初代弥七(演:中谷一郎)の妻が霞のお新(演:宮園純子)で江戸でそば屋を経営していた。
12月19日の最終回SPでは宮園純子はうっかり八兵衛(演:高橋元太郎)と一緒にそば屋を営む女将・おふじの役。
2代目弥七(演:内藤剛志、ないとうたかし)の妻としての霞のお新は登場しないようだ。

うっかり八兵衛とおふじが夫婦の設定かどうか不明だが、おそらく夫婦ではないだろう。
ただ、宮園純子扮する女将と一緒にそば屋を経営という意味で、うっかり八兵衛は初代弥七のポジションを継承したことになる。

八兵衛はもともと弥七の子分だった。だから本来、八兵衛が2代目弥七を襲名すべきであり、または飛猿や鬼若の役割を八兵衛がやってもおかしくなかった。
いつしか、八兵衛は弥七の2代目候補の研修生でなくなり、よろず屋の千太、おけらの新助といった類似のお供を「経由」して、ちゃっかり八兵衛がお供になった。

茨城県では光圀に仕えた松之草村小八兵衛という忍者を勝手に「弥七のモデル」に仕立て上げて、松之草村小八兵衛の墓を「風車の弥七の墓」に仕立てているようで、完全に「歴史の捏造」である。

しかし八兵衛が高度な忍術を身につければ、八兵衛が弥七の役割を果たしてもおかしくない。
白土三平の時代漫画で忍者が「飛猿」と呼ばれていたと思うので、そうなると弥七と八兵衛と飛猿はもとは似たようなキャラクターということになる。

なお、ちゃっかり八兵衛役の2代目林家三平と国分佐智子も今回のSPで共演するらしい。おそらく先代八兵衛とおふじの営むそば屋と思われる料理屋で、食事をする場面が紹介された。

ビートたけしは林家三平と国分佐智子の結婚式(または披露宴か)の祝辞で、三平が『水戸黄門』を終わらせたような冗談を言っていたが、『水戸黄門』終了はドラマの問題、時代劇の問題、ナショナル劇場の問題、平成不況の中でのパナソニックとTBSの経営の問題など、あらゆる問題が重なった結果であり、一出演者に終了の原因があるわけではないだろう。初代八兵衛と2代目の間にコロッケ、三波豊和、松井天斗が似たようなキャラクターを受け継いだが視聴率は全体的に低下を続けた。2代目八兵衛の登場は2009年の第40部で、それから2年たってシリーズは終了。2代目林家三平の2代目八兵衛襲名による吉報は番組で共演した国分佐智子と夫婦になったことくらいか。確かに、たけしが言うように結果としては「ちゃっかり」であろう。

なお、『水戸黄門』での共演がもとで結婚した夫婦には、ほかに大和田伸也と五大路子であった。
杉良太郎の妻は伍代夏子なので、ややこしい。

今後、林家三平は『水戸黄門』を落語でやってもいいのではなかろうか。もともと『水戸黄門漫遊記』は講談である。また、『三方一両損』『芝浜』『目黒のさんま』は時代劇と落語の両方で題材になっている。
テレビの連続時代劇は1960年代にNHK大河ドラマの開始とほぼ同時に始まり、映画界や舞台演劇の世界から監督や役者を採用して70年代、80年代、90年代初めに一時代を築いたが、1990年代後半で一斉にテレビ時代劇の撤退が始まった。「電気紙芝居」の時代劇は40年弱で限界が来たわけだ。
『水戸黄門』も1969年に始まり、ほぼ40年で限界が来た。
『水戸黄門』の魅力がマンネリであれば、それは「電気紙芝居」における連続ドラマとしては40年が限界だった。むしろマンネリ時代劇は舞台の芝居か落語や講談のほうが合っているだろう。

風車の弥七の墓:袋田の住職、山寺日記:So-net blog
このHPで「(松ノ草村)小八兵衛=風車の弥七」としているが、これは茨城県の人たちが勝手にこしらえた話で、「水戸黄門」の正式設定ではなく、風車の弥七は架空の人物である。
tweet 2012年7/13

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