19世紀
1850年代
1850年12月3日嘉永3年10月30日)、高野長英が46歳で絶命。文化元年5月5日1804年6月12日)生まれ。
1851年3月12日嘉永4年2月10日)、水野忠邦が他界した。享年58(満56歳没)。1794年7月19日寛政6年6月23日)生まれ。
1990年(平成2年)のテレビドラマ『仕事人vsオール江戸警察』では大出俊)が演じ、鳥居耀蔵に対し、仕事人狩りが却って危険だと忠告。
1996年(平成8年)の映画『必殺!主水死す』では主水が水野(演:宝田明)を暗殺したことになっている。劇中では明らかにされていないが、当時、主水が南町奉行所の同心だったとすると、その時の南町奉行は遠山金四郎であり、遠山の金さんが主水の上司だったことになる。
水野忠邦の年齢と配役について補足。
『オール江戸警察』』が放送された1990年当時、大出俊は49歳で、その大出俊が天保の改革(1841~43)の時の水野忠邦を演じた。水野忠邦は1844年当時で50歳。
『主水死す』で晩年の水野忠邦を演じた宝田明は映画が公開された1996年当時62歳で、それで56歳の水野を演じていた。

1853年7月8日(嘉永6年6月3日)に浦賀沖に黒船来航。中村主水は鉄砲玉のおきん、おひろめの半次と再会、怪力の石屋である村雨の大吉、三味線弾きの蘭学者・糸井貢を仲間に加えて裏稼業を再開した(1974年『暗闇仕留人』第1話「集まりて候」)。大吉は第15話「過去ありて候」の時点で34歳。
攘夷派が多数の囚人を大筒の試し撃ちの的にする非道が行われた。これをやった一派は主水たちによって仕置(しおき)されたが(『仕留人』第2話「試して候」)、同じ非道は10年後の1863年にも繰り返された(1990年『必殺スペシャル・新春 大暴れ仕事人! 横浜異人屋敷の決闘』)。
1854年2月13日(嘉永7年1月16日)、ペリーは琉球を経由して再び浦賀に来航した(『仕留人』最終回「別れにて候」)。高野長英の弟子だった糸井貢は開国派の若年寄・松平玄蕃頭(演:戸浦六宏)の仕置に失敗して殉職。仕留人は解散。主水は横浜で行われた日米会談の護衛の一人に選ばれた。この年、日米和親条約が締結された。

京都御所の現存の内裏は幕末1853年嘉永7年)に火災で焼失したのち、1855年安政2年)に、寛政内裏の様式をほぼ踏襲して再建されたもので、安政内裏と呼ばれている。
1989年(平成元年)3月30日放送、『必殺スペシャル・春一番 仕事人、京都へ行く 闇討人の謎の首領!』の劇中の時代が江戸時代のいつごろか不明だが、作中、京都御所で100年に一度の改修工事が行われていた。

1855年2月7日(安政元年12月21日)、日露和親条約調印。大黒屋光太夫の帰国(1792)による日露交渉(1793)から62年が経過していた。
1855年11月11日安政2年10月2日)午後10時ごろ、安政江戸地震が起きた。1987年(昭和62年)放送の『必殺剣劇人』終盤の地震はこれかも知れない(「大御所・家斉没」と「安政の大獄」の間)。

1858年(安政5年)、安政の大獄開始。安藤広重(歌川広重)没。広重は死去の前に主水に重要な情報を提供した。広重は14年前の1844年当時、「新からくり人」一座に浮世絵で情報を提供した。
1858~59年の安政の大獄の時、中村主水は加代と再会。1844年の鳥居耀蔵失脚の時から14年ぶりだったか?
主水は日米親善野球大会を任され、ジョン万次郎から指導を受けた(1987年『必殺仕事人ワイド 大老殺し 下田港の殺し技珍プレー好プレー』)。徳川家定と島津斉彬もこの年に他界。主水は唐人お吉と出会った。

1860年代
勝麟太郎(演:山本學)が主水の裏稼業を知っていた模様。中村主水は桜田門外で井伊直弼(演:中村錦司)を暗殺。加代が協力し、かげろうの影太郎と鍛冶屋の政が加勢(『仕事人ワイド』)。
鼠小僧が1832年に処刑されてから28年経過しており、次郎吉の妻が主水たちに仕事を依頼した(1991年『必殺仕事人・激突!』第1話)。この時の主水の仲間は秀、山田朝右衛門、夢次、お歌(演:光本幸子)、元締は江戸城大奥の中臈・初瀬。
1863年5月30日文久3年4月13日)、清河八郎没(1990年『必殺スペシャル・新春 大暴れ仕事人! 横浜異人屋敷の決闘』)。この作品では勝麟太郎(勝海舟)を舛添要一が演じ、松平主税介(演: 中尾彬)と論争。清河は浪士組を結成。中村主水は南町奉行所から浪士組の内情を探る役目を引き受け、建前では奉行所を辞めて浪人となり、浪士組に参加。清河の浪士組は分裂し、そこから新選組が生じた。主税介によって浪士組は壊滅。清河は主水の仕事に協力(仲間は朝吉、鍛冶屋の政、加代)。清河は史実では佐々木只三郎に暗殺されたが、この作品では自ら進んで主水に刺された。この作品では佐々木三郎(演:鹿内孝)は目撃者。清河没後、主水は奉行所に復帰。
なお、清河八郎の浪士組に入った時点で、劇中の主水は奉行所勤続22年だった。ここから計算すると『横浜異人屋敷』の主水が奉行所で同心の仕事を始めたのは1841年。つまり『横浜』の主水と『仕置屋』の主水はほぼ同世代になる。
一方、『オール江戸警察』の主水は1841~43年の時点で奉行所勤続23年なので、1818~1821年から奉行所で仕事を始めたことになる。この主水は『仕置人』『仕置人』の主水とほぼ同世代。『主水死す』で「死んだ」のはこの『仕置人』~『仕事人vsオール江戸警察』の主水であろう。
『仕置屋』の主水は幕末まで生きて、仕事人となり、安政の大獄から浪士組の時代を経て鳥羽・伏見の戦いの時まで生きていた。

18671月10日慶応2年12月5日)、徳川慶喜が第15代征夷大将軍に就任。
中村主水(演:藤田まこと)は何でも屋の加代(演:鮎川いずみ)、組紐屋の竜(演:京本政樹)、花屋の政(演:村上弘明)、西順之助(演:ひかる一平)、おりく(演:山田五十鈴)と組んで裏稼業をしていた(1985年『必殺! ブラウン館の怪物たち』)。 組紐屋の竜は1820年(文政3年)に殉職したはずだが、この幕末の竜は、文政年間の竜とは別人だろう。 花屋・鍛冶屋の政も1826年(文政9年)ごろに殉職したはずだが、この幕末の政は、文政年間の政とは別人だろう。
1868年(慶応4年)、鳥羽・伏見の戦い。主水も参戦した模様(『横浜異人屋敷』)。
官軍が江戸に近づく中、薩摩の密偵が幕末の「からくり人」グループに参加(1976~77年『必殺からくり人・血風編』)。

明治以降
1876年明治9年)、中村主水たちが西部開拓時代アメリカタイムスリップし、インディアンの村を襲うカスター将軍率いる第七騎兵隊と闘った(『仕事人意外伝』)。

1982年(昭和57年)に『必殺現代版』と1991年(平成3年)の『必殺スペシャル・春 世にも不思議な大仕事 主水と秀 香港・マカオで大あばれ』では仕事人たちの子孫らしき人物が登場。『香港・マカオ』では主水と秀が活動した江戸時代が「150年前」だったので、1840年代、天保末期~弘化~嘉永年間と思われる。

補足
中村主水の生没年を推定
高野長英は1804年生まれ、1824年当時20歳、1834年当時30歳、1844年当時40歳。1850年に46歳で没。
島津斉彬は1809年生まれ、1839年当時30歳、1849年当時40歳、1851年当時42歳、1858年当時49歳。島津斉彬は1853年当時44歳。藤田まことは1974年当時41歳なので、『仕留人』の主水が41歳だったとすると、島津斉彬とほぼ同世代になる。
作曲家のショパンFryderyk Franciszek Chopin)は1809年または1810年生まれ、1849年没。
緒方洪庵(おがた こうあん)は1810年8月13日文化7年7月14日)生まれ、1863年7月25日文久3年6月10日)没。享年54数え年)。
19世紀のイギリス女王・ビクトリア1819年5月24日(文政2年)生まれ、1901年1月22日(明治34年)没。アヘン戦争が始まった1840年の時点で21歳の若さ。1860年当時は41歳。1867年当時は48歳。

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2018年9月

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