再びこんにちは。虚海と申します。先ほどは朝3時にブログを書きましたが、その後無事に苫小牧に帰って来れました。将棋クエストを指しまくって、それなりに負けました(笑)。スーパーに買い出しにも行ったし、今日はもうのんびりです♪
今日は久々に棋書レビューを書いてみたいと思います。とっくに書いていたと思っていたのですが、まだだったみたいでした。あまりにも有名な本なので、ちょっと恥ずかしいのですが(笑)。
はい、浅川書房の金子タカシ先生著、「寄せの手筋200」です。もしかして最も有名な棋書かもしれないくらいの名著です(並ぶとしたら「ハンドブックシリーズ」くらいかな?)。
この本の特徴
この本はジャンルに分けると「必至本」ということになります。問題数は200問。部分図で出題されており、相手の持ち駒は詰将棋と同じで盤上もしくはこちらの持ち駒でない駒すべてになります。この状態で必至をかけることになります。以前レビューを書いた「寄せが見える本【基礎編】」はじめ、ここまでは普通の必至本と同じですね。
この本最大の特徴は、「必至問題がパターン別になっている」ということですね。「上から抑える」「挟撃」「角・馬を用いた必至」など、それぞれのパターンごとに約20問くらいずつありまして、簡単な問題から徐々に難しい問題になっていきます。
もう少し具体的に書くと、各パターンの必至の基本形をまず学び、その形に持っていく流れを問題を通して学んでいくことができるんですね。その構成と内容が素晴らしいことが評価されていると思います。最短1手必至から最長で13手必至くらいまでありますが、上記のような構成なのでそれほど無理なくできるようになります。
1ページに問題が2問、ページをめくると答えと解説が載っています。1問につき解説が半ページなので、もう少し解説が欲しい部分も無くはないのですが、それでもちゃんと読めばそれなりにわかるとは思います。ただし、「寄せが見える本」に比べたら全然解説は少ないのです。まあ、解説が丁寧過ぎるほど丁寧なのが「寄せが見える本」のアイデンティティーなので、それは仕方ないですね(笑)。
どんな方にオススメ?
まず、全くの初心者には厳しいと思います。そもそも、必至の概念が理解されていないとやはり難しいですね。通常のレベルの三手詰はひと目で、できれば基本的な五手詰がそれほど苦労しないでできることが望ましいと思います。羽生先生がこの本へのコメントで「ルールを覚えたらすぐ読んでほしい本」と寄せられており、ますが、ハッキリ言って間違えています(笑)。
ただし、問題が解けなくても、解答や解説をしっかり熟読すれば必至の形やパターンを身に付けることができるでしょうし、それだけでも大変力が付くと思います。また、必至問題はすべてそうなのですが、相手の応手をすべて読んでそれぞれ詰みまでをしっかり読み切ることも大事なので、詰将棋に比べて時間も手間もかかりますが、そこまでやって初めて効果的にこの本を活かすことができるでしょう。
また、難しすぎると感じる方には、「応用問題」はとりあえずおいておいて、「基本問題」と「復習問題」だけ先に徹底的に練習するという手もあります。そうしたらその後の「応用問題」も少しは楽に身に付けることができるかなと思います。お勧め度が極めて高い本ですし、ぜひ何周も反復して完璧に身に付けてしまいましょう!