テレビ埼玉で再放送。
冒頭の黒船のシーンでいきなり西崎みどりの「旅愁」が流れた。貢の妻がアメリカを「アメリカ」と呼んでいた。当時の人はアメリカを「アメリカ」と言っていたのだろうか。江戸時代の日本ではアメリカは「メリケン」、ロシアは「オロシヤ」ではなかったか。『龍馬伝』でも「アメリカ」「ロシア」だった。『翔ぶが如く』では「オロシヤ」のように言っていて、イギリスも「エゲレス国」だったので、アメリカも「メリケン」だっただろう。
必殺でも『横浜異人屋敷』では田中様がアメリカ英語のことを「メリケン語」と言っていた。「メリケン語で『これ(値段は)いくら?』はハマチドリ」という台詞の中での話。
How much dollar? が「ハマチドリ」になるらしい。『仕事人』無印の主題歌「浜千鳥情話」を想い出した(『横浜異人屋敷』の主題歌は「荒野の果てに」であっら)。
『仕留人』のOPの白黒写真で野川由美子の写真が出ないのは可哀相だ。
おきん(演:野川由美子)と半次(演:秋野太作=津坂匡章:つさかまさあき)がインチキ写真屋で武士から刀や金をくすねて商賣していた。
そこの看板に「西洋寫眞鏡」と書いてあったが「寫」の「臼」が「旧」になっていた。書き写してみた。

中村家の先祖が足軽という話はここで出た。一方、『必殺仕事人V』では初めは平家、次に源氏の子孫になっている。
ただ『仕留人』の主水は1853年から翌年にかけて活動していた同心であり、『仕事人V』の源平の話は壇の浦の合戦から600年後なので1785年、天明の時期の同心であり、70年近く時代が離れている。先祖と子孫の関係の可能性もあるが、個人としては「別人」である。
これについては 中村主水 年齢変遷 1785 を参照。
これについては 中村主水 年齢変遷 1785 を参照。
糸井貢は高野長英の脱獄を助けたらしいが、1844年に脱獄した長英(演:近藤正臣)は『新必殺からくり人』で仕込み杖(『ルパン三世』の石川五右衛門の斬鉄剣、または座頭市が使うような刀)を使う仕置人となっており、安藤広重(演:緒形拳)の依頼で裏稼業の旅をしていた。その新からくり人グループの座長である泣き節お艶(演:山田五十鈴)は三味線のバチを使っていた。それが貢に継承されていたのも奇遇である。特に鳥居耀蔵を暗殺した仕事人の一人はバチこそ使わないものの、仕込み三味線を使う三味線屋・太棹の新之助(演:田村亮)だった。
長英投獄は鳥居耀蔵の蛮社の獄(1839年)によるもので、それである蘭学者が自殺(小関三英か)。旧からくり人の時次郎(演:緒形拳)が仇を討とうとして鳥居暗殺に失敗して壊滅。5年後の長英獺語句の直後、中村主水と平手造酒(ひらてみき)、太棹の新之助、加代、鶴が鳥居耀蔵一派を暗殺し、表向きは解任で四国に送られたことになっていた。長英もあそ少し牢獄で我慢していれば、鳥居失脚で釋放されていたはずであった。脱獄で再びお尋ね者となった長英は1850年に捕り方に圍まれて最期を遂げる。
1850年当時、南町奉行が遠山金四郎で、主水は権の四郎、お千代と再会(『必殺!主水死す』)、1851年に水野忠邦が没したのは主水が暗殺したためであった。
『仕留人』の黒船来航はその『主水死す』で描かれた時代から2年後の話である。
『主水死す』で小屋の爆發で「死んだ(十手を残して行方不明になった?)」主水は、言わば「天保~嘉永の中村主水」である。『仕留人』の主水は「幕末の中村主水」であって、両者は「別人」と解釋したほうがいい。「天保~嘉永の主水は」は平手造酒と組み、「幕末の主水」は約20年後に清河八郎と組んだ。また『必殺仕置人』のテレビ放送で描かれた主水は「文化・文政の中村主水」であって、シーボルト事件のときに千葉周作と組んだ主水も「文政の主水」であり、『仕事人2007』で書庫番に移った主水も「文政の主水」である。
テレビ埼玉の『仕留人』に話を戻すと、次は第2話「試して候」で、半次が大砲の試し撃ちの的にされる。
『横浜異人屋敷の決闘』では加代が同じ目に遭った。
半次の場合は1853年の黒船直後、加代の場合は10年たった1863年で、清河八郎が浪士隊を結成したときであった。
「試して候」は『必殺DVDマガジン仕事人ファイル 1stシーズン<七>糸井貢』に収録されている。
黒船来航の1853年、将軍・家慶が他界し、家定が将軍になった。『助け人走る』最終回の将軍逝去はこの時期か。『助け人』の時代設定は元禄や文政の可能性もあり、各話ごとに江戸時代の複数の時期に分散しているようだ。そこは主水シリーズも同様である。
『龍馬伝』では龍馬が黒船を目の当たりにして刀不要論を展開し千葉定吉の道場から一度は追放された。武士の世界でも刀を使わない空手や柔術は必要だし、剣道は近代にもスポーツとして生き残っている。アメリカとの戦いに備えて近代兵器を開發していた者たちは二度も中村主水グループの仕置の的になっている。
『仕留人』『春雨じゃ、悪人退治』『横浜異人屋敷』では蘭学者の悲哀と攘夷派・国学者の横暴が描かれていた(ただし『仕留人』最終回では開国派も悪人だった)。そして『オール江戸警察』では幕府による文化への弾圧に対する批判がテーマだったように思う。
テレビ東京では『善徳女王』。日経と組んでいるテレ東だが、朝の株式ニュースは廃止したようだ。『逃亡者おりん』で日本の時代劇を守ったように見えるテレ東も一方で韓流に流されたか。
「暗闇仕留人」第1話では、劇中で、せんの夫(つまり中村主水の義父)の十三回忌だったらしい。時代設定は黒船来航の1853年。するとせんの夫の没年は1841年。鳥居耀蔵が南町奉行になり、「仕置屋」の主水が北町奉行所から南町に異動した時なんだが。
posted at 01:56:41
BS朝日で「仕置屋」再放送。「仕留人」で糸井貢が問いかけた問題の延長で、「仕置屋」「仕業人」は仕置人に倒された「悪人」の身内の恨みがグループ解散の原因となっており、これが「新仕置人」「商売人」「仕事人」を経て「新仕事人」の最終回につながっている。
『仕置屋』の第一話(1975)の劇中の時代は天保12年(1841)の夏で、『仕留人』第1話(1974)の劇中の時代は嘉永6年(1853)の黒船来航当時なので、時代が12年さかのぼっている。
前後一覧
2012年4/10 4月
関連語句
参照
中村主水年齢変遷(1年間隔、1810年代前後で40歳)-2010年3月8日 12時53分