春日太一著『なぜ時代劇は滅びるのか』江戸時代編<弐>
 
@TsukubaNakamura「なぜ時代劇は滅びるのか」の第三章「役者がいない!」は元々「新潮45」2012年11月号掲載ですが、この号で荒井晴彦氏が「るろ剣」の時代考証を批判していました。春日氏は第二章で「『時代考証の通り』は『正解』ではない」としてますので見方は違うでしょう。
posted at 10:54:51
 
@TsukubaNakamura 春日太一氏はジャニーズに関しては、身体能力が優れていて現場の態度も実直で京都のスタッフの受けもよく、東山紀之は松方弘樹の下で研鑽を積んで時代劇の芝居も心得ていると一定の評価をしていますね。SMAPのメンバーを起用した一連の時代劇には批判的でしたが。
posted at 10:59:16  
 
@kyojitsurekishi 春日氏が「なぜ時代劇は滅びるのか」で述べたように「水戸黄門」の主人公は老人で、実質的な主人公は若い助三郎だった。「水戸黄門」のヒットを受けて作られた「葵の紋」系時代劇「長七郎」「松平右近」「暴れん坊将軍」などはこの「ねじれ」を解消した作品であった。
posted at 03:26:05
 
@kyojitsurekishiなぜ時代劇は生き残れるか」を見ればわかるように、「水戸黄門」は時代劇の「王道」などではない。
posted at 04:00:08
 
@kyojitsurekishi 個人的に風間杜夫の「銭形平次」はよく見ていたので、春日太一氏が「なぜ時代劇は滅びるのか」で「風間杜夫が大川橋蔵の芝居を真似ていた」逸話が紹介されているのを興味深く読んだ。
posted at 09:49:39
 
@kyojitsurekishi 「銭形平次」の北大路欣也版(本人歌唱の主題歌がかっこいい)と村上弘明版(投げ銭のCGが凄い)もよかったと思うが、春日氏は村上版「平次」を北大路版「大岡越前」と一緒に「2000年代のミスキャスト時代劇」の例として斬り捨てていた。これは少し気の毒。
posted at 09:51:33
 
@TsukubaNakamura 「水戸黄門」に対し「印籠シーンが権威主義的」「史実と違う」という批判があり、石坂浩二(と石坂黄門の時のスタッフ)が少し「史実」を重視して、更に印籠シーンのない話を混ぜたりしましたが、それで視聴者が離れたようです。受け手の問題も考える必要があります。
posted at 11:13:54
 
@kyojitsurekishi 大野敏明氏は「歴史ドラマの大ウソ」「坂本龍馬は笑わなかった」で「篤姫」と「江」を批判しているが「こことこことは史実と違う」などという風に「点」を突いているだけで、ただの知識の羅列であり、「ドラマがウソなのは当然だろう」と逆に突っ込まれるのが落ちだ。
posted at 11:42:36
 
@kyojitsurekishi 春日太一氏も「なぜ時代劇は滅びるのか」で「篤姫」と「江」を批判しているが、あくまで「時代劇に虚構があって当然」という立場で、それで「江戸時代を題材にしたフィクション」として批評している。単なる知識の羅列でなく、流れとなって結論にむすびついている。
posted at 11:46:32
 
@kyojitsurekishi 細かいことだが、春日太一氏の「なぜ時代劇は滅びるのか」は1950年代、1980年代という年号を一貫して西暦で表記しているところがわかりやすい。
posted at 11:59:00
 
@kyojitsurekishi また「なぜ時代劇は滅びるのか」では1989年の吉右衛門「鬼平」の成功で90年代初めに時代劇ブームが一時復活し乱立状態になったとしている。これも元号で言えば「平成の初めに鬼平ブームで時代劇人気が一時的に盛り返した」ということになる。
posted at 12:05:07
 
@kyojitsurekishi 更に1996年(平成8年)に個人視聴率が判明し、90年代末から200年代にかけて民放各局が連続時代劇から撤退を始めた。これも1998年が平成10年なので、「平成2ケタに時代劇減少」となるが、「平成2ケタ」ではいつからかわからない人が多いのだろう。
posted at 12:07:36
 
@kyojitsurekishiなぜ時代劇は滅びるのか」にあるように日テレは1997年から時代劇レギュラー枠を廃止。83~91年に「長七郎」が放送されていた火曜夜8時台は96年の時代劇「さむらい探偵事件簿」を最後にバラエティ枠となり、97年から「踊る!さんま御殿!!」の時間帯。
posted at 12:28:30
 
@kyojitsurekishi かつてテレ朝の時代劇は木曜夜8時「遠山の金さん」「三匹が斬る!」枠と土曜夜8時の「暴れん坊将軍」枠だったが97年に「金さんVS女ねずみ」が土曜8時に移って「暴れん坊将軍」の隙間に入り、98年から「暴れん坊将軍」が木曜夜7時に移動。
posted at 12:41:45
 
@kyojitsurekishi 1998年から「暴れん坊将軍」が木曜夜7時に移動。「八丁堀の七人」が始まった。「暴れん坊将軍」と「八丁堀の七人」は2001年以降、木曜夜7時に移され、北大路欣也主演「子連れ狼」「大岡越前」、村上弘明主演「銭形平次」なども放送された。
posted at 12:49:22
 
@kyojitsurekishi 2006年以降、テレ朝の時代劇レギュラー枠は火曜夜7時台に移され、北大路「大岡越前」第2シリーズ、松平健の「遠山の金さん」等を経て、2007年の松方弘樹主演「素浪人 月影兵庫」で時代劇レギュラー枠は終了。2008年に「暴れん坊将軍」最終回SP放送。
posted at 12:54:18
 
@kyojitsurekishi 東野黄門初期には印籠シーンは定番ではなかった。TBSは印籠シーンの台詞を権威主義的として拒否していたが視聴者は毎回徳川の家紋を見たがっていた。
posted at 13:40:13
 
@kyojitsurekishi TBSにとって水戸黄門の本放送をやめて初期の東野黄門(印籠シーンがない場合がある)を再放送するのがベストであったが、東野黄門と西村黄門のシリーズは既にDVDが出ている。BS-TBSではたまに里見黄門の3時間スペシャルの再放送がある。
posted at 13:42:06
 
@kyojitsurekishi 最近のテレビは連続枠の時代劇が減っているだけでなく、バラエティ番組の2時間、3時間SPがやたら多くなっている。安上がりで時間を取れるからだろう。
posted at 16:32:28
 
@kyojitsurekishi 多くの視聴者が「水戸黄門」の新作を求めず、再放送だけ見るなら、本放送の終了は当然である。再放送はBSで時々やっているし、初期のシリーズはDVD化されている。
 
@TsukubaNakamura 里見浩太朗が正にその点について石坂浩二を批判してましたね。たとえ光圀の白ヒゲが「嘘」だとしても諸国漫遊自体がフィクションなのだから、その講談をもとにしたナショナル劇場の水戸黄門に「史実」を持ち込んでも視聴者が受け入れるはずがない…という趣旨でした。
posted at 22:21:52
 
@TsukubaNakamura ただ東野英治郎の時の水戸黄門では生類憐みの令が「悪法」で、光圀が綱吉に犬の皮を送って抗議する話がありましたが、里見黄門では生類憐みの令が人も犬も生き物を全て大切にする精神を説いた法だという風に、最近の見直し論を取り入れることはしていましたね。
posted at 22:31:41
 
@kyojitsurekishi 時代劇に関して「史実と違う」という突っ込みをする人たちは「水戸黄門」でも「大河ドラマ」でも少し「リアル」にしたシリーズが逆に視聴率低下などで「失敗」した場合、どう受け止めているのか、あるいは責任が自分たちにあるとは思わないのか。
posted at 22:40:24
 
@kyojitsurekishi 「水戸黄門」の場合、確かに全国行脚はフィクションだが、石坂黄門で白ヒゲをなくした試みや、里見黄門で「生類憐みの令は良い法令だった」という見方を採用したところなど、「史実重視派」がスタッフをほめてよさそうなものだが、評価しているのだろうか。
posted at 23:15:31
 
@misterhiropon 水戸黄門終了の理由について「42年間のマンネリが飽きられた」とする人が多い一方で、「視聴者はマンネリを求めていたのに石坂・里見黄門でスタッフや主役が作品を変質させたのが悪い」という意見もあって、世間的には「時代の流れ」で幕引きという結論のようです。
posted at 23:29:42
 
@kyojitsurekishi 石坂浩二主演「水戸黄門」第29部では光圀と綱吉の確執により、光圀が隠居に追い込まれる過程が描かれていたようだ。「史実」を重視する大野敏明氏が著書(「坂本龍馬は笑わなかった」)で水戸と黄門を取り上げながら第29部に言及していないのは惜しい。
posted at 11:57:45
 

「水戸黄門」が終わった時、「時代劇の王道が終わった」と嘆く評論があったが、もし「水戸黄門」が時代劇の「王道」だったらその「王道」こそ初めから腐り切っていたとも言える。逆にあれは「王道」でなく「異端」だったのかも知れない。

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@kyojitsurekishiなぜ時代劇は滅びるのか」を見ると「水戸黄門」は逸見稔の存命時までは「好調」で没後に「ミスキャスト」などで終焉に向かったように見えながら、終了の根本原因はやはり逸見稔にあり、高齢者向けのマンネリ化で絶好調の時が終わりの始まりだったということらしい。
posted at 07:05:55
 
@kyojitsurekishi 春日太一氏の「なぜ時代劇は滅びるのか」ではNHKの東山紀之主演「大岡越前」について少し言及がある。161ページで「雲霧仁左衛門」(おそらく中井貴一主演)、「神谷玄次郎捕物控」と並べて、「過去の作品を同じ脚本でリメイクしている」としているのみ。
posted at 08:35:48
 
@kyojitsurekishi 春日太一氏は「なぜ時代劇は滅びるのか」で東山紀之「大岡越前」を中井貴一「雲霧仁左衛門」同様、21世紀に増えた「過去の作品のリメイク時代劇」の例としているが、前田敦子の「あさきゆめみし~八百屋お七異聞」については言及なし。名前が挙がる方がまだましか。
posted at 08:41:14
 
@kyojitsurekishi 春日太一氏は「なぜ時代劇は滅びるのか」で、テレ朝の北大路「大岡越前」を「手持ちのスターにかつてのヒット作を組み合わせただけ」、NHKの東山紀之版を「過去の作品を同じ脚本でリメイク」と評している。個人的にはまだ北大路版の方が「個性」があるだけましだ。
posted at 08:47:00
 
@kyojitsurekishi 春日太一氏は「なぜ時代劇は滅びるのか」で、時代劇に必要なのは「史実」ではなくファンタジーであり、過剰に時代劇の「時代考証」に突っ込む風潮は時代劇にとってマイナスだとしている。
水戸黄門の時代考証関連
posted at 12:12:31
 
@kyojitsurekishi 時代劇は「史実」の「研究発表」ではない。時代劇の「ウソ」を指摘する人の本はただ「ここが史実と違う」と言う知識を羅列するだけ。時代劇のイメージによる「誤解」で世の中にどんな「問題」が起きているかという具体的な実例がない。
posted at 00:01:23
 
@kyojitsurekishi 春日太一氏が指摘しているように「水戸黄門」で石坂浩二と里見浩太朗が水戸光圀役になったのは「ミスキャスト」だろうが、では誰ならよかったか。他にできる人がいなかったとすれば、石坂・里見黄門は「水戸黄門」を終わらせたのでなく延命させたということになる。
posted at 09:31:53
 

「水戸黄門」が21世紀になっても1時間の連続枠にしがみついたせいで光圀役を引き受けるベテラン俳優が里見浩太朗以外にいなくなったのではないか。

午前9:34 · 2014年10月18日

 

もし石坂黄門の時代に「水戸黄門」が年に一度の2時間スペシャルだけになっていたら、里見浩太朗だけでなく、笹野高史といった俳優も光圀役を引き受けて、「必殺仕事人20XX」や「だましゑ歌麿」のようにシリーズが存続していたのではないかと思えてくる。

午前9:36 · 2014年10月18日

 

〔masaakimorita@masaakimorita

マッサンに年老いた番頭役で高橋元太郎が出ていて白髪でヒゲを蓄えていてかなり似合っていてうっかり八兵衛が黄門役やっても良かったのでは?と思いました。

午後5:42 · 2014年10月18日

 

@kyojitsurekishi

里見浩太朗が助さん役の時にご隠居に変装する場面があったのはご存じでしょうが、何度かリメイクされた「『水戸黄門漫遊記』の劇中劇」という楽屋落ちネタで、ドラマのご隠居(主役)本人だけでなく八兵衛が(つまり高橋元太郎が)水戸老公に扮したこともありました。

午後8:17 · 2014年10月18日

 

〔masaakimorita@masaakimorita

それは興味深いです、そういえばうっすらと記憶あります(もしかしたらニセ黄門回と自分の中で混同しているかもしれませんが)。楽屋落ちネタだったとは。渡辺篤史密偵役から殺し屋役になったように八兵衛が…と考えるだけで心踊ります。

午前10:24 · 2014年10月19日

 

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前後一覧
2014年11月1日~11月6日(AmebaBlog)
2015年11/6(Y!Blog)
 
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