à la recherche de l'amour ~愛を探すひと~⑰





原作無視の、現代版オスカル、アンドレたちの物語その⑰話です。



すみません!書いてたつもりが、アンドレのsavonの店名を全く書いてない事に気がつきました!
アンドレの店名は
ブーケ ド サボン
bouquet de savon です。



で。
2人はパワースポットのセドナから帰り、パリに戻りました。
愛を確かめ合った2人。
が、撮影で向かったロサンゼルスで事件が起こり…。

離ればなれになった2人の、長い時間…。

そして、ロンドンでの撮影から帰ったオスカルを、抱きしめるsavon職人のアンドレ店長。

この先、2人はどうなるのかな?

今回は……。

まあ、読んでくださいませ!



2人の自然体のまま、心のままの動きを、自然体で書きたいと思います。

映画を見るように、読んでくださいませ。

あ、そうそう。

昨日なに食べた?
みたいな雰囲気が好きなので、そんな感じでしょうか。

●savon職人のアンドレが、オスカルの為にとこだわって作った、
sabon de Oscar 
savon de andore
と言う石鹸を小説内で作ります。

オスカルと共にラブラブで制作したsavon。
このイメージを現実で体験して頂きたいと思い、
数量限定で、Twitterの方で販売予定です。








Twitterでは告知済みです。
●ご感想、たくさん頂き誠にありがとうございます(._.)●

もし宜しければご一読下さいませ。●

美味しそうにsavonをディスプレイして下さったのは、リピーターの方の写真です♥️

ありがとうございます♥️




えーと。
今年、2023年1月から○○年以上ぶりに絵の復帰をした時に、前々から描きたかった
オスカルがスーパーモデルだったら…
あちこちの女性誌の表紙を飾り、ヨーロッパだけでなく、世界中にファンがいるようなスーパーモデルだったら…と、描きためたオスカルの絵をモチーフに、春前から少しずつ構想をしていました。

小説を書く事は、pixivでは2023年4月から再開しています。

詳しくは、プロフをご一読くださいませ

そして
アンドレの職業は…
実は、私の個人事業の内容です(笑)
一番今、私が詳しく知っている職業であり、大好きな作業、夢のある事業だと確信しているから。
アンドレに、この仕事をやってもらおうと思いました。
なので、アンドレが仕事の説明をしているセリフは、私が言っている事と全く同じです(笑)

私も、石鹸のオリンピックと呼ばれる
ソーパーズ カップで、2度優勝しています。
ただ、コロナ禍になってから出店を控えて、tweetでオーダーを受けています。

ああでも。
石鹸の他に、ハンドメイドアクセサリーを作ったり、客寄せの為に(めちゃ当たる事で有名なんです)占い師もしているトコは小説のアンドレとは違うかな(笑)

そして

少し長編にしたいなと思います。

今の私だから、書ける所まで
気長に書いてみようと思います。

そして!

いいね。や、
嬉しい、楽しいコメント頂き、本当にありがとうございます!
尻尾振って喜びます♥️


では、どうぞ〰️✨♥️




~✨~✨~✨~✨~✨~✨~✨~✨~✨







「………オ、オスカル…………もう一度言って…」





アンドレは、朝食を食べ終え、片付けをしている最中に聞いたオスカルの言葉に、目を丸くして、
トレイの上のフォークを落とし、彼女が発した言葉を理解しようと、思考回路を集中させようとした。




「だから。……もう一回、全部言うぞ?
私のエージェント契約更新は9月10日だ。
だが、その先はエージェントと契約しない。
さっきエージェントにもメールした。
ロザリーも同じ日が契約更新日だが、彼女も再契約はしない。
今頃、ボスたちは慌ててるだろう。
私が秋位にエージェントを作り、社長になる。
ロザリーはうちのモデルになってもらう。
他にもモデル数人、引き抜いた。
後は新人オーディションを世界中に発信し、大々的に行う。合格者はあのアパルトマンに住んでもらうオプション付きだ」


「……オスカルは?」

「ん?」

「オスカルはモデルをやらないのか?」

オスカルは、ふふっと笑う。

「やって欲しいか?」

「オスカルがランウェイを歩く姿は、美しいと俺は思うよ」

「………ありがとう。もちろん、続ける」

良かった…。
モデルを辞めたら、オスカルらしくない。








「子供が産まれて、しばらくしたら復帰する」


え!?…



「………え?え?…いま、なんて?」


聞こえないのか?
と、オスカルは立ち上がると、アンドレの背中から腕を回して、耳打ちした。




「2ヶ月だそうだ」

「ホントに!?」

「こんな事、ジョークで言う訳ないだろう?
生理が来ないから下のクリニックで調べてもらったら、お腹に子が宿ってた。まあ、ほとんど毎日SEXして愛し合ってたんだ。私はすごく嬉しい。アンドレは?」

オスカルは、アンドレの手を取り、自分のお腹に当てた。
「オスカル。ホントに生んでくれるのか?」

まだぺったんこなオスカルのお腹をゆっくり撫でながら、アンドレが少し泪目になっていた。



「私は、アンドレそっくりな子が欲しいな」
オスカルはアンドレの手に、自分の白い手を添えて囁いた。


「オスカル」

「ん?」

「その…つわりとかは大丈夫なのか?」

「ああ、私のお母様も、姉たちもほとんどつわりがなかったらしい。だから、私もあまりないのかな?」

「そうか。…安心した」

「アンドレ…私には、夢があるんだ」

オスカルは立ち上がり、アンドレと手を繋いで寝室に入り、2人はベッドサイドに座った。

「可愛い我が子を抱いて、ランウェイを歩く」
彼女はニッコリ微笑み、強い意志の瞳を輝かせた。
「俺たちの子供と、オスカルがランウェイに…」

「そう。自分のブランドを立ち上げて、その衣装を我が子と着て、スポットライトを浴びながらランウェイを歩く」



「……ちょっと待って、オスカル。今また新しい情報が出たよ!」

「あはは!そうなんだ。既にスポンサーも数社付いてくれた。セドナに居た頃を思い出させるような、それでいて、環境問題にも対応できるサスティナブルで、エシカルなブランドを立ち上げる。
あ、アンドレはどの役職がいい?sabonの事もあるだろうけど、夫になるアンドレにも役員になって欲しい」



夫になる……。父になる……。

その言葉が、早鐘のように心臓をドキドキさせた。

「世の中には、事実婚や、パートナーや、結婚など色々あるが、私は…オスカル・フランソワ・グランディエになりたい。我が子にも」




アンドレには兄弟はいない。
一人っ子育ちで、両親は早くに亡くなり、祖母に育てられた。
孤独には慣れていたが、オスカルに出逢って、離れたくない相手がいる、と言う幸せを実感している。
「オスカル…お前は元貴族の名を棄てて、グランディエと名乗ってくれるのか?」

「貴族のジャルジェ、なんて大昔の話だ。
好きなお前と一緒の名字を名乗りたい。当たり前だろう?」



それと。
と、オスカルは続けた。
「アランに、専属カメラマンをしてもらう。この前二度目の賞を取った。彼もすっかりトップクラスの有名カメラマンになってくれた。そして、あの写真の権利をコンテストプロジェクトから買い取り、私達の事を発表する。
まあ、初めて私から行う会見になるな。
アンドレは無理に出てとは言わないから。お前は芸能人でも、モデルでもないし、それに…」

「それに?」

「お前をパパラッチに追い回されたくはない」

妊婦の身体なのに。
オスカルは強い意志で、愛するアンドレを守ろうと考えている。



「いつ、記者会見をするんだ?安定期になってからだろう?俺はお前の身体が心配だよ、オスカル」
アンドレの掌が、繋いでいるオスカルの白い手をゆっくりゆっくり、撫でる。



「そうだな。とりあえず今は一年間の休業扱いだが、辞めるとなれば、世間に知れ渡るのも時間の問題だし…10月か11月位と考えてる。
その後にうちのエージェントに入るモデルのオーディションを行う……。
私が社長になれば、必ず素晴らしいモデル達が集まる。ジェローデルやボスに散々働かされた私の反撃が始まるぞ?見物だな」
アンドレはそう強気で話すオスカルを優しく抱き締めた。

「なに?アンドレ」

「いや……色んな話を聞いて、最初は動揺してたんだけど…この計画は、ずっと前から考えていたんだろ?」

「……セドナのキャロルの予言通り、私の前に愛する男性が現れたら、行動しなさいと言われていた。…モデルになって13年…。長かった…。でも、お前に逢えた。私の原動力は、アンドレ、お前だ。だからこそ動く」

「そうか…。わかった。オスカル…結婚しよう。俺はお前の力になる。一生、守り続ける」

「…約束して、アンドレ」

「もちろんだ。一生の約束だ」




アンドレの手がオスカルのブロンドに触れ、互いに顔を寄せ…。
甘いキスを何度もした。

「アンドレ、式は、近いうちに2人だけでやろう。婚姻届は私の誕生日。ノエルの日に出したい」

「ああ。素敵な提案だな」

アンドレは、savonの香りするオスカルのブロンドに口づけた。







9月10日を過ぎると。


オスカルやロザリーが所属していたエージェントのホームページから、2人のプロフィールが消え、
新たに、若手の人気モデル数名がトップページに刷り変わった事をキャッチしたゴシップ紙や、ニュースが世界中に再び流れた。





「オスカル・フランソワ、モデル引退か!?」


キャンピングカーでのんびり蚤の市に参加しているアンドレが、伊達メガネを掛け接客をしている。
せめてもの変装のつもりだった。

あの空港のキスシーンがゴシップ紙や、ネットニュースで散々掲載されたので、顧客には自分とスーパーモデルのオスカル・フランソワが交際している事がバレてしまった。

が、顧客はみな、アンドレの性格を知っているので、皆、心から祝福してくれた。

それが一般人のアンドレにとって、一番ありがたかった。

今日も、お祝いだからと、色んな顧客から、花束や、プレゼントを頂いた。

「お幸せにね!アンドレがあのスーパーモデルを選んだんだから、オスカル・フランソワって、雑誌で見るより、とっても気さくでナチュラルな人なんでしょうね!」
そう言って下さるお客様もいた。


ひとしきり接客が終わり、静かになった頃。

キャンピングカーの中にいたオスカルが変装姿で、ひょいと顔だけ出して、アンドレを呼んだ。

「冷蔵庫のシトラスジュースと、サンドイッチ、2人で食べないか?」

片付けをしようかと値札をまとめていたアンドレが振り向く。
「こら!顔を出すな」

「このくらいなら大丈夫だ」

「わかった。すぐ片付けるから、奥のベッドルームに入ってて」

空が次第に暗くなり、遠くで雷も鳴り出した。

「ああ、雨が降るなあ。……今日はもうこれで終わりにしよう。受け取りに来なかったお客様にはメールして、発送しよう」
テーブルと、パラソルを畳んでいたら、急に
ザァっと大粒の雨が降りだした。


「アンドレ!早く車に入って!」
びしょ濡れになってテーブルと、パラソルを車に積み、アンドレもキャンピングカーに乗り込む。

オスカルがバスタオルでアンドレの濡れた髪や、服を拭いてあげた。
「急に降りだしたなあ」

「アンドレ、早く服脱いで。今日の天気予報見て来たから、もしかしてと思って、着替えを持ってきたんだ」

「ありがとう。用意がいいな」

キャンピングカーの中は外からは全く見えないので、アンドレは裸になり、バスタオルで水分を拭い、オスカルが差し出した着替えをし始めた。

開いたパソコンの画面にふと気がつき

「オスカル・フランソワ、病気の為、モデル引退か!?」

と、ネットニュースの画面を見つけた。

「オスカル、これ…」

オスカルは、さあ?と手を上げて、
「エージェントの嫌がらせだな。記事の内容も全てデマカセだ。しかも、ロザリーの記事が扱いが小さすぎる。あの娘は素晴らしいモデルなのに。辞めるとなるとジェローデルの父親も掌を返したように私達のバッシングをゴシップ紙に売り付ける」

「ひどいな、それ」

「まあ、そんな世界なんだ。だから、私が作るエージェントはそんな世界を変えてみせる。あ、アンドレ、ベルナール・シャトレと言う雑誌編集者を知ってるだろう?」

「ああ。6月に蚤の市で取材を受けた」

「彼はロザリーの彼氏なんだ」

「え!?そうなんだ」

「彼を引き抜き、私の会社の広報と、マネジメントを頼んだら、快諾してくれた」
シトラスジュースとサンドイッチを2人で食べながら、パソコンのゴシップニュースを見ている。

「さあ。私の夢の始まりだ。アンドレは夢はあるのか?」

「夢か……。店舗を持つのが夢かな。まあ、まだ時間が掛かりそうだけどね」

「店舗か!?それ、素晴らしい夢だ!2人で内装を考えたい!」

「お店を持つって、お金がかかるんだよ?オスカルのお金で店を作るのは…自分の実力で作りたい」

それは男としてのプライドでもあった。

オスカルも実力でのしあがった身として、彼のプライドは尊重している。

でも、彼の作り出すsavonは、一流品だとオスカルも、顧客も思っている。

だから、密かにオスカルは、彼のsavonをもっと知ってもらう為の計画を考えていた。

秋の記者会見の後にそれを行動しようと。





雨が更にひどくなってきた。

キャンピングカーの天井にも、バラバラと雨が叩きつける音が次第に強くなってきた。

「アンドレ、そろそろ帰ろう。帰ったら、約束とおり、私をイメージしたsavonを一緒に作ろう」

「そうだな。あ、帰りにマルシェで食材買ってからな?」

「了解」
アンドレの頬に啄むようなキスをする。





どしゃ降りの中。

キャンピングカーは、家路へと向かった。







その二週間後。

オスカルやロザリー達が所属していたエージェントが、倒産したニュースが流れた。


世界中から人気のオスカルが辞めた会社に信用が無くなり、エージェントの株価が下落したのが原因だった。







⑱に続く