もし、元締から密偵まで女の仕事人でまとめたらどうなるか。
同じ女優が複数のからくり人、商売人、仕事人、仕舞人、仕切人などを演じている場合(草笛光子、山田五十鈴、京マチ子など)や、違うキャラクターで同じ名前(おりく、お歌など)はそれぞれ1例に統一し、重複を避けた。
 
鉄砲玉のおきん(『仕置人』、演:野川由美子)…密偵、サポート
おせい(『仕事屋』、演:草笛光子)…元締または仕事の実行担当
おこう(『仕置屋』、中村玉緒)…仲介人
お歌(『仕業人』、演:中尾ミエ)…密偵、サポート
おいね(『血風編』、演:吉田日出子)…密偵、サポート
とんぼ(『からくり人』)または小駒(『新からくり人』、演:ジュディ・オング)…仕事のサポートまたは実行担当
 
うさぎ(『富嶽百景』、演:高橋洋子真行寺君枝)…密偵、サポート
若(『うらごろし』、演:和田アキ子)…仕事の実行担当
おばさん(『うらごろし』、演:市原悦子)…仕事の実行担当
加代(『仕事人』、演:鮎川いずみ)…密偵、サポート
おしま(『仕事人』、演:三島ゆり子)…密偵、サポート
坂東京山(『仕舞人』、演:京マチ子)…元締または仕事の実行担当
おはな(『仕舞人』、演:西崎みどり)…密偵、サポート
 
おりく(『新仕事人』、演:山田五十鈴)…元締または仕事の実行担当
鳴滝忍(『渡し人』、演:高峰三枝子)…元締または仕事の実行担当
およね(『必殺!』、演:研ナオコ)…サポート
おくら(『橋掛人』、演:萬田久子)…仕事の実行担当
桂馬のお銀(『まっしぐら!』、演: 秋野暢子)…仕事の実行担当
便利屋お玉(『旋風編』、演:かとうかずこ)…密偵、サポート
初瀬(『激突!』、演:酒井和歌子)…元締
鎌イタチのおむら(『黄金の血』、演:名取裕子)…元締または仕事の実行担当
仁王のお松(『黄金の血』、演:キューティー鈴木)…仕事の実行担当
 阿修羅のお種(『黄金の血』、演:尾崎魔弓)…仕事の実行担当
駒吉(『江戸警察』、演:光本幸子)…仕事の実行担当
玉櫛(『2007』、演:水川あさみ)…仕事の実行担当
花御殿のお菊(『2007』、演:和久井映見)…元締、仕事の実行担当
泣きぼくろのお宮(『2015』、演:山本美月)…仕事の実行担当
 
女優と役名について補足
・野川由美子は『必殺仕掛人』で「おぎん」、『必殺仕置人』『暗闇仕留人』で「鉄砲玉のおきん」、『助け人走る』で「お吉」を演じた。『仕業人』の「あんたこの替玉をどう思う」でも囚人の妻役でゲスト出演。ここでは『仕置人』の「おきん」で統一。
・草笛光子は『必殺必中仕事屋稼業』と『必殺商売人』で「おせい」を演じ、『仕業人』の「替玉」で犬を連れた女性を演じ、『必殺からくり人血風編』の「おりく」を演じた。ここでは「おせい」で統一。「おりく」の役名は後に『新仕事人』(1981年)で山田五十鈴の演じた三味線弾きの名に使われた。『ブラウン館』と『血風編』はいずれも幕末の話。徳川慶喜が将軍になってから大政奉還の後まで、江戸に2人の「おりく」がいたことになる。山田五十鈴の演じた「おりく」は家慶の治世、アヘン戦争の時代にもいたが、『ブラウン館』とは劇中の時代が四半世紀近くずれており、別人だろう。
・中村玉緒は『必殺仕掛人』の「おくら」役が最初。『仕業人』の「替玉」では「お弓」(演:夏純子)に水を掛けたおばさん役。
中尾ミエは『仕事屋』の「お春」、『新仕置人』(1977)の「おてい」も演じたが、ここでは『仕業人』の「お歌」に統一。
・山田五十鈴は『必殺仕置屋稼業』第15話「一筆啓上欺瞞が見えた」の被害者役が最初で、『必殺からくり人』で花乃屋仇吉、『新必殺からくり人』『必殺からくり人・富嶽百景殺し旅:』で「泣き節お艶」または「出雲のお艶」、
必殺仕事人』で「おとわ」、『新仕事人』から『仕事人V』まで「おりく」を演じた。武器は一貫して三味線の撥(バチ)または仕込み三味線。ここでは「おりく」で統一した。山田五十鈴は『葵 徳川三代』で家康(演:津川雅彦)の母・お大を演じた。藤田まことは『大奥』のドラマで家康を演じたので、奇遇。
ジュディ・オング(翁倩玉、翁玉恵)は『からくり人』で「花乃屋とんぼ」を演じた。とんぼは明治まで生きて、晩年は仇吉(演:山田五十鈴)そっくりになったという設定。『江戸警察』の駒吉(演:光本幸子)は別人だろう。類似した名前を避けるなら旧『からくり人』の「とんぼ」が適切だが、個人的に『新』を先に見たので小駒に馴染みがある。
鮎川いずみは前期必殺に何度かゲスト出演した後、『必殺商売人』で秀英尼を演じ、『翔べ! 必殺うらごろし』で「おねむ」、『必殺仕事人』(1979年)から加代を演じた。
・京マチ子は『仕事人』SP『恐怖の大仕事』の助っ人仕事人・坂東京山を演じ、京山は続く『必殺仕舞人』に登場。京マチ子は『仕切人』で「お国」も演じた。中条きよしと2度共演。
・西崎みどりは前期必殺で何度かゲスト出演し、中期以降、『必殺仕舞人』で「おはな」、『必殺渡し人』で「お沢」、『必殺仕切人』で「お清」、『必殺橋掛人』で「お光(春光尼)」を演じ、後期・非主水シリーズの常連となった。後期の非主水で西崎みどりが出ていないのは『まっしぐら!』と『剣劇人』。
光本幸子は『オール江戸警察』で駒吉を演じ、『仕事人・激突!』で「お歌」を演じた。この「お歌」は『仕業人』で中尾ミエが演じた「お歌」とは別人であろう。『仕置屋』の活動開始が鳥居耀蔵南町奉行就任の1841年で、『仕業人の活動開始が『仕置屋』の1年後とすると、『江戸警察』で扱われた時代は鳥居耀蔵南町奉行就任の1841年から1844年の失脚までなので、天保の改革(1841~43)の時代、仕業人の「お歌」と仕事人の「お歌」が同時に江戸に存在したことになる。
・名取裕子は映画『必殺!5 黄金の血』(1991年)で「おむら」を演じ、『必殺! 主水死す』(1996年)で「お夢(お千代)」を演じ、『必殺! 三味線屋・勇次』(1999年)で「お喜和」を演じた。
・  『仕事人2007』以降で和久井映見が演じる「お菊」の名は、『商売人』第8話 「夢売ります手折れ花」の北岡菊(演:藤村志保)の名にもあり、『商売人』では「おせい」(演:草笛光子)が菊に成り代わって恨みを晴らした。
 
・仕事人役以外だと、中村主水の妻「りつ」の役で有名な白木万理は『仕掛人』で女郎を演じたのが必殺シリーズの初出演で、りつの役は次の『仕置人』から。 『助け人』第16話 「掏摸大一家」では「よう」の役で鮎川いづみが、「お島」の役で白木万理がゲスト出演していたようだ。
 
平成27年tw
/都の商売人(@syoubaininn)さん / X (twitter.com)/

必殺仕事人2015 小五郎「こちとら、この裏稼業、世の為人の為にやってるんじゃないんだ」……仕掛人に対するアンチテーゼ?確か、主水も同じような事を言ってた気が。

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/hajime(@topdogs_h)さん / X (twitter.com)/

昨日TVでやってた必殺仕事人で「仕事ならお金を受け取るべきだ。そうでなければそれは単なる憂さ晴らし」みたいな知念くんのセリフがあって。あー、プロってそういうことだよな、となんかハラオチしたお話し。

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場所が男子禁制なのでお菊(和久井映見)が活躍。もし元締から密偵まで女の仕事人でまとめたらどうなるか。
密偵役は野川由美子、中尾ミエ、鮎川いずみ、西崎みどり、かとうかずこ。
元締役は草笛光子、山田五十鈴、京マチ子、高峰三枝子…。
 
 
令和5年pst

 

 

花御殿のお菊(演:和久井映見)のような元締めや連絡係ではない女仕事人には、「仕事人2007」(平成19年)に登場した玉櫛(演:水川あさみ)がいたが、「仕事人2009」(平成21年)で退場。

16年経った令和5年、水川あさみは朝のドラマ「ブギウギ」で母親役。 時の流れに勝てる者はいないか。

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元締めや連絡係でない女仕事人。

もっと前は「橋掛人」(1985)の おくら(演:萬田久子)までか。おりく(演:山田五十鈴)も同時期の「仕事人V」で退場した。 

但し、テレビ本編以外のスペシャル版や劇場版では加代もお玉も女仕事人として単なる密偵に留まらない「仕事」をしていたようだ。

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