2008/7/20 15:37
TeaCupBlog>「『空想歴史読本』」
○円道祥之(ENDOH MASAYUKI)『空想歴史読本』(MEDIA FACTORY、1999年)
→「空想歴史」を古代から未来までまとめた名著。『マグマ大使』でアースが地球を作った話から、『猿の軍団』で描かれた未来の人類滅亡、『トップをねらえ!』における人類の帰還まで。
空想歴史読本
空想科学研究所
ただ、1個人が書いた1冊の本であるので、作品に偏りが多い。
Wikipedia空想歴史読本>内容
まず、円道氏は聖徳太子のいた飛鳥時代からライオン丸の出現した戦国時代までの800年ほど(奈良~室町時代)を「空想歴史で扱っていない大空白期」としているが、奈良時代を扱った『天平の甍』と平安時代を扱った『陰陽師』が無視されており、義経と弁慶をあつかった『うる星やつら』、『タイムボカン』が抜けている。
『竹取物語』については巻頭の年表にあるだけ。
戦国時代についても『大魔神』、『快傑ライオン丸』、『仮面の忍者赤影』があるくらいで、『戦国自衛隊』や各種戦国ものが完全に無視されている。
また、江戸時代はフィクションで描かれた歴史の宝庫だが、この作品では『白獅子仮面』や『変身忍者嵐』、『妖術武芸帳』、『キカイダー01』などに限られ、非常に少ない。
『暴れん坊将軍』で吉宗が彗星は發見した話が『歴史読本』にあるが、なぜか、現代編のコラムとしてたった1ページで扱っているだけで、江戸時代の箇所に書かれていない。
むしろ、柳田理科雄氏の『空想科学読本』のほうが、彗星衝突に関して詳しく書かれてあるし、木枯し紋次郎の楊枝、弥七の風車、三味線屋・勇次の糸に関して詳しく書かれてある。
それと比べると、歴史が專門である『歴史読本』の空想歴史に対する掘り下げの甘さが見えてくる。
フランス革命のあとは、いきなり第2次大戦に移っており、第1次大戦前後を描いた『キャンディ・キャンディ』もなく、シベリア出兵から関東大震災に至る歴史を描いた『はいからさんが通る』も扱われていない。
また、20世紀後半の1960年代と70年代に関しては怪獣、ヒーローものばかりに話が集中しており、『ウルトラマン』や『キカイダー』など、放送年を時代設定と見なして、並べているだけであり、『巨人の星』や『ドカベン』など、スポーツを扱った漫画、アニメ、実写作品については全く話題にもなっていない。
せいぜい、1961年から68年まで藤本定義が阪神タイガースの監督だった話があるくらいだが、これも『ウルトラセブン』(67~68年)の第8話、「狙われた街」にラヂオの野球中継があって、そのとき、阪神の監督が「藤本」だったという話である。
↓
「狙われた街」はモロボシダンがメトロン星人とちゃぶ台を挟んで会話した場面で有名な話で、パチンコのCMで使われたこともある。ネットで調べると本放送は1967年11月19日。
『ドラえもん』については22世紀のドラえもん誕生について触れているだけで、ドラえもんがタイムマシンを使ってあらゆる時代で遭遇した(または巻き起こした)事件について、この『空想歴史読本』では全く言及されていない。
つまり、この本は空想歴史の本としては未完成であり、PART-2、PART-3が出ても不思議はないのだが、現時点で新作が出る気配はない。
言ってみれば、この「ものがたりの歴史」は『空想歴史読本』に足りないものを補い、『歴史読本』に対する不満を爆發させたものである。
しかし、この「ものがたりの歴史」でも『こち亀』、『ゴルゴ13』などを扱えなかった。
『科学読本』に続編のほか、亜流が出たように、「空想歴史」を扱う本がもっと出てもよさそうなものだ。
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関連語句
〔空想 歴史読本〕
参照
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