昭和16年は1941年、昭和22年は1947年、昭和に25を足すことで西暦を算出できる。
昭和生まれで西暦にも親しんだ人はそうやって西暦と元号を併用していた。
それが平成の世になって、計算方法がわからず、パニックに陥った人が多いのだろう。

昭和生まれの人が元号をやめようと主張するのはどうも平成になって計算が面倒になってからのようだ。

戦後間もなく、元号廃止論が浮上。
しかし昭和52年(1977年)の世論調査では88%ほどの人が元号を使っていた。
それで昭和54年(1979年)に元号法が成立した。

今、元号を嫌がっている人は、昭和52年当時には元号を使っていたはずで、平成が面倒だから西暦派に鞍替えしただけだろう。

問題は昭和対平成より、昭和生まれ同士、平成生まれ同士をどう区切るかである。
昭和生まれの場合、昭和ヒトケタ生まれ、昭和10年代生まれ、昭和20年代生まれ、昭和30年代生まれ、昭和40年代生まれという区切りがあった。
しかし、平成生まれ同士は平成ヒトケタ、平成10年代、平成20年代生まれという区切りをしているかどうか。そうでなく西暦で1990年代生まれ、2000年代生まれ、21成句まれという区切りのようだ。

元号廃止論の弱点は、昭和と西暦、平成と西暦の換算が面倒だという、怠け者の愚痴のような理由だからだ。
おしんが明治40年当時7歳なら昭和20年で何歳か。
大正12年の関東大震災の時の生まれた人は昭和20年の終戦の年に何歳だったか。
昭和のころの人は何とか計算していただろう(下注釋)。

元号による計算の面倒さが問題になるは、これが何世代にもわたる場合である。

大坂夏の陣400年、大政奉還150年は、西暦で計算すると簡単だ。
これを元号で計算するのは面倒である。
日本の歴史は天平、慶長、元禄、享保、天明、寛政、文化、文政、天保、安政、慶応など元号が時代を象徴していた。しかし元号だけで100年、200年の年数を計算するのは効率が悪い。

「元号は有ってもいいが日常生活で使う必要ない」と言う人が「官公庁でも元号を使うべきでない」と言うなら、どこで誰が元号を使えばいいのか?

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2017年12月

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注釋
昭和のころの人は何とか計算していただろう
西暦で計算してみる。
おしんは1907年で7歳→1945年で45歳。
1923年生まれの岩田鉄五郎は1945年で22歳。
次に元号で計算。
おしん:明治45年が大正元年なので改元の前年までの年数を合計する。おしんは明治40年で7歳。明治44年で11歳。大正14年で25歳。昭和20年で45歳。
岩田鉄五郎:大正12年生まれ。大正14年で2歳→昭和20年で22歳。