ライターmonogatarino_rekishiさん(最終更新日時:2012/9/11)投稿日:2012/1/23
 
 
 
そもそもドラえもんがやってきた「のび太の小学生時代」は20世紀なのか、21世紀なのかという問題があります。
作中でドラえもんがのび太と同居を始めたのは1970年正月です。初期ののび太はそのとき小学生の世代でした。
作品では近未来が何度も描かれていますが、初期はその多くが21世紀でした。

(↓のび太が大人になったあと)
2002年 のび太が静香、ノビスケと生活(「りっぱなパパになるぞ!」、25年後)
2005年* のび太が家出を試みて失敗(「愛妻ジャイ子!?」、35年後)
2008年 タイムマシン完成(てんコミ41巻)
2011年 やはりのび太が大人で息子・ノビスケが少年(「ミニドラSOS!!!」)
2045年 ツチノコが大ブーム(「ツチノコ見つけた!」、約70年後)
2073年* ドラえもんが銀行から金を下ろす(「ボーナス1024倍」、100年後)
2074年* ドラえもんが倉庫の掃除のアルバイト(「宝さがし」、100年後)
2081年* ドラえもんとセワシの時代(「未来から来たドラえもん」、111年後)

*は雑誌掲載年から年代を推定した例です。「2081年」は1970年から111年後ですが、もしドラえもんとのび太の同居が1990年以降であれば111年後が22世紀(2101~2200年)ということもありえます。

一方、2004年の「ワンニャン時空伝」では現在が「21世紀」になっていたと思いますが、どうでしょう。2005年以降で昭和の設定のままだったのは「白ゆりのような女の子」くらいのようで、その他は時代設定が21世紀に移っているようです。

(↓のび太は小学生)
2003年 のび太たちが渡辺美里と出会う(美里は放送当時と同じ大人)
2006年 のび太がドラマ「レガッタ」のロケ現場に遭遇(「ジーンと感動する話」)
(2006年 テレ朝で「レガッタ」放送。速水もこみちと相武紗季が出演)
2008年 のび太たちが浅田真央と対面(「のび太たちのアイスショー」)
2009年 若田光一氏が宇宙で天の川鉄道を目撃(「天の川鉄道の夜」)
(2009年 春から夏まで若田氏が宇宙で作業)
2010年 のび太たちが南アフリカ蹴球W杯の日本代表を応援(「夢まくらのおじいさん」)

ゲストはほぼ放送当時の年齢のままだったようです。若田氏は1963年生まれですから、1973年ごろの「ドラえもん」ののび太と同世代です。
渡辺美里は1966年生まれなので1976年ごろの「ドラえもん」と同世代です。

「ジーンと感動する話」の原作では「西条ひろみ」だったタレントが2006年のアニメでは速水もこみちと相武 紗季になっており、それぞれ1984年と1985年に生まれた俳優。本来、のび太より20歳年下のはずが逆にのび太より10歳年上になっていました。
2006年8月7日で11歳ののび太は1995年生まれになります。

アニメののび太は小5です。
2008年の秋に浅田真央と出会った当時ののび太は2008年8月で11歳になっていたとすると1997年生まれ。浅田真央より7歳年下です。
この1997年生まれののび太は2010年3月で小学校を卒業したはずでした。

2010年の映画「のび太の人魚大海戦」でゲスト声優として出演した真矢みきと温水洋一は1964年生まれで、特に温水氏は1974年当時の「帰ってきたドラえもん」を雑誌で読んだ想い出をパンフレットで語っていました。

西暦2011年4月から2012年3月までの1年間で小学5年生ののび太は西暦2000年生まれになります。
2008年のアニメでジキムというキャラクターの声を担当した子役・澁谷武尊が2000年生まれで、2008年当時は8歳になっていたわけですが、2011年度ののび太はその澁谷武尊と「同い年」になっているわけです。

私の観た限り、今の「ドラえもん」のアニメでのび太たちが携帯電話等を使っている場面は見当たりませんが、あっても何らおかしくないことになります。
「糸なし糸電話」や「トレーサーバッジ」は今の携帯電話がなかった時代の夢の道具だったというわけです。

20世紀に描かれたのび太が大人の近未来と、21世紀のアニメののび太の年表を合わせるとこうなります。

 
1979年 18歳ののび太が大学受験で落第(原作第1話「未来の国からはるばると」)
1989年* 青年のび太がジャイ子と結婚(原作第1話、1970年から19年後)
2002年 青年のび太が静香、少年ノビスケと生活(1977年から25年後)
2003年 少年のび太たちが大人の渡辺美里と出会う
2005年* 大人ののび太が家出を試みて失敗
2006年 少年のび太がドラマ「レガッタ」のロケ現場に遭遇
(2006年 テレ朝で「レガッタ」放送。速水もこみちと相武紗季が出演)
2008年 タイムマシン完成(てんコミ41巻)
2008年 少年のび太たちが18歳の浅田真央と対面
2009年 大人の若田光一氏が宇宙で少年のび太たちの乗る天の川鉄道を目撃
2010年 少年のび太たちが南アフリカ蹴球W杯の日本代表を応援
2011年 やはりのび太が大人で息子・ノビスケが少年(「ミニドラSOS!!!」)
2012年 のび太が小学生(「奇跡の島」)
 2045年 ツチノコが大ブーム

なお、トヨタのCMで「ドラえもん」が実写化され、のび太が20年後の30歳になっても眼鏡をかけていて独身で車の運転ができない設定ですが、これはのび太が静香と結婚した場合の設定(「雪山のロマンス」では14年後に婚約、「のび太の結婚前夜」原作でのび太が車を運転)と合いません。するとCMでは原作第1話でのび太がジャイ子と結婚するはずだった歴史観に基づいて、「19年後に結婚」を「20年後で独身」にしたと思われます。するとCMの実写のび太は間もなく静香と結婚するはずです。

のび太君(中年)が未来からタイムマシンで現在までやってきました。 ドラえもんを見て『懐かしい等』言っていたのですがドラえもんが居ないのになぜタイムマシンがあるの?

確かに「ドラえもん」では2008年にタイムマシン完成という設定ですが、それが今のアニメに継承されているか疑問です。「ドラえもん」は常に時代設定が変動しており、最近のアニメでのび太が浅田真央や若田宇宙飛行士と遭遇した話など、明らかに放送時期と同じ2008年から2009年までの話で、それらの話ではのび太は平成生まれになります。

こちらの質問者さんのおっしゃるのがいつごろのアニメかわかりませんので、初期原作を基準に「25年後」と「45年後」で考えてみます。

てんとう虫コミックス1巻でドラえもんが野比家に居候を始めたのは1970年正月。
2008年はそれから数えてもまだ38年なので、「45年後」は問題なし。問題は「25年後」の場合です。1970年から25年後は1995年で、2008年までまだ13年も開きがあります。

逆に2008年から過去に25年さかのぼるとのび太の少年時代は1983年以降になります。てんコミ33巻「ハリーのしっぽ」ではのび太少年時代が1985年なので、その少し前ですね。

ちなみに初期のび太の生年月日ですが、てんコミ2巻「ぼくの生まれた日」における1964年(昭和39年)8月7日を採用すると、初登場時(70年正月)ののび太は5歳で小学校入学前ですが、「ぼくの生まれた日」は72年の雑誌掲載で、当時10歳だったのび太は1962年(昭和37年)生まれ。初登場当時の70年正月で7歳、ぎりぎり小学1年生です。

もっとも、てんコミ1巻第1話ののび太は1979年に大学を受験する予定だったので、1960年までに生まれたことになります。
また、「ハリーのしっぽ」ののび太は1985年で10歳であれば1975年生まれになります。

一方、最近のアニメで例えば2008年をのび太の少年時代とした場合、それから25年後(2033年)と考えれば、その時代のタイムマシン使用に関してはまた別に考えればいいでしょう。

Twitter→X
 

前後一覧
 
 

今のアニメドラえもんの時代設定は21世紀ですか?のび太は平成生まれですか? ドラえもんが元いた時代は未来の代名詞であった21世紀ではなく22世紀の設定なのは、さすがにあの科学... ドラえもんの世界において,22世紀からタイムマシンでやって来た人が21世紀で強盗などの犯罪を犯した... ドラえもんについて 今21世紀ですよね、もし22世紀になればドラえもんは未来から来たことにならなく... ドラえもんは昔は21世紀から来たという設定だったのですか? ドラえもんは2112年9月3日生まれで、2...