「琉球の風」では江戸時代初期の沖縄の苦難の歴史が描かれ、「翔ぶが如く」と「西郷どん」でも幕末の奄美大島が薩摩に支配されていた様子が描かれていた。

東北に関しては、「炎(ほむら)立つ」「義経」「八重の桜」で描かれた。奥州藤原氏が源氏によって倒され、徳川幕府を倒した薩長が会津の敵になるという、皮肉な結果となった。武家政権の始まりと終わりの時代における東北の悲劇が描かれた。

昭和の大河ドラマで「太閤記」「国盗り物語」「黄金の日日」「おんな太閤記」「徳川家康」等で「お馴染み」だった織田・豊臣・徳川の物語は、 では「信長 KING OF ZIPANGU」「秀吉」「葵 徳川三代」としてリメイクされた。

「八代将軍吉宗」では、珍しく江戸時代中期が描かれた。享保の改革の時代は、NHKの大河以外の時代劇「大岡越前」「雲霧仁左衛門」で題材となっている。

昭和の大河ドラマでは「赤穂浪士」「元禄太平記」「峠の群像」という具合に忠臣蔵がコンスタントに制作されていたが、平成1桁の大河では、平成7年に「八代将軍吉宗」が放送され、吉宗の少年期の話で綱吉の時代が描かれた(「元禄繚乱」の放送年は平成11年なので平成2桁)。

平成の大河ドラマでは、西田敏行は徳川秀忠と徳川吉宗、西郷隆盛と西郷菊次郎、そして西郷頼母を演じた。津川雅彦は徳川家康と徳川綱吉を演じた。高橋英樹は藤原秀衡と島津斉彬と島津久光と井伊直弼を演じた。中井貴一は源頼朝と平忠盛を演じた。渡辺謙は藤原泰衡と島津斉彬を演じた。

視聴率はどうであれ、NHKが日野富子(「花の乱」)、毛利元就、北条時宗、平清盛を主人公にした「実験」は評価されていいだろう。茶々・初・江の浅井三姉妹は「春日局」「葵 徳川三代」「江~姫たちの戦国~」で描かれていた。

「太平記」で南北朝時代が描かれた(足利尊氏:真田広之、足利貞氏:緒形拳、後醍醐天皇:片岡孝夫、楠木正成演:武田鉄矢)。これにより、日本の中世史は源平(「平清盛」「義経」)→鎌倉(「北条時宗」)→南北朝(「太平記」)→室町(「花の乱」「毛利元就」)→戦国(「天地人」「信長」「軍師官兵衛」「真田丸」他)という流れになった。