松平聖二郎(演:目黒祐樹)は自分を殺してくれる奴が来るのを待っていたらしいが、それならなぜ切腹しなかったのか。
大阪で元囚人が仕事に就けず、死刑になりたくて殺人を繰り返した事件に似ている。
松井知事は「死にたければ自己完結しろ」。
もし徴兵制のある国であれば、こういう自殺願望の男は軍隊が吸収していただろう。
 
中村主水が裏稼業を続けていたのも自分が裏稼業の中で殉職するのを望んでいたという説がある(『必殺!裏稼業の凄い奴ら』)。
また主水が牢屋見廻り同心だったとき、牢屋の中を天国と思って軽犯罪を繰り返して何度も牢屋に入っていた男もいた。
 
死刑願望の殺人犯が出ることを死刑廃止論の理由にする人たちが出るだろうが、死刑願望でなくても刑務所に入ったほうが生活できると思って万引きや引ったくりをする輩が多いからといって、警察はそういう連中を逮捕しないわけにはいかない。 
それに死刑廃止論を唱える人たちは東京裁判を無効だとは言わないのか。
さらに日本人は赤穂浪士の吉良邸討ち入りを美化しており、浅野内匠頭に同情し、吉良上野介を敵視している。浅野内匠頭は切腹という江戸時代の死刑で処罰されたわけで、死刑廃止論者がこれを批判するならわかる。しかし大石内蔵助以下47名が吉良の首を切断したのは死刑制度より正当性がないただの殺人である。これを英雄視している日本人が死刑廃止を唱えても完全に矛盾している。
 
呉智英氏は「死刑制度を廃止して仇討ちを復活させろ」と主張している。
仕事人はその仇討ちの代行業である。
 
「主水は葵の紋を斬れるか?」が放送された1979年は『水戸黄門』が最高視聴率を記録した年である。
その4年後、1983年の『必殺仕事人III』開始のとき、『水戸黄門』では伊吹吾郎が格さん役になった。
 
将軍の弟と言えば家光の時代の松平長七郎である。
将軍の弟が市井で人を斬りまくるという意味では長七郎と聖二郎は似ていたわけだ。
 
もし将軍が家斉の時代であれば、将軍の弟に松平右近がいた。
家慶の時代であれば、『葵の暴れん坊』の源九郎がいた。
また、『必殺!主水死す』では、家定に捨蔵という弟ならぬ妹がいた。
 
『あしたのジョー』 の矢吹丈が白木葉子の制止を無視してリングに立ち続けたのも、力石を「死なせた」ことによる贖罪の意味から、自分を叩きのめしてくれる相手を探していたのかも知れない。これは豊福きこうが指摘していたことでもある。
一方、白木葉子は力石の減量に協力した罪の意識から矢吹を止めようとしたのだろうが、それが無理とわかると、試合中にはむしろジョーに戦い続けるよう發破をかけ続けた。
 
中村主水もジョーも無関係な一般人を標的にしなかった意味では立派であった。
 
ところで、松平聖二郎の兄に当たる将軍が誰かが謎なので、江戸時代の将軍で該当する候補を考えてみる。
劇中、松平聖二郎の母は将軍の側室・桃源院(演:新海なつ【しんかい~】)だが、実際の歴史で「桃源院」は北川殿駿河守護今川義忠の正室で、 享禄2年5月26日1529年7月11日)没。戦国時代の女性なので、江戸時代の将軍の母ではない。
 
@whitenova @syoubaininn 伊吹吾郎扮する畷左門は「必殺仕事人」の「主水は葵の紋を斬れるか?」で葵の紋の提灯持ちを斬っていました。中谷一郎も生きていたらどっちに付くか悩んだか…と考えて内藤剛志はどうするのかという疑問も出てきました。
posted at 03:56:43

@kyojitsurekishi 今月(2013年4月)中に、テレ玉で朝10時半からやっている「翔べ! 必殺うらごろし」が終わって「必殺仕事人」無印の再放送が始まる予定。 第5話「三十両で命が買えるか?」に歌手デビュー前の岩崎良美が出演。第6話「主水は葵の紋を斬れるか?」も名作。
posted at 20:57:02

「必殺仕事人」第6話「主水は葵の紋を斬れるか?」は明らかに「水戸黄門」を風刺したもので、1979年当時「水戸黄門」が最高視聴率を記録した。その4年後の1983年に伊吹吾郎が「水戸黄門」で格之進を演じるようになったのは皮肉であった。
posted at 10:37:58

@kyojitsurekishi 「必殺仕事人」第6話「主水は葵の紋を斬れるか?」の悪人・松平聖二郎は将軍の弟だったが誰の弟か。劇中で母親は桃源院。徳川家斉の弟であれば松平右近がいて、家慶の弟なら「葵の暴れん坊」の松平源九郎がいた。将軍の弟が市井で人を斬りまくる点では同じであった。
posted at 10:42:47

@kyojitsurekishi テレビ埼玉の平日朝10時半の「必殺仕事人」。今日(4/25)の第6話「主水は葵の紋を斬れるか?」で二代目 中村鴈治郎が一時退場。
posted at 19:52:59

@kyojitsurekishi テレビ埼玉で平日朝10時半に「必殺仕事人」を再放送している。今日(4/25)の第6話「主水は葵の紋を斬れるか?」で二代目 中村鴈治郎が一時退場。第7話「主水をあやつるバチの音は誰か?」から山田五十鈴が2代目元締として登場する。
posted at 19:56:56

@kyojitsurekishi 「仕事人大集合」で鹿蔵が江戸に戻った時、左門と秀は既に江戸から離れ、半吉は殉職しており、配下の仕事人で江戸にいたのは主水だけだった。
posted at 19:53:13

@tantou_KAI 水戸黄門から見れば仕事人は犯罪者集団で、仕事人から見れば水戸黄門は徳川の権威をふりかざす権力者。敵対関係でしょう。だから「主水は葵の紋を斬れるか?」という話があったわけです。庄屋連合ぐらい「この世の正義」がきちんと裁くなら、仕置人や仕事人の出番はありません。
posted at 11:21:04

@kyojitsurekishi 暴れん坊将軍vs水戸黄門vs必殺仕置人について:弐
必殺シリーズでは、葵の紋で人々を平伏させる松平家・徳川家の武士は悪人とされた。
「必殺仕事人」第6話「主水は葵の紋を斬れるか?」
「必殺仕事人V」最終話(第26話)「主水、下町の玉三郎と出会う」
posted at 21:15:28

初期「必殺仕事人」のDVDマガジンが出ているが、鮎川いずみ、中条きよしのレギュラー入りは後になってからで、「新仕事人」以降しか知らなかった人は伊吹吾郎や山田隆夫が出ていたことを知って意外に思うだろう。2代目中村鴈治郎は「仕事人大集合」にも出演した。

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2012年7/8~21 7/21
 
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