2017年9月19日 現地時間 AM 5:24 頃
「アッラー、ガー〇〇△ーガー!
アーアーガー!…」
私の睡眠は、2階のラジオから流れる爆音のお祈りの声で破壊される。
かなりの低音おっさんボイスで、お経とはまた違う独特の抑揚がある。
上手いのか、音痴なのか全くわからない。
途中聞こえる、ガーはラジオの雑音。
私は、いつもアラームに、爽やかな朝をイメージした音楽を設定している。
DEPAPEPE の爽やかなギターデュオ なんか得にオススメだ。
今日、人生で初めて、おっさんのうなり声で起きた。
お祈りの声は15分続いた。
ラジオ体操なら、第一から第三まで十分にできてしまう。
二度寝を諦め、無駄に早く朝の支度をする。
キッチンへ降りると、パパさん(以降 ヤッサ)がリンゴを剥いていた。
"Good morning!"私はヤッサに笑顔で挨拶する。
ヤッサは、包丁を握りしめ窓の外を眺めながら、シリアスな面持ちで私に言った。
”Koko! You Should go early today. Look! this morning is very foggy!!"
なんか、「早く行ったほうが良い」と言われたのは分かったけど、
フォッギー? フォッギー って何?
そう思い窓の外を見ると、
真っ白。( ̄□ ̄;)
向かいの家が見えない。
外にでると、ものすごい霧
ハリーポッターの映画でいうと、ヴォルデモートが出てきそうな感じ。
(霧が晴れ出したときに撮影。ハリーポッターの世界が通学路。ここは、学生街のパブ)
「こんな霧の日は、バスも車も、ノロノロ運転だから、早めに出ないと学校に遅れるよ。」
ヤッサにそう言われ、パンを食べるなり家を出た。
ヤッサが外まで出てきて、バス停の場所をボディーランゲージを交えながら、教えてくれた。
霧でよく見えなかったが、嬉しかった。
5分くらい歩くと、小さいバス停が見つかった。
ベンチには、酒のカンを握りしめた、アル中っぽいおばあちゃんが座っていた。
とりあえず、挨拶はした。
バスはノロノロ運転でやってきた。
男子学生が、道路に出て左手でピースサインを作り、合図をバスへ送る。バスが停車。
(合図を送らないと、バスは素通りする!)
マンチェスターのバスは二階建てが主流で、ドアは前方一ヶ所のみ。
乗車時に運転手へお金を払う。
この時、初めてだからよくわからなかった。
乗ってすぐ運転手へ言った。
" Hello. I need to go to the Moseiley Rd. Then, I wold like to buy a weekly tikect."
通りの名前と、一週間のチケットを買いたい。と、言ったつもりが、
1day チケットを売られた。
発音間違えたか?
バスの警備員っぽいおじさんがいたので、困っている事を話した。
"Excuseme . I need to go to the Moseley Rd. But I don't know where should I come off and change other Bus. Because it's first time to came Britain.
Coould you help me?"
どこで、降りて、何に乗り換えたらいいかわからないんです。(ノ_-。)
だってイギリス初めてきたんです
助けてください(/TДT)/!
ママさんから事前に、「大きな公園の角を曲がったら、降りて乗り換える。」と教えてもらっていたが、霧で何も見えない。
公園なんてわからない。
ママさんが描いてくれた地図を見せると、「あ~はいはい」と、
説明してくれたのだが、話すスピード速すぎて何言ってるかわからない
え~すみません。もう一回言って(T▽T;) と、繰り返してたら、
「どないしたん?」と、黒人のビッグママ(ミュージカル映画にいそうな人)が大阪のおばちゃんのノリで会話に入ってきた。
おじさんが、ビッグママに地図を見せると、
「なんや、私そこ行くねん!その娘連れてったるわ!」的な英語を言って、私に
" OK, I take you .Don't worry. "と笑う。
20分ほどたってビッグママと一緒に降り、乗り換えのバス停へ向かう。
(乗り換えたバス停。晴れた日に撮影)
すぐに乗り換え用のバスが来たので、ビッグママと一緒に乗車。
ビッグママはどこかで、掃除の仕事をしてるっぽい。
「次降りるで~」とボタンを押す。
バス前方に「BUS STOP!」の文字が点灯し、バスが止まり、そこで降りた。
(バスを降りるとこんな景色。教会の塔と、パブの庭)
ママは言う。
「あんたの学校は、この道をまっすぐ進むと右側にでてくるからね。
けっこう歩くけど、信じてまっすぐ歩くんやで!わかった?」
私はうなずく。
「ほんでもあんた、帰り方分かるんか?」
私はノーと、首を横に振る。
「道路を渡って、まっすぐ行ったら斜め向かいにバス停あるからそこから、乗りや。
どのバス乗ってもいけるからね。さっき乗り換えたところで降りるんやで、わかった?」
うん。わかった。 ありがとう!(>_<)
「あんた、若いねんからGoogle Map とか持ってへんの?
あれ便利やで、あれ使い!な、な、な。」
ママは大阪弁に訳すると、そんな感じの事を言い、
"Have a nice day." とクールに霧の中へ消えていった。
泣きそうになった。・°・(ノД`)・°・
まさか、こんなに優しくしてもらえるとは思ってもいなかった。
嬉しかったのと、ほっとしたのと。色々。
そして、他人に頼ることができた自分に驚いた。
"Colud you help me? "
「助けてください。」なんて、今まで言ったことが無かった。
自分は助ける側で、人に頼ってはいけない。自分で解決しなくてはいけない。
ずっとそう思って日本で生活してきたから。
「助けてください。って言えば、負ける。」
それは逃げる事だと、ずっと心の中で思っていたのかもしれない。
仕事で悔しい思いをした事、過去の事を色々思い出した。
でも今日初めて、「助けて。」って言えた。
自分の殻を破った。
心が軽くなった。
みんなありがとう。
ママに言われた通り、信じてまっすぐ歩く。
10分ぐらいすると、学校の看板が見えた。
やっと到着した。
時刻は朝の7時50分。
ドアがまだ開いていなかったので、しばらく校庭で待つことに。
今日からインターナショナルスクール生活が始まる。
やっと、スタート地点に立った。
そうか、、、まだ始まってもいなかったのね。。。
(学校近くの教会の塔)
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