さて、必殺シリーズで中尾ミエが演じた女が最終回でどうなったか考えてみる。
 
『必殺必中仕事屋稼業』の場合、お春の夫は仕事屋・半兵衛(演:緒形拳)で、半兵衛はお春を残して江戸から去った。半兵衛は捕り方から「どこへ行く」と言われて無言でその場から逃げ、わざと怪しまれる行動を採ったことで人相書(年号などはない)まで出た。半兵衛はお春にカネを届けて去ったが、お春の店がその後、奉行所に怪しまれる可能性を考えなかったのか。奉行所から怪しまれないままの状態で江戸から去ればよかったはずだ。
 
『仕業人』のお歌は剣之介(演:中村敦夫)が仕置した武士の家臣たちに斬られ、剣之介とともに川で果てた。
 
『新必殺仕置人』のおていの場合、惚れていた巳代松(字幕で己代松、演:中村嘉葎雄)は奉行所の拷問で植物人間となり、正八とともに巳代松の最後の仕事をサポートして、おていは正八を江戸に残し、松とともに江戸から去った。
つまり必殺で中尾ミエが演じた女の場合、最初は男と別れ、次に男とともに絶命し、最後は廃人となった男とともに旅に出たわけだ。お春、お歌、おていの誰が一番幸せだっただろうか。
 
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2012年9/13
 
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