『平清盛』、兵庫県知事が「画面が汚い」と批判
地方自治体は時代劇を観光PR番組だと思っているらしい
歴史ドラマとして大河を作るNHKと、大河を「観光PR映像」だと思い込んでいる自治体
兵庫県知事が『清盛』を観て「画面が汚い」としてNHKに抗議したらしい。
しかし最近の時代劇は昨年に終わった『水戸黄門』を含めて画面が綺麗すぎて、まるでメイキング映像のようである。
兵庫県知事は大河ドラマを「歴史ドラマ」でなく「観光PR映像」だと思っているのだろう。各自治体は大河ドラマを「観光客誘致のための餌」と考えているようだ。それなら大河など当てにせず、自分たちで居間の兵庫県をPRすればいい。
『龍馬伝』のスタッフはできるだけ画面が江戸時代に見えるように工夫していたようだ。
NHKは今の路線で「泥臭い大河」をこの1年、続けるほうがいい。
兵庫県知事が『清盛』を観て「画面が汚い」としてNHKに抗議したらしい。
しかし最近の時代劇は昨年に終わった『水戸黄門』を含めて画面が綺麗すぎて、まるでメイキング映像のようである。
兵庫県知事は大河ドラマを「歴史ドラマ」でなく「観光PR映像」だと思っているのだろう。各自治体は大河ドラマを「観光客誘致のための餌」と考えているようだ。それなら大河など当てにせず、自分たちで居間の兵庫県をPRすればいい。
『龍馬伝』のスタッフはできるだけ画面が江戸時代に見えるように工夫していたようだ。
NHKは今の路線で「泥臭い大河」をこの1年、続けるほうがいい。
『水戸黄門』も同様で、茨城県水戸市の団体や知事体は水戸市を全国にPRする番組と位置づけていたようだが、そんなことはTBSやパナソニックに頼らず、自治体で自分ですべきであろう。
佐野黄門以降、『水戸黄門』の画像が綺麗すぎて時代劇を見ているように観えなかった。それでも脚本と時代設定が重要だから個人的には月曜の夜が休みのときに限って観ていたのだが、視聴率が減ったようだ。
水戸市関係者は署名運動をするくらいなら、『水戸黄門』の視聴率が下がった理由を考えるべきだ。
佐野黄門以降、『水戸黄門』の画像が綺麗すぎて時代劇を見ているように観えなかった。それでも脚本と時代設定が重要だから個人的には月曜の夜が休みのときに限って観ていたのだが、視聴率が減ったようだ。
水戸市関係者は署名運動をするくらいなら、『水戸黄門』の視聴率が下がった理由を考えるべきだ。
『平清盛』は兵庫県のPRのためにあるのではないし、観ている人の大半は清盛の地元が兵庫だとは思わないだろう。
神戸市長は『清盛』に違和感がなかったと言っているようだ。
兵庫県知事と神戸市長が別人だからこういう異なる意見が出たわけだ。
大阪都(大阪市役所と大阪府庁統合)、中京都(名古屋市と愛知県)、新潟州(新潟市と新潟県)の構想があるが、もし兵庫県知事と神戸市長が同一人物になったら、こういう両論は出なかっただろう。
兵庫県知事と神戸市長が別人だからこういう異なる意見が出たわけだ。
大阪都(大阪市役所と大阪府庁統合)、中京都(名古屋市と愛知県)、新潟州(新潟市と新潟県)の構想があるが、もし兵庫県知事と神戸市長が同一人物になったら、こういう両論は出なかっただろう。
自分が中学のとき、鈴木善幸内閣に対し、東京都知事が鈴木俊一(1910~2010)だったので、初めは首相と都知事が同一人物かと思ったものだ。
なお、鈴木善幸(1911~2004)の長男で鈴木俊一(1953~)がおり、これは元都知事とは別人。
なお、鈴木善幸(1911~2004)の長男で鈴木俊一(1953~)がおり、これは元都知事とは別人。
時代劇と時代考証と観光客誘致
冒頭の1185年の場面で出てくる北条政子は眉毛が薄くていかにも平安~鎌倉時代である。
画面が暗かったりほこりっぽかったりするのは時代考証の結果であろう。
兵庫県知事は「我々は時代考証を学ぶために観ているのではない」と言っており、時代劇を歴史の教材でなく観光客誘致のための歴史ファンタジーと解釋しているようだ。
一方、TBSの『水戸黄門』も同様で、署名運動をしている団体は史実の徳川光圀でなく、テレビで定着した水戸老公と助三郎、格之進のイメージで観光客誘致を続けたがっているようだ。この署名には水戸市長も賛同して、市長が署名を受け取ってTBSに渡したらしい。
川中島での武田信玄と上杉謙信の一騎討ちにも疑問があるが、地元では観光客誘致の材料になっているようで、巌流島での武蔵と小次郎の対決も同様だろう。
『ゲゲゲの鬼太郎』や『ドカベン』のキャラクターの像が観光名所になっている例もあるが、『風林火山』『宮本武蔵』『ゲゲゲ』『ドカベン』がテレビで本放送されていなくてもこれらの観光地は存続している。
冒頭の1185年の場面で出てくる北条政子は眉毛が薄くていかにも平安~鎌倉時代である。
画面が暗かったりほこりっぽかったりするのは時代考証の結果であろう。
兵庫県知事は「我々は時代考証を学ぶために観ているのではない」と言っており、時代劇を歴史の教材でなく観光客誘致のための歴史ファンタジーと解釋しているようだ。
一方、TBSの『水戸黄門』も同様で、署名運動をしている団体は史実の徳川光圀でなく、テレビで定着した水戸老公と助三郎、格之進のイメージで観光客誘致を続けたがっているようだ。この署名には水戸市長も賛同して、市長が署名を受け取ってTBSに渡したらしい。
川中島での武田信玄と上杉謙信の一騎討ちにも疑問があるが、地元では観光客誘致の材料になっているようで、巌流島での武蔵と小次郎の対決も同様だろう。
『ゲゲゲの鬼太郎』や『ドカベン』のキャラクターの像が観光名所になっている例もあるが、『風林火山』『宮本武蔵』『ゲゲゲ』『ドカベン』がテレビで本放送されていなくてもこれらの観光地は存続している。
水戸市の場合、『水戸黄門』の本放送がなくなっただけで観光客が来なくなるように危機感を抱くのは、地元での観光PRの努力が足りないだけであるし、そんな危機感を抱くなら20世紀のうちから茨城県か水戸市がスポンサーになっておくべきであった。また、松之草村小八兵衛の墓を「風車の弥七」の墓に仕立て上げるような虚構の観光客誘致はやめたほうがいいだろう。光圀・助・格の3人組はナショナル劇場以前に月形龍之介版、さらに講談から傳統があるが、弥七は明らかにナショナル劇場のオリジナルである。茨城の観光誘致はTBSナショナル劇場に頼りっぱなしで自ら企画する努力もない。
例えば、全国行脚のシリーズだと西山荘も霞ヶ浦も「水戸黄門」になってしまう問題があるので、光圀が茨城県内の各地(土浦、藤代、筑波山、潮来、霞ヶ浦など)を訪れる関東シリーズがあってもよさそうだが、茨城からそういう提案があった様子はない。
例えば、全国行脚のシリーズだと西山荘も霞ヶ浦も「水戸黄門」になってしまう問題があるので、光圀が茨城県内の各地(土浦、藤代、筑波山、潮来、霞ヶ浦など)を訪れる関東シリーズがあってもよさそうだが、茨城からそういう提案があった様子はない。
兵庫県も『清盛』を大河にしてくれるだけでNHKに感謝すべきであり、演出や内容に文句を言うのは、大河の演出で観光客の数が左右されることを意味しており、結局、観光業がテレビに依存していることを白状しているだけである。