい息吹が送り込まれたのです」
と、当時の私が書いております。
スタイリングも私。
じつは、編集会議でテーマが決まって、
デニムをあれこれ集めてみたものの、
どうコーディネートしたらいいか
まったく見えないまま、
撮影当日を迎えました。
スタジオに大量のものを
運び込んだはいいけれど、
途方にくれるヒラク。
そこへ、じゃーん、
私の頭を刈り上げにした
モッズ・ヘアの田村哲也さん登場です。
(↓そのあたりの経緯はこの記事で)
「なに、ちょっと着せてみれば。
大丈夫だよ。
撮影はインプロビゼーションだから。
ほら、頭をこう作っていけば面白いし、
ネクタイとかしちゃっても
いいんじゃな~い?」
ちなみに「インプロビゼーション」は
ジャズ用語で即興演奏とのこと。
アドリブですね。
かくして、撮影はサクサクと進み、
「見たこともないような、すごい」
ファッションページに。
「すごいって、どうなのよ〜。
それがいい訳? ちょっと微妙かも?」
と、いまでは思いますが、
ファッションの中には
「人を驚かせる」という要素があって、
『流行通信』のDNA的には、
かなり重要視されていた部分。
ついにはこの号の表紙にまで
なりましたからねー。
いや、「かえって良かった」
ということは、よくあるものです。
写真は、NAOKIさん。
8×10ポラのタングステン光撮影。
すっ頓狂なスタイリングが
イタリア版の『VOGUE』みたいに
クリエイティブに見えますね。