これを見ると、2005年当時の20~30代は「ドラえもん世代」でのび太に近く、40~50代は「巨人の星世代」で星飛雄馬に近かったらしい。星飛雄馬世代が40~50代になると「星一徹」に近くなることが改めてわかる。実際、星飛雄馬が指導する側になったときは一徹の手法の再現となっていた。青雲高校で伴をあざだらけにしたときから始まり、九州宮崎の日向三高を指導したときもそうだった。水木炎のコーチになったときもそうだっただろう。
 
2005年は『ドラえもん』の声優交代の時期で、すでに7年が経過している。
2005年当時の20歳は1985年生まれ、30歳は1975年生まれ、40歳は1965年生まれであり、50歳は1955年生まれ、60歳は1945年生まれであった。
2005年当時の20~30代は1966~1985年生まれで、40~50代は1946~1955年生まれだったことになる。
 
「巨人の星世代」と「ドラえもん世代」の明確な境目は存在しないと思う。
1969年12月に小学館『幼稚園』『小学一年生』から『小学四年生』までの1970年1月号で『ドラえもん』の連載が始まったとき、10歳以下だった世代が「ドラえもん世代」とすると1959年4月2日以降に生まれた世代なので、2012年5月現在で最も「年上」なのは53歳と1箇月。7年前の2005年当時は46歳だったことになる。
 
1969年12月というのは星飛雄馬が大リーグボール2号で活躍していた時期のオフ期間で、星一徹とオズマが中日球団事務所に呼ばれ、オズマの帰国が決定した時期であった。『巨人の星』の読者には当時の10代から20代までいただろうから、当時の10歳に『ドラえもん』読者の「最年長」と『巨人の星』読者の「一番年下の層」の両方がいたはずだ。
 
2005年当時の40歳は1965年生まれで、2012年現在で47歳だが、この世代は『巨人の星』の連載開始当時1歳、アニメ開始当時3歳、連載終了当時5歳、アニメ終了当時6歳、『新巨人の星』連載開始当時11歳、アニメ『新巨人の星』開始当時12歳(小6~中2)、アニメ『新巨人の星II』放送当時14歳であった。同時にこの1965年生まれは『ドラえもん』連載開始当時4歳、日テレ版放送当時8歳、『コロコロコミック』創刊当時12歳、テレ朝での放送開始当時14歳であった。
この前後の世代は『巨人の星』『侍ジャイアンツ』『ドカベン』『ドラえもん』を小学生時代に楽しんだ世代になる。
 
2005年当時、46歳以下が「ドラえもん世代」だったことになり、厳密には当時の40代前半は「巨人の星世代&ドラえもん世代」の中間的世代だった。
ただ、2005年当時の40~46歳は1959~1965年生まれ。彼らが10歳だったのは1969~1975年。1978年にはこの世代の全員が13歳の中学生になっていた。
すると2005年当時の40代前半の多くは、1970年代初めに小学校生活を送った世代で、『ドラえもん』が1973年に日テレで放送され、翌74年にてんコミで単行本になり、1977年に『コロコロ』創刊、79年にテレ朝でリメイクされるまでの時期に小学校を卒業していた可能性がある。
 
2005年当時の30代後半はどうか。
2005年当時の39歳は1966年生まれ。これは2005年当時の40歳(1965年生まれ)と1歳差で世代的に大して変わらない。
2005年当時の35歳は1970年生まれ。『コロコロ』が出た1977年当時で7歳(小学1年生か2年生)であり、1979年のテレ朝アニメ放送開始当時9歳であり、翌80年の『のび太の恐竜』映画化の歳で10歳。小学校生活のど真ん中であった。なお、1977年から1979年まではアニメ『新巨人の星』(『II』含む)の放送期間でもあるので、1970年ごろに生まれた人たちは「巨人の星世代」の最終世代でもある。どちらかというと『侍ジャイアンツ』『ドカベン』『プレイボール』も楽しみ、さらに10代になって『タッチ』『ナイン』も見た世代だろう。
 
2005年当時の30歳は1975年生まれで、2012年では37歳。この年齢の人たちになると長嶋巨人最下位の年に生まれたのだから『新巨人の星II』のときでも4歳で、テレ朝の『ドラえもん』が始まったときはまだ幼稚園か保育園にいたことになる。小学校入学は1981年か1982年で、完全に「ドラえもん世代」となる。
今のアニメの『ドラえもん』のレギュラー陣の多くはこの世代であり、映画監督でも2011年の『新・のび太と鉄人兵団』の寺本幸代監督は1976年生まれである。
 
『ドラえもん』の連載開始は1970年1月号の雑誌(1969年12月發賣)だが、1970年から1973年までは藤子・F・不二雄といえば『オバQ』であり、子供たちの間では梶原スポ根、円谷・東映特撮や東宝・大映の怪獣物が人気だった。『ドラえもん』の人気が爆發したのは1974年のてんコミ単行本化と1997年の『コロコロ』創刊、1979年のテレ朝でのアニメのリメイクによってである。
すると当時10歳だった子供を基準にして10年さかのぼると、1960年から1963年までに生まれた人は「初期ドラえもん世代」であっても、どちらかといえば『オバQ』『巨人の星』『あしたのジョー』『タイガーマスク』『ウルトラマン』『仮面ライダー』『ゴジラ』『ガメラ』などに親しんだ世代だろう(特に男の場合)。
そして1964年以降に生まれた世代では『ドラえもん』ファンが増え、1969年以降、さらに1970年代に生まれた世代だと『ドラえもん』ファンが大量に増殖することになる。
1980年生まれは2005年当時25歳だから「ドラえもん世代」とされたのも当然だ。
 
2012年の時点で20歳は1992年生まれ、30歳は1982年生まれ、40歳は1972年生まれ、50歳は1962年生まれ、60歳は1952年生まれである。
40代に1970年代生まれがいると、もはや40代も今では「ドラえもん世代」だろう。1972年生まれだと、1979年当時で6歳。『新巨人の星II』とテレ朝『ドラえもん』の放送スタートの年で修学直前か小学1年生だったことになる。
 
個人的には「巨人の星世代」と「侍ジャイアンツ世代」、または「巨人の星世代」と「ドカベン世代」、「オバQ・パーマン世代」と「ドラえもん世代」という分類も面白い気がする。
 
そのうち、「碇シンジ世代」も出てくるであろうか。
 
武蔵と鹿介
『巨人の星』と『ドラえもん』ではどちらも宮本武蔵の話と山中鹿介の話が出てくる。
 
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2012年5/7
 
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