ロシアIロシアII、ロシアIII

 


 
『水戸黄門』で蝦夷が舞台になったのは東野英治郎主演のときと里見浩太朗主演のときの2回だけだが、里見黄門のときは蝦夷でロシア(劇中で「オロシャ」)との密貿易を考えている側が「悪役」だった。
ここではロシアとの貿易は犯罪とされた。『平清盛』では宋の国が桃源郷のような理想郷とされ、宋から薬を輸入できる開かれた国が理想となった。だが『北条時宗』で描かれた元寇があり、日本の室町~戦国時代が西洋では大航海時代であったことなどで、日本は鎖国を選んだ。戦争をしないのがベストなら鎖国をするのが一番であろう。
 
『水戸黄門』の時代設定は1690年代であろう。
水戸光圀のいた時代、ロシアはロシア・ツァーリ国(下注釋)の時代だった。
ツァーリ国は1547年からだから、日本の戦国時代に起きた国になる。
1600年ごろは東欧だけを支配していたが、1700年ごろにはシベリアを征服
 
ロシア帝国は1721年からで、ソ連成立から200年前であった。
1720年代は日本では吉宗の享保の改革の時代である。
 
フランス革命からロシア革命まで役130年を要した。
 
『仕事人vsオール江戸警察』では鳥居耀蔵が津軽の藩(弘前藩か)に「密かにロシアと交易しているのではないか」という嫌疑をかけ、藩士だった太棹の新之助が追われる身となり、新之助の妻が斬られ、新之助は鳥居を妻の仇として狙うようになっていた。
 
満洲(滿洲、満州)からの引揚者、帰国者はよく「国から見捨てられた」と言うが、自分たちが日本本土を捨てて満洲に渡ったのは「日本を捨てた」ことにはならないか。確かに満洲国建国、開拓は国策であったが、満洲に渡った人たちは満洲を「日本」だと思っていたのだろうか。引揚者は満洲国が存在した時期から話が始まっており、満洲国ができる前、そこはどういう民族の土地だったか、なぜ日本が満洲国を作ることになったか、そこに至る歴史が抜けているように見える。
 
 
日露戦争では「日露」なのに、今の日露関係では「日ロ首脳会談」のように「日ロ」がよく見られる(検索1検索2)。これではカタカナの「ロ」が漢字の「口」に見えて(下注釋)一瞬、何かわからなくなる。しかし「露大統領」などでは「露」が今でも使われるようで、どうも一貫性がない。「日米」を「日ベイ」と書くようなものだ。
しかし、思い出してみると「日ソ」ではソ連の「ソ」はカタカナだった。漢字にすれば「日蘇」となるはずだが、そうではなかった。
なお、今のプロ野球で「日本ハム×ソフトバンク」が「日ソ」で、「日本ハム×ロッテ」が「日ロ」、「ソフトバンク×ロッテ」が「ソロ」というのを見ると妙な気分になる。交流戦では中日が参加するから、点数や勝敗の表記で「日中」や「中ソ」「中ロ」も出てくる。
 
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注釋
ロシア・ツァーリ国
英語では Tsardom of Russia である。
ロシア語で Tsarstvo Russkoe であるが、語末の e は [je] の發音になるので、Russkoe は Russkoye と綴ってもいいだろう。
Ekaterina に対して Yeltsin のように英語圏では露語の Е [je] を綴る際に y を入れるかどうか揺れがある。
Sergeyevich は Sergeevich とも綴られる。
エルミタージュ美術館の「エルミタージュ」は露語で Ermitazh で、最初は Эр-[er-] である。
もっとも、佛語の Hermitage が語源だから、これは半母音なしなのだろう。
もっとも、Helen がロシアでは Yelena になるらしいので、半母音が入るかどうかは単語によって異なるようだ。
 
カタカナの「ロ」が漢字の「口」に見えて
逆に「くちコミ」が「口コミ」と書かれていると、漢字の「口」がカタカナの「ロ」に見えて「ろこみ」と読みそうになる。
カタカナの「ロ」とひらがなの「ろ」は漢字の「呂」からなので、「呂」の一部の「口」だけで「呂」の音をあらわすのは無理がある。
同様に「加」がカタカナの「カ」になって漢字の「力」とそっくりになっているし、「ト」は「卜(ボク)」とそっくりである。

参照