腰越状」の検索結果 - Yahoo!検索(画像)

金田一春彦は『日本人の言語表現』の中で、「日本人は意見を言うことを好まない」としながら、「多くを話す必要があるときは理論でなく感情に訴える」と分析し、一例として義経が兄・頼朝に書いた「腰越状」を挙げており、一種の「泣き落とし」だとしている。

日本人の選挙演説も「私に任せてください」と涙ながらにお辞儀をするとか、「私は江戸っ子です。東京のことは江戸っ子に任せてください」などと非論理的なことを言う傾向があるらしい。

義経は鎌倉入りを許されなかったが、現代日本の選挙で「泣き落とし」が通用するようでは、投票する側はろくに政策を考えずに「人情」で投票していることになり、日本の民主主義は未熟ということになる。

尾崎紅葉の『金色夜叉』では、お宮は貫一を好きなのに、親から別の男に嫁ぐように言われると、それに從うだけで、あとで貫一からそれを批判されても、お宮は「あんまりだわ」「ひどいわ」と言うだけで釋明しない。

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2018年5月