2014年1月9日付の朝日新聞、天声人語では政府が勧める日本史必修化を取り上げ、山崎正和氏等の「学校の歴史教育廃止論」を紹介していた。朝日新聞は「日本人は歴史健忘症だ」と批判していたのではなかったか?
  
またこの天声人語は「日本人の歴史観は一色でない」と言いたいようだがそれなら日中韓共同の教科書など唾棄すべきだし、田母神氏の歴史観や、靖国神社の歴史観を尊重すべきだろう。朝日新聞出版は日本史の雑誌を出して、朝日流の「歴史修正主義」を勧めているが、教科書が気に食わないものになると「歴史の授業なんか廃止しろ」「朝日の雑誌を読め」と言いたいわけだ。これは教科書が「自虐的」だったことに対して「教科書が教えない歴史」や「新しい歴史教科書をつくる会」が出た動きと思想が反対なだけで、形としては同じだろう。
 
朝日新聞は『はだしのゲン』閉架措置を批判していたが、これと歴史教育廃止論は矛盾しないか?
「南京虐殺」も「日韓併合」も「1945年8月6日広島原爆投下」も学校で教える必要はないということか。
 
『こんな「歴史」に誰がした』(渡部昇一、谷沢永一共著) の文庫の巻末近くでは「歴史教育に自由競争の風を」という節がある。
谷沢氏によると、評論家の山崎正和氏は以前から「歴史教育全廃論」を訴えていたらしい。
何も教科書を読まなくても図書館に行けば、歴史書、歴史小説がたくさん並んでいる。テレビでも時代劇、大河ドラマ、歴史ドキュメンタリーもあって、谷沢氏は「こんな時代に学校の教室で歴史教育をする必要があるのかという山崎正和氏の意見は傾聴に値します」(文庫280ページ)と言っていた。
「歴史小説やテレビ時代劇が多いから歴史教育は不要」ということらしい。
 
この本が最初に出たのは1997年である。
前年の1996年に個人視聴率調査が開始され、時代劇は高齢者が観る物だということが判明し、民放各局が連続時代劇を打ち切り、時代劇をスペシャル枠に移し、若者向け番組にシフトし始めていた。
山崎正和氏の考えは1980年代までの時代劇ブームを背景にしたものであろう。
 
17年経って、朝日新聞が渡部・谷沢両氏と同じことを言うようになったか。
そう言えば谷沢永一氏も「つくる会」を批判していたか。
 
劇作家の山崎正和さん「国家は初中等学校における歴史教育を廃止すべきだ」… 極論すぎて賛同できませんが、もし日中韓で同時に廃止した場合、若い世代同士の対立緩和につながるのでは?という屈折した思いもあります… 天声人語:朝日新聞デジタル/
 
中国・韓国は日本に「歴史を直視せよ」と言って朝日新聞もそれに賛同しているのかと思ったら、2014年1月9日付の朝日新聞が「天声人語」で山崎正和氏の「歴史教育全廃論」を紹介している。
 
安倍政権の「日本史必修化」方針に対抗してか、朝日新聞が「歴史教育廃止論」を持ち出してきた。
 
日本では世界史を学ぶ人が少なくて問題になったのではなかったか。
 
渡部昇一と谷沢永一の共著『こんな「歴史」に誰がした』の巻末近くにも「歴史教育に自由競争の風を」という節がある。谷沢氏によると、評論家の山崎正和氏は以前から「歴史教育全廃論」を訴えていたらしい。
朝日新聞は常々「日本人は歴史から目をそむけるな」と言っていたはずだが、それはこっちの誤解か、それとも朝日が変節したのか。
 
中国・韓国は日本に「歴史を直視せよ」と言い、朝日新聞もそれに賛同しているのかと思ったら、2014年1月9日付の朝日新聞が「天声人語」で山崎正和氏の「歴史教育全廃論」を紹介している
 
歴史相対主義はそもそも藤岡信勝が「自由主義史観」で言っていたわけで、朝日新聞はそれに反対の立場だったはずです。相対主義を言うなら田母神論文も閣僚の靖国参拝も認めるべきだということになります。まして中韓との共通の教科書など言語道断です。
 
朝日新聞は「はだしのゲン」閉架措置に抗議し、朝日新聞出版は日本史の雑誌まで出しているのに、その朝日新聞が政府の日本史必修化に対抗して「歴史なんか教えるのやめちまえ」と言い出してヤケ(自棄)になったように見えますね。中韓との共同教科書など作っても無駄です。
 
2014年1月14日の朝日新聞投書欄で会社員が「ひとりよがりの歴史教育はよせ」との意見。旧ソ連ウズベキスタンの人は日露戦争でロシアが勝ったと教えられていて、その投稿者は唖然としたらしい。それなら尚更日本では日露戦争で日本が勝ったことを教育すべきだ。
 
この投稿者は「各国多様な歴史を学ぶべし」との意見で、これには同感だが、どうも安倍政権の「日本人のアイデンティティ」重視の日本史必修化に批判的なようだ。歴史に関する見解には同感できるが批判の矛先が間違っている。中国、韓国の歴史観を批判すべきだろう。
前後一覧
2014年1/1 1/10 1月
2014年1/10(twilog)