à la recherche de l'amour ~愛を探すひと~⑧




原作無視の、現代版オスカル、アンドレたちの物語第⑧話です。

アンドレの店名は

ブーケ ド サボン
bouquet de savon です。

で。
遂に、2人はパワースポットのセドナに…
この先、2人はどうなるのかな?

そして!

えーと。
今年、2023年1月から○○年以上ぶりに絵の復帰をした時に、前々から描きたかった
オスカルがスーパーモデルだったら…
あちこちの女性誌の表紙を飾り、ヨーロッパだけでなく、世界中にファンがいるようなスーパーモデルだったら…と、描きためたオスカルの絵をモチーフに、春前から少しずつ構想をしていました。

小説は、2023年4月から再開しています。


詳しくは、プロフをご一読くださいませ♥️


そして
アンドレの職業は…

実は、私の個人事業の内容です(笑)
一番今、私が詳しく知っている職業であり、大好きな作業、夢のある事業だと確信しているから。
アンドレに、この仕事をやってもらおうと思いました。
なので、アンドレが仕事の説明をしているセリフは、私が言っている事と全く同じです(笑)

私も、石鹸のオリンピックと呼ばれる
ソーパーズ カップで、2度優勝しています。
ただ、コロナ禍になってから出店を控えて、tweetでオーダーを受けています。

ああでも。
石鹸の他に、ハンドメイドアクセサリーを作ったり、客寄せの為に占い師もしているトコは小説のアンドレとは違うかな(笑)


そして!

どうぞよろしくお願いいたします♥️


~✨~✨~✨~✨~✨~✨~✨


セドナ
最高級クラスのホテル

ローベルジュ ドゥ セドナ ガーデンコテージ

晩ご飯を早めに食べた後、2人は色んな店に周り、ショッピングを楽しんだ。

アンドレが欲しかったのは、savonに入れる材料。

セドナには、アンドレが欲しかった無添加の材料がたくさんあった。

取り扱い店と、名刺交換もし、今後も取り引きを約束した。
とりあえず、色んな種類の蜂蜜や、岩塩、超高級なクリスマス島でしか作れない年間生産が限定の、
天然塩など買い付けた。
「savonを作る時、塩を入れるとホントに固まりにくくなるんだけど、じっくり時間と手間隙掛けて固まらせると、肌に優しいクレンジングsavonが出きるんだよ」

そう言うとオスカルは
「savonって、塩も入れられるのか」
と、不思議そうにクリスマス島の天然塩の袋を持って眺めた。

私も作ってみたい。と呟いたので、パリに帰って、オスカルが休みの時、時間を作って一緒に作ってみよう。と笑うと、心から嬉しそうに
「ホントに!?」
とアンドレの頬にキスをした。



そのオスカルは、
「久しぶりにヒッピーの格好がしたい!」と、
ヒッピーファッションブティックで、20着は買い込んでいた。
ホテルでオスカルが並べた、華やかで可愛いヒッピーファッションを見ながら呆れたアンドレは、

「20着も…凄い数だな…」
と呟く。


バスルームで着替えいたオスカルが現れた。




「アンドレ!見て!似合うか?昔、セドナにいた時はいつもこんなスタイルだったんだ」

パリの雑誌に写るオスカルのあの表情とはうってかわり、あどけない少女のような優しい微笑みで、ターンをしている。

これが、本来のオスカルなんだろうな。
あどけなく、美しく、愛らしい。

あちこちに、カラフルなリボンや羽根がついたヒッピーファッションに、嬉しそうに笑いながら、アンドレの手を繋ぐ。

「似合うよ。オスカル。とっても」

「本当に?」

「妖精みたいだ」

「私は妖精だからな」
そう言い切る彼女が、愛おしい。


アンドレは、彼女の腰を抱き、自分に引き寄せた。




「ようやくわかった気持ちがあるよ、オスカル」

そう言うアンドレの頬に、オスカルは手を添えて
「知ってる」

「え?」

「セドナは、開放的なエリアだから、心もオープンになれる。私も…アンドレが大好きだ!」
そう言い、オスカルから彼の唇を奪った。




アンドレはビックリした顔で柔らかな唇を受けた。

「オスカル…本気なのか?酔っ払って言ってない?」

「私はあのくらいじゃ酔っ払っらわない。本気でお前を愛してる」

「じゃあ、俺も言うよ。…愛してるよ、可愛いオスカル」

「もう一度、言って」

酔っ払ってる。完全に。

アンドレは苦笑いすると
「お前を、愛してる」
と、いい

ヒッピーファッションのオスカルを抱き上げ、もう一度キスをした。




深い

深い

熱い唇。

愛おしい妖精を抱き上げ、アンドレは寝室へと向かった。










翌朝。

朝日を見る為に早起きした2人は、コテージから見える赤い岩の山々の連なりが眺められる場所まで歩いた。


夏至が近いせいか、太陽は山々から顔を出す寸前だった。

アンドレは、初めてみるセドナの夜明け。
山々は、太陽の光を受け、赤々と輝き始めた。

「美しいな」

「そうだろう?アンドレ。こうやって毎日眺めて、私は勇気を自然からもらってた」



どんどんと変わる山々の色。
手を繋ぎ、2人はその光景に見惚れていた。




パシャ。

パシャ
パシャ

背後で何か音が聞こえ、2人が振り向く。



カメラを抱えた男がいた。
アンドレは、咄嗟に
パパラッチか?と、オスカルを隠そうとした。

その大きな身体から顔を出し、オスカルはじっとその男性を見つめる。




「良い雰囲気だったよ、今のは。久しぶりだな、オスカル」




「あ……!? アラン!アランか!?」

「ああ、俺だ。元気そうだな」



「オスカル、知り合い?」

「ああ、昨日話してたカメラマンだ」

2人と、その男性が近づく。

「オスカル、あんた世界一のスーパーモデルになったんだな。噂は聞いてる」

「あはは!世界一かどうかはわからんが。でも休みが取れない位忙しいよ。今回は無理矢理こじつけて、少し長い休みを取ったが…。あ、隣の彼は、私の恋人だ」

空港では、ボーイフレンドと言っていたが、
セドナでは、恋人だと断言してくれた。
アンドレは嬉しかった。



「はじめまして。アンドレ・グランディエです」

「俺は山岳写真家のアラン・ド・ソワソン。昔、オスカルのお陰で、カメラ1つで生活が出きるようになったんだ」

「ええ。お話は聞いてます。写真も拝見しました。彼女がセドナの女神のようにみえた。素晴らしい写真ですね」

「そうかい?嬉しいぜ。ありがとう。そういや、今回セドナは久しぶりだろう?どうしたんだ?オスカル」

「アンドレに、私が生まれ変わったセドナを見せたかったんだ。ここに来れば、運命がかわる」
オスカルは隣のアンドレを見上げ、そう言った。



「そうだな。俺もあの写真で、運命が変わった。そうだ!2人の写真を撮ってやるよ。あのボルテックスを背景に」

「ホントか!?じゃあ、お願いする」

オスカルとアンドレは赤い山々を背景に並んだ。
たまたま、オスカルはヒッピー風のエスニックロングドレスで、膝上までのスリットがあり、まるでセドナの女神のようだった。

「いいねえ。じゃあお二人さん。寄り添って」

言われるままに、2人自然に寄り添い、見つめ合い、微笑む。

パシャ
パシャ

パシャ

何枚も撮られていた。




「アラン、提案がある」

「提案?」

オスカルは、少し顔を赤らめ言った。
「私たち二人のヌードを撮ってほしい。私たちの愛の証として」


「え!?」
アンドレとアランがすっとんきょうな声をあげた。

「その写真を、またコンテストに出して欲しい。あと、シャーマンのキャロルにも渡して欲しい」

「オスカル、それは…」
とアンドレは口を挟もうとしたが、アランは快諾した。

「17、8歳のあの妖精だったあんたが、セドナのアダムとイブになるのか。最高な絵になるな。アンドレ、あんた幸せ者だぜ」

アンドレの顔は真っ赤になっていた。

「じゃあ、頼む。どうしたらいい?」

「脱いだら、アンドレがオスカルを抱き上げて、こちらに背を向ける。そして、オスカルはアンドレの肩越しから、まるでこちらの世界を見透かすようなエロティックな顔でカメラを見つめるんだ」

「それ、最高だな!」
オスカルはアンドレの手を引き、木陰で無理矢理脱がした。


アンドレは、カメラの被写体になるのは初めてなので、動揺を隠しきれない。
「あの、さ。オスカル…」

「大丈夫。私も脱ぐから。二人、生まれたままの姿で、このセドナの神々に祝福されよう」

「アラン、用意はいいぞ」
アンドレに抱かれた真っ白な素肌のオスカルが現れた。
黄金の髪、風に揺れてキラキラ朝陽を浴び、本当に。




「女神だな。まさしく、セドナに現れたアダムとイブだ」

崖の遥か向こうには、朝陽で朱く、また、黄金にそまる山々。
カメラから背中を向けたアンドレの裸体も、たくましい。
オスカルの白い肌と、とても似合い、また女神を引き立てていた。


「アンドレ、足を開いてオスカルをしっかり抱えて。そうそう。オスカルは、目線こっち。エロティックな目をくれよ。そうそう。それ!やっぱり一流モデルだな。…あ、ああ、いい風が吹いてきた!あんたのブロンドがなびいて、アンドレの黒髪もなびいて、すごくいい絵だ」

アランのシャッター音が何十回も鳴った。



illustration  nobara & kyoko tonou



20分経って、ようやく撮影は終わった。

2人は服を着ると、アランに近づいた。
見せてもらった写真は、2人が驚く程

美しく、神々しかった。

「アラン、ありがとう。記念になるよ」

アンドレは礼を言う。

アランは笑うと、
「写真が出来たら送るよ。住所教えて?」

「あ、私はいま引っ越し中だから…」
と、オスカル。

「俺の店で良ければ、名刺があります」
そう言い、アンドレとアランは名刺を交換した。

「へえ、savon専門店なのか。珍しいな」

「趣味が講じて、ですけどね」

「アンドレのsavonは、世界一になった事もあるんだ」

「こりゃ、失礼しました。オスカルが紹介したら、ビックリする位売れるだろうな」

「アラン!そう思うだろう?でも、アンドレは、1人で顧客と向き合って、ひとつひとつ大切に作ってるんだ。それが一番幸せだと断言してる」
アンドレは、頭を掻いた。
オスカルがちゃんと理解してくれているのが、何より嬉しかった。


アランと別れた後、ホテルでゆっくりしていた。

「崖でヌードは、さすがに寒かったな」

オスカルは、シャンパンを飲みながら笑った。
「俺はビックリしたけどな」

「でも、いい思い出が出来ただろう?あの写真、さっきアランが、私とアンドレの携帯に送ってくれた」

「え!?」
慌ててアンドレは携帯を調べた。
さっきの写真があった。

「私は待ち受け画面にする」

「……了解…」
アンドレも、恥ずかしさを紛らわす為にシャンパンをぐいぐい飲んだ。

「あ!こら、アンドレ!味わって飲め(笑)これ、世界一高いシャンパンなんだぞ」

「いくらだ?…てか、すごく旨いけど」

「だいたい160万EUR(ユーロ)」

「はあ!?」


160万ユーロ。
日本円にして約2億3000円~4000万円

シャンパンの名は
グー・ド・ディアモン/テイスト・オブ・ダイアモンズ

 名匠アレクサンダー・アモスによって、ボトルにスワロフスキーのクリスタルがデザインされたグー・ド・ディアモン/テイスト・オブ・ダイアモンズと呼ばれる。
製造したGOD CHAPUYは、世界で最も高いシャンパンを造るワイナリー。 
19カラットのFlawless Dカラーダイヤモンドを使用し、約48gで18金のホワイトゴールドを使用したラベルなど手の込んだボトルの装飾が施されており、ボトルだけでも価値が高い。 
シャンパンの製造にはグラン・クリュ・シャルドネ、ピノ・ノワール、ピノ・ムニエなどの品種を使用した、希少性の高いシャンパンとなっている。

オスカルは、ニヤリと笑いながら
「大丈夫。もう1本ある」
と冷えたもう1本を出してきた。

「ああ、わかったよ。飲むよオスカル。でも贅沢はこの旅行で最後にしよう。な?」

2本並んだシャンパンのきらびやかなボトルを眺め、アンドレはソファーに座り込んだ。

「贅沢したくて、これをオーダーしたんじゃないぞ。長期休暇を久しぶりに貰えたと石油王にメールしたら、このホテルに送ってくれたんだ。私が買ったんじゃない。私だって、こんな高いの買えるか」

ふてくされたオスカルは、アンドレの横に座り、呟いた。
「お祝いだって、送ってくれたんだ。でも、もうしない。ごめん、アンドレ」

「そうだな。心臓に悪いよ…でも…」

「でも?何?アンドレ」

「俺はすごく今、幸せだよ。みんなから祝福されてるようで」
大きな窓から見えるセドナの開放的で神秘的な風景を眩しそうに眺めながら、アンドレはオスカルの肩に手を回し、抱き寄せた。
「愛してる」
同時に2人がささやく。

そして可笑しくて、笑い合う。

「アンドレ!もう1本飲もう!タダ酒だ!320万ユーロのシャンパンを」
「よーし。味わって飲むぞ!」

2人は乾杯し、飲んでは、キス
飲んでは、キスを重ねた。

「アンドレ」
「ん?」
「今日は一日中…ベッドの中で…抱きしめて」
耳元で囁かれ、
アンドレも身体が熱くなった。

「じゃあ、シャンパンの後は…お前を味わうよ…」


開放的な世界が、2人を
自然体のまま、

心のまま、

男と女の本能のまま
睦み合う美しさこそ、本当の愛だと

教えてくれていた。


⑨に続く