2006年の野球のWBCで日本が韓国に負けた(全体の結果は日本の優勝)件についてイチローが「人生最大の屈辱」について大橋巨泉が「人種差別発言」と批判したようでこれに対し井沢元彦氏がサピオ2006年5月10日号で韓国のマスコミの卑劣さを理由にして反論していた。(続く)

(続き)別の見方で言うと、日本人も韓国人もそのほとんどは黄色人種で、つまり同じ人種であるから、日本人が韓国人を嫌悪しようと、逆に韓国人が日本人を嫌悪しようと、それは人種差別ではない。
1990年代末から2000年代初めまでの古雑誌を整理している。21C初めの小泉改革で日本が格差社会になったという批判があるが、90年代末の金融ビッグバンでその兆候が既にあったし、90年代に日本国民自身が終身雇用からの脱却を望んでいたように思う。90年代当時は規制緩和が正義だった。年功序列と終身雇用を廃し、労働者がどんどん自由に職場を変えられるようにすれば働く場もひろがると皆が期待していたと思う。しかしその結果が派遣切りと格差社会、ネットカフェ難民であった。政治家だけが悪いと言い切れない
2004年5月22日に当時の小泉純一郎首相が第2回訪朝。小学館の国際情報誌サピオでは、2004年の6月23日号でこの訪朝を日本外交の敗北と見なし、「日本外交が死んだ日」というタイトルの特集をしていた。しかし当時の方がまだましだっただろうか…。
奥谷禮子氏は「格差はあって当たり前」「過労死は自己責任」と言っている。小林よしのり氏はゴー宣で奥谷氏を批判していた。しかしこれはスパからサピオに移って間もない頃のゴー宣にあった浅羽通明の「悪人の自白」論に似ている気がする。
浅羽通明は「差別表現は悪人の自白」だと主張。小林よしのり氏は「悪人の自白」は人間の性善説を採用する限りは正しいが、人間の性善説はまだ成り立たないとしていたと思う。
当時、この件について小林よしのり氏は「浅羽通明氏が自らを悪人にして議論を掘り下げた」と一定の評価をしている。
奥谷禮子氏の「格差はあって当然」「過労死は自己責任」もある意味で議論を掘り下げるために自ら悪人を買って出ている姿勢に見える。
奥谷禮子氏の見解は「悪人の自白」のように見えるし、ある意味で devil's advocate に近い。議論を深めるために敢えて人に反論する天邪鬼か、あるいは反論を受けるような極論を意図的に言うことで議論を進める「悪役(必要悪かも知れない)」である。