『韓国ドラマで学ぶ韓国の歴史 2014年版』(中国時代劇特集付き)

中国時代劇のガイドブックを探したら、韓国時代劇の本の巻末に中国時代劇の特集があった。1冊まるごと華流という本はないのか。
 
kyojitsurekishi 「韓国ドラマで学ぶ韓国の歴史 2014年版」(キネ旬ムック）は頁数が約160頁で、そのうち136頁までが韓国時代劇と朝鮮の歴史に関する記事と廣告で占められ、中国時代劇の特集は137頁から157頁までの21頁。つまり全頁数の約8分の1。
詳細
 
「韓国ドラマで学ぶ韓国の歴史 2014年版」(キネ旬ムック）では高句麗はもちろん渤海も朝鮮史の一部とされており、一方、契丹・遼は中国史に分類されている。明朝の時代、元が滅びず北元として存続し、清とつながっていたという歴史観が年表から見て取れる。
詳細
 
「韓国ドラマで学ぶ韓国の歴史 2014年版」(キネ旬ムック）では国名「渤海」に「パレ」というカナルビがある。朝鮮語で「발해（Palhae)」[paɾɦɛ]だからだろうが、日本では普通「ボッカイ」Bokkaiと呼ぶはずだ。
詳細
└→満洲史の中の渤海国【地理】
└→古代国家「渤海」の名について 
 
「韓国ドラマで学ぶ韓国の歴史 2014年版」(キネマ旬報）43頁の「大祚榮」に関する解説では「契丹族出身の唐の将軍ソル・イングィ」とあり、漢字表記「薛仁貴」がない上に朝鮮語読み「설인귀」をもとにしている。これは連声して「ソリングィ」に聞こえるはず。
詳細
 
検索すると「薛仁貴」のアルファベット表記にはXue Renguiのほか、Sie Jin Kwie、Sie Djin Koei、Si Jin Kuiもある。
Twitter - 検索 - 薛仁贵
 
藤堂明保氏の学研大漢和字典を参考に「薛仁貴」の唐代の推定発音を調べてみたらこういう結果になった。
薛siεt，　仁niĕn（またはrɪĕn），　貴kɪuəi  
tweet
 
隋唐代推定音（藤堂明保編『学研大漢和字典』）
薛siεt　仁niĕn（rɪĕn）　貴kɪuəi
 
中国語方言字音データベース
薛　仁　貴
tweet
 
台湾語でsiat4(or sih4) jin5-kui3、客家語でsiet5 yin2-gui4、廣東語でsit3 yan4(or ngan4)-gwai3である。
 
「韓国ドラマで学ぶ韓国の歴史 2014年版」(キネ旬ムック）の「大祚榮（대조영）」に関する解説で「契丹族の武将イ・ヘゴ」とある。 調べるとこの人物は李楷固（Li Kaigu、朝鮮語読み리＞이해고 ）で、ドラマでは鄭普碩（정보석）が演じている。契丹族の人名も朝鮮語読みにされている。
詳細
 
「韓国ドラマで学ぶ韓国の歴史 2014年版」(キネマ旬報社、キネ旬ムック）の26頁に「大祚榮は、韓国では高句麗人の後裔、中国では靺鞨族の長とするなど、解釈に差がある」と書かれてある。渤海を巡る中朝の歴史観の違いがわかる。
詳細
//
tweet
 
知恵袋
 
「韓国ドラマで学ぶ韓国の歴史 2014年版」(キネマ旬報社）の49頁で「実は高麗が初?世界最古の活字印刷」と題する記事があり、中身を見ると金属活字の話で、Gutenbergより高麗が早かったという話。中国の活字印刷については言及がなかった。
詳細
〔〕
 
1445年のGutenbergの金属活字より1377年の「白雲和尚抄録佛祖直指心体要節」の方が古く、更に1234年には「詳定古今禮文」が金属活字で印刷されたらしい。
 
 
/#平成レトロ/ 平成レトロ・ドラマ編 キネマ旬報社 「韓国ドラマで学ぶ韓国の歴史（137頁～、中国時代劇大特集）」 「遼」「契丹」が中国史で「渤海」が朝鮮・韓国史という解釈。明朝成立後、元朝は北元として残り、清につながったという解釈。 2014年版 平成26年版
〔〕
 
tweet(1) (2) (3) /X→BLOG(4)/X→BLOG(5)/X→BLOG(6)/
 
 
関連語句
宮廷の諍い女　イ・サン　王朝　渤海　大祚榮　高麗（タイトル検索）　
韓国時代劇　薛仁貴（内容検索）　

 

 
 
参照
 
平成26年BLOG