à la recherche de l'amour ~愛を探すひと~⑨
原作無視の、現代版オスカル、アンドレたちの物語その⑨です。
すみません!書いてたつもりが、アンドレのsavonの店名を全く書いてない事に気がつきました!
アンドレの店名は
ブーケ ド サボン
bouquet de savon です。
で。
2人はパワースポットのセドナから帰ります
この先、2人はどうなるのかな?
今回の小説は、R-18ではありません。
2人の自然体のまま、心のままの動きを、自然体で書きたいと思います。
R-18でなくてごめんなさいねー!
映画を見るように、読んでくださいませ。
今回は、パワースポット(ボルテックス)での、夏至の日から話が始まります。
私は神道の巫女舞い人でもあるので、夏至祭はあちこちでボランティアで神々に夏至の祝いを捧げる奉納舞いをしています。ので、夏至の奇跡も体験しています。
何気ない21日ですが、世界中のパワースポットでは、夏至ならではの様々な儀式や、奇跡が体験できます。
皆様も神社に手を合わせるように、夏至の日に、自然に感謝する気持ちを持って頂けたら、もしかしたら、奇跡を体験するかも知れませんね。
えーと。
今年、2023年1月から○○年以上ぶりに絵の復帰をした時に、前々から描きたかった
オスカルがスーパーモデルだったら…
あちこちの女性誌の表紙を飾り、ヨーロッパだけでなく、世界中にファンがいるようなスーパーモデルだったら…と、描きためたオスカルの絵をモチーフに、春前から少しずつ構想をしていました。
小説は、2023年4月から再開しています。
そして
アンドレの職業は…
実は、私の個人事業の内容です(笑)
一番今、私が詳しく知っている職業であり、大好きな作業、夢のある事業だと確信しているから。
アンドレに、この仕事をやってもらおうと思いました。
なので、アンドレが仕事の説明をしているセリフは、私が言っている事と全く同じです(笑)
私も、石鹸のオリンピックと呼ばれる
ソーパーズ カップで、2度優勝しています。
ただ、コロナ禍になってから出店を控えて、tweetでオーダーを受けています。
でも。
石鹸の他に、ハンドメイドアクセサリーを作ったり、客寄せの為に占い師もしているトコは小説のアンドレとは違うかな(笑)
そして
少し長編にしたいなと思います。
今の私だから、書ける所まで
気長に書いてみようと思います。
↑
この小説は、2023年5月25日にpixivにて掲載されたものを、改正、訂正してアメブロにアップしています♥️
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6月21日
セドナの夏至が来た。
どの国もそうかも知れないが、
古来、自然崇拝をしていた人間にとって、
夏至とは、自然の神々の力が強まる、そして奇跡が起きる。と言われ
このセドナでも、ネイティブアメリカンによる夏至祭が行われる。
フランス人の2人にとって…
いや、アンドレにとっては、初めての体験だった。
オスカルは、シャーマンであるキャロルと夏至の祈りを捧げた経験があるので、
夏至祭について、アンドレに説明していた。
連なる山々や、パワースポット(ボルテックス)に、感謝の祈りを捧げる
セドナ在住のシャーマン達の儀式を神妙な気持ちで受け止め、
漸く儀式が終わると、オスカル達はキャロルに歩み寄った。
「キャロル、夏至祭を久しぶりに見れて良かった。パリでは絶対に体験できない。人間は自然に生かされている、その意味が深く判るから」
と、オスカルはキャロルの頬にキスをした。
「オスカル、貴女はそれを学ぶ為にセドナに呼ばれたのよ。逃げて来たんじゃないわ。ここにいた2年間で、貴女は人生の奇跡を見つけたでしょう?そして、今回は、貴女の大切な人に、それを見て欲しくて連れて来た」
「全く。その通りです。私が生まれてきてずっと苦しかった人生を、ここで、生きなおした。それができた場所だから、アンドレに見て欲しかった」
「オスカル…」
「ここに連れて来たのは、お前が初めてなんだ。他の誰とも、今まで一緒に、ここには来た事がない」
オスカルは、愛する彼の手を握り、キャロルに言った。
「私は、いまとても満たされて、気持ちも安らかです。キャロルと居た2年間の体験があったからこそ、今の私がいて、そして、愛する人を見つけました。ここに来れて、ホントに良かった。キャロルありがとう」
キャロルはにっこり笑うと
「あら、私は何もしてないわ。セドナが貴女を変えたのね。そして、これからも。…またいつでもここに帰ってきなさいね。私はいつでもお二人を待ってるわ」
隣のアンドレもキャロルに手を差し出した。
「キャロル、ありがとうございました。明日、パリに帰ります。…また来ます」
「アンドレ、あの写真…とても素敵よ。2人とも神々しくて」
キャロルは、店の一番目立つ場所に、アランが撮影した写真を特大パネルにして飾っていた。
生まれたままの姿の2人。
朝陽に照らされ、輝く裸体。
そして、オスカルのエロティカルな瞳。
だが、とても自然でセドナの背景に美しく溶け込んでいる。
アランがタイトルを付けていた
『セドナのアダムとイヴ』と。
「キャロル、ありがとう。また来ます」
オスカルは親愛を込めてキャロルに抱きついた。
6月23日
月末までのオスカルの休暇が迫る中、
2人はパリに戻ってきた。
オスカルの方は、4ヵ所のアパルトマンの引っ越しをエージェントに頼んでいたので、こちらから電話をしない限り、新しいアパルトマンの場所が判らないため、とりあえずアンドレの部屋にしばらくまた住む事にした。
もう、
恥じらいながら共にベッドに入る事もない。
セドナで、愛を確かめ合い
セドナの神々に祝福された2人。
なのだから。
パリに帰る前に、アンドレが管理するアパルトマンの4階の住民が転勤で引っ越す事になり、
4階ワンフロアが空く事になった。
それを知ったオスカルは、5軒目の部屋としてキープを頼んだ。
「部屋、5ヵ所もいる?うちの4階はクローゼット用にするの?他のアパルトマンみたいに広くはないけど…いいのか?」
スーツケースから荷物を出しながらオスカルは
「せっかく空いたんだ。4階は時々住む部屋。でも寝るのはこのアンドレのベッドだ。当たり前だろう?
他のアパルトマンはクローゼット用と、たまにアンドレに来てもらって、2人で楽しむ場所にする」
しれっと、言う彼女に、アンドレは耳元まで赤くなった。
「あと、ここの4階以外のアパルトマンは、エージェンシーが家賃を払ってるから、私は痛くも痒くもない」
あ、そうなんだ。
さすが超スーパーモデルの待遇なんだな、とアンドレは言葉も出ない。
「ここに、美味しいお酒をたくさん収納出来ないだろう?他のアパルトマンなら、専用部屋もあるから。それに…」
「それに?」
「庭に温水プールがあるアパルトマンを必ずオーダーしている。だから、裸で2人で泳げる」
「は、は、裸で泳ぐの!?」
アンドレは軽い軽食を作っていたので、ナイフで指を切りそうになった。
「裸で泳ぐの、気持ちいいんだぞ、アンドレ」
「…はいはい。判りました。やったことないけど、やってみます。で、4階はいつ荷物を運ぶ?手伝うけど」
「ああ、大丈夫。セドナから携帯で全部新しい荷物を注文したから。明日朝、荷物が全部届いて、セッティングもしてくれる、信頼がおけるセレブ御用達の引っ越し会社に頼んだ」
「……用意周到…」
何故かそういう所は誰よりもしっかりしているオスカルに感心した。
2人は、用事を済ませパリでのアンドレ特製ランチを楽しんだ。
オスカルの携帯がブルルと震えた。
「エージェントならメールは見ない」
と、携帯を無視していたオスカルに、アンドレは携帯を手渡した。
「仕事だから…。とりあえずは見た方がいいよ」
そういうアンドレを少し睨んで
ため息混じりに携帯を開いた。
「あれ…モデル仲間だ」
「心配してくれてたんじゃないのか?ずっと今月、休んでるし」
アンドレは、オスカルの大好きなショコラを作っている。
「報道を見ていませんか?オスカル様のお父様が急死されたそうです……」
と、メールを読み上げたオスカルに、アンドレはガバッと振り向いた。
レニエ氏の名前を出したら、またフラッシュバックが起きたらどうしよう…。
それに急死?
何があったんだ?
いや、それよりオスカルは大丈夫か?
出来立てのショコラを持ってきて、
「オスカル……大丈夫か?」
と顔を見た。
涙はなかった。
ただ、呆然とメールを見ていた。
「あ、ああ。大丈夫だ」
「フラッシュバックは?」
「多分、起きない。あの人はもう死んだんだ。私にはもう関係はない」
「そうか…」
「ショコラ、ありがとう」
受けとると、少しずつ口に含む。
ぽつりぽつりとオスカルは話出した。
「これで私は身内もいなくなった」
「お姉さんたちがいるだろう?」
「私は姉たちとは違う生き方を強要されたから、ほとんど会っていない。フェンシングを辞めて、セドナに逃げた時には既に家族の誰とも連絡は取っていない」
なんて切ない話だろう。
それでも父親だった。
彼女はそれすらも拒否している。
セドナで生まれ変わった、と彼女は言った。
それは、本当に
家族との決定的な決別を意味していたんだ。
そう、アンドレは悟った。
ぼんやりメールを見つめるオスカルの隣に座り、アンドレは肩を抱いた。
「葬儀は?」
答えは分かりきっている事だが、アンドレは聞いてみた。
「私は行かない。モデルの仕事の確認があるし」
「わかった。俺も今日は注文きたSABONの製作があるから。もし何かあったら、携帯鳴らして」
オスカルは、ゆっくりと顔を上げ
アンドレを見た。
「アンドレ…」
「ん?どうした?」
ガバッとオスカルの腕が、背の高いアンドレの身体に抱きついた。
「フラッシュバックが怖い…。少しベッドで抱きしめて欲しい」
彼女は、不安感でいっぱいなんだ。
それを癒すのが、俺の役目。
オスカルの手からショコラを取ると、テーブルに置き、オスカルを軽々と抱き上げ、寝室へと向かった。
「オスカル。まだ疲れてるんだ、お前は。眠くなったら、そのまま寝ていいよ。眠るまで俺は隣に居るから」
「………ん………」
ベッドに彼女を下ろし、アンドレは彼女を
心臓の音が互いに聞こえる位に、近づけた。
そっと。
アンドレにしがみつく彼女の顔を
暗がりの中、覗きこむ
オスカルは目にいっぱい涙を溜めていた。
(ああ、それでも。2人は家族だ。父親だ)
アンドレは、オスカルを近く近く我が身に寄せ、隙間がない程に抱きしめた。
額とブロンドの髪と、鼻先に
アンドレは何度も口づけていた。
⑩に続く