君は薔薇より美しい⋯🌹⑨

書き下ろし




なんだかんだ言いながら⋯

〜君は薔薇🌹より美しい⋯〜

連載になってしまいました!!

やだ、もう⑨話目⁉️
しかも、毎回4000字を軽く超えてます💦💦



どうしましょう💦

現在、仕事と同時に、
資格取得の受講が、この先、週イチで、3カ月も街中に通わないといけないのに⋯(^_^;)

いつ書こうかな⋯
電車の中?
講義中?(それは無理(笑))

🟣実際、電車の中で隠しながら書きました(笑)🟣↑バカです(笑)


でも、何処かで、空いた時間を作らなきゃ!!
やばい!!



さて。

(ニセ明様の、君は薔薇より美しい🌹のYouTubeを観て思いついた物語⋯⋯⋯💦(ニセ明様を知らない方は、星野源 ニセ明で検索してみて下さい🌹)
、当初、ショートストーリーで書いた⋯つもりが⋯)

この作品のご感想で。

続きを読みたい、

連載にして欲しい

長編にして欲しい

二人に幸せになって欲しい

と、リクエストを沢山頂きましたので、

プロットの冒頭を構想し、色々書き下ろしました。

次回続きは頭の中にありますが、

色々調べ物もあるので、

時間を頂きましたら有り難いです♥️

ゆっくり書いて参ります♥️
もちろん、物語はいずれ終わります。

今回、私が書きたかったのは、
非凡なオスカルが、1人の女性としての生き方の
方向転換を、もし愛する人の為に出来たら⋯。
非凡な人間が、普通の幸せな生き方を最終的に選ぶのだろうか?
その彼女の思考を、漫画を読み、感覚を研ぎ澄ませて、オスカルはどう生きるだろうか?

そこを彼女や周りの会話で葛藤や、幸せな感情を書けたら⋯。そんな事で、連載になりました。

でも。

必ず最終回はあります。

私は最終回があるからこそ、次の物語を書こうと言う思いになるので、ダラダラ小説書くのは嫌なんですよね💦
昔、プロデビューする前に、編集長から厳しく教えられた

起承転結‼️

これがないと、読者様は飽きてしまいます💦💦💦



あとですね💦

私、いま、資格受講の講義を、大切な休みを
1日削って受けてるのです💦

もう、クタクタなんです⋯。

毎朝なんて小説アップ出来ない⋯⋯💦


ブログで書いた、
去年12月に大怪我をした、
左目の奥のめちゃくちゃ痛い鈍痛と、
左側顔麻痺で
かなりキツイ薬の、ボルタレン座薬を入れながら
介護職場にいるから
汗だくで、クタクタなんです。

そのクタクタの中、プロットを考えながら、小説を書いています💦



今後しばらくは、
DMは
ブログ掲載しています、
①アクセサリーなどの作品の御注文受け付けと、
②お問い合わせと、
③再掲載リクエスト小説
の、DMのみ受け付け致します🙇

🔴但し、作品をご購入頂いております、リピーター様からのメッセージは、今まで通りDMで受け付け致します🔴

12月末まで資格取得と仕事と作品作り等でドタバタしております。
何卒、宜しくお願い致します🙇💦




では、気を取り直して。


どうぞ〜♥️

(挿し絵を描く暇はございません💦すみません💦)
本当に暇がありません💦





〜🌹〜🌹〜🌹〜🌹〜🌹〜🌹〜🌹〜🌹〜🌹







〜 君は薔薇より美しい⋯🌹⑨ 〜






1789年


6月23日。


初夏だが、時折雨が降っては、母、ジョルジェットが屋敷の庭で栽培を始めた、雫で煌めく薔薇の園を、
オスカルも手伝うようになった。
身体を動かすためだ。


彼女は
妊娠7カ月になっていた。




アンドレは、今月結婚式を挙げる為に、オスカルとドレスや衣装の採寸を終え、衣装が届けられた。

試しに2人は侍女に手伝ってもらい、どんな衣装になるのかを個別に確認している。

互いの衣装は、当日ではないと見せない事にしていた。


そんなとある日。

ラ・トゥール家の屋敷に手紙が届いた。

「Oscarette La Tour」

オスカレッタ・ラ・トゥールと言う人物宛の手紙。



オスカルの偽名である。

差し出し人は、アランだった。

受け取ったアンドレは、結婚式に向けて彼女に集中して欲しいと、アンドレのもう一つの部屋の書斎の引き出しにしまった。




ようやく、来週、
近くの小さな教会で、ささやかな結婚式を挙げる。

オスカルのお腹が衣装のサイズに入らなくなる前に。

だから、妊娠7カ月である、6月がギリギリ限界な月だったのだ。


「母上、今日は良い風が吹きますね」

日除けのツバの広い帽子を2人で被って、
白のAラインのドレープが女性らしさを醸し出す、
美しい私服を着たオスカルは
母と薔薇の花の蕾の剪定をしていた。

母娘でこうして、何気ない日常の暮らしをするのは、初めてだった。

姉達は、皆、14〜15歳で他家にお嫁に行ったから⋯。

30歳過ぎての末娘の妊娠を期に、こうして母親の故郷、ロレーヌ公国の屋敷で暮らしている。

オスカルは、人生の「生き直し」をしている様な気がして、この様な人生転換をして良かった⋯そう思っていた。

「オスカル⋯もうそろそろ部屋に戻りましょう。だんだん暑くなるわ。オスカルの体調に障ったらいけないですし」

籠いっぱいに、薔薇の蕾を集めた2人は、
エレーヌを呼んで、籠を先に持って帰らせた。

「母上⋯。あの蕾は如何なさるのですか?」

「あれはね⋯。乾燥させて、薔薇の紅茶を作るのよ」

「ああ、いつもアンドレと、頂いております⋯薔薇の香りと、もう一つ、薔薇のジャムを入れた紅茶が私は好きです」

「ジャムもね、この蕾で作るのよ。あなたはキッチンに立つとキッチンが低いから、腰を傷めるわ。母とエレーヌとマリーで作ろうかと」

「それは残念です。アンドレの為にも、キッチンで何か作りたいと思っていましたから⋯」

「じゃあ、結婚式に飾るメレンゲの砂糖菓子を、簡単なものから作ってみる?」

「いきなり⋯難しくないですか?」

メレンゲの砂糖菓子⋯⋯。
ヴェルサイユ宮殿で、何度か口にした事があった。

舞踏会の護衛中に近衛隊に、と、マリー・アントワネット王公陛下が、差し入れを下さった。

あれは⋯⋯甘過ぎて、びっくりした位な味だったな⋯⋯。

「母上⋯甘いお菓子は私は苦手で⋯」

「あら、ショコラは飲めるのに?⋯普通のショコラは苦すぎるから、ほんのり甘いのを作って欲しいと、よくアンドレにリクエストしていましたね⋯ふふ⋯⋯」


言われた途端、オスカルは頬をバラ色に染めながら

「あれは⋯⋯アンドレが作るショコラ⋯だからです⋯⋯母上⋯⋯」


ジョルジェットは、その小さくなった、少女の様なオスカルの声を聞き、

目を丸くして驚いたが⋯⋯


ああ。なるほど⋯。そんな昔から貴女はアンドレが作るものを口にして、美味しいと笑いながら、彼を見ていたわね⋯⋯。

あの頃から、アンドレに対して、特別な距離感があったわ⋯⋯。


オスカルをアンドレに託したから、弱き身分の事も貴女なりに解釈し、身分と言うものの隔たりを持たない生き方が出来たのでしょうね⋯。


そう思い、頬を赤らめる娘に言った。


「では、あまり甘くないお菓子にしましょう。
オスカルは腰に障るからあなたは今は何もしなくて良いのよ?
それより、書斎にいるアンドレの所に行ってあげなさい。薔薇の蕾の処理は私がやりますから、大丈夫、気にしないで」

「はあ⋯⋯」

妊娠はそんなに気を使われるのか、と
役に立たない自分が少し情けなくなって来た。

剪定用の手袋を外し、裏口のドアの下にある籠の中に入れ、日除け帽子を取ると、
帽子の中にひっつめていたブロンドの長い髪が、波のように肩に落ちる。

その時、
2階の彼の書斎から出てきたアンドレが声を掛けた。

「オスカル⋯。薔薇の剪定は済んだ?」

「ああ。いま⋯⋯」

少し暑かった所為からか、足元がふらついて座り込んでしまった。

「オスカル!?」
アンドレが慌てて、2階から駆け下り、オスカルを抱き上げた。
「慣れない事をすると、最近こうなんだ。すまん、アンドレ」
「いいよ。それより、ベッドで休んでて。連れて行くから。何か飲み物を持っていくよ」

「じゃあ⋯⋯limonade(レモネード)が、さっきから飲みたくて⋯」
申し訳なさそうにアンドレに告げると、彼は嬉しそうな顔で、
「わかった。俺のレモネードは、ショコラと同じ位、美味しいんだ。作ってくる。待ってて」

2階の寝台にオスカルを寝かせると、
少し汗をかいていた顔と首すじを、リネンで拭き取ってやり、アンドレはウインクをして部屋から出た。


そのアンドレを見送り
オスカルは、彼が読んでいた新聞を、もう一度手に取り、見開く。

記事には

1789年6月のパリとフランスでは、王家と第三身分との対立する出来事が多数。
1789年5月5日に国王ルイ16世によって三部会が招集されたが、第三身分(平民)がその審議方法に不満を抱き、そして、6月17日には我ら第三身分の議員たちが「国民議会」と称し、憲法制定まで解散しないことを宣言せしもうた。
我らは議会室に入れなかった為、球戯場の大きな広場に集まり、誓いを立てた。
それが6月20日。

詳しく説明すれば。
国王が国民議会の議場の使用を認めなかったため、議員たちはパリ近郊の屋内球戯場に集まり、「憲法が制定されるまで決して解散しない」と誓った。
これは市民から「球戯場(ジュー・ド・ポーム)の誓い」と呼ばれたのであった。


何度も読み返し⋯


オスカルは、ため息をついた。

これでは、益々、暴動が大きくなる。
陛下は、危機感を感じないのだろうか⋯?

衛兵隊はどうなっている?

ダグー大佐や、アラン達は⋯。



オスカルは新聞を畳むとサイドテーブルに投げた。

その向こうに人が居たので、顔を上げると
アンドレがレモネードを用意して、オスカルを見つめていた。

「ダメだよ、オスカル。今はパリの事を考えちゃいけない。お腹のbebeに心配事が聞こえてしまうよ」
軽い口調でアンドレは告げたが、
それは彼の口癖で、

本気でオスカルに駄目だと告げている、と言う意味だった。

「アンドレ⋯パリの事、何か知らせがなかったか?」

「ああ、まだないよ。来たとしても、結婚式を挙げてからだと義母様が申しておられた」

「なぜ?」

「お前の身体や、お腹のbebeや、精神的な事を1番気遣っているからだよ、オスカル」

「⋯⋯⋯わかった⋯⋯」

オスカルは、渡されたレモネードを飲みながら、
「アランから手紙が来たら、必ず私に見せて欲しい。アンドレ。私はそれを読んで、イライラしたり、慌てたりはしない。そんな事を私がしても、パリの騒動は収まらないのは、判っているから」

そう言って、
横に座ったアンドレにしがみついた。

「私は⋯⋯不安じゃないかと言えば、不安で仕方ない。何かが起きるんじゃないかと⋯」

「そうだな⋯。そうなればアランたち、衛兵隊の連中が心配だ⋯」

アンドレがオスカルのブロンドを一束指で絡めて、口づける。
「だが、俺たちは何も出来ない。お前の出産が俺たちの、今1番大切な行事だ。結婚式と同じく。⋯そうだろう?」

オスカルは静かに頷いた。


ああ。そうだ。

この生命の為に退役したのだ。





その後。

ジョルジェット夫人が洗礼を受けた小さな教会で、

父、レニエと、母ジョルジェットからの二人への
オスカルの柔らかで優しい雰囲気の、ウェディングドレスと、
アンドレの、アビ・ア・ラ・フランセーズの結婚衣装を着て

二人は屋敷に住む侍女達に見守られ

華やかで、ある意味、質素で

厳かな、結婚式を挙げた。


オスカルも、アンドレも、
爽やかな日差しの中で、

互いの流れる涙を吹きながら⋯幸せを噛み締めて、祝福の声の中

人生で1番最高の笑顔を見せた。





1789年6月29日の事であった。





〜 君は薔薇より美しい⋯🌹⑨ 〜

10話に続く🌹✨️