2011年12月12日放送。
舞台は水戸で、柳沢吉保(演:石橋蓮司)が藤井紋太夫(演:小倉一郎)と組んで、光圀(演:里見浩太朗)の暗殺を謀る。

 

1969年第1部第2話の「人生に涙あり」のリメイクであろうか。
第1部第2話では柳沢を演じたのは山形勲で、藤井紋太夫を演じたのは佐藤慶で、光圀を演じたのはもちろん東野英治郎。悪事が露見した紋太夫はわざと光圀に斬りかかって光圀の手で手討ちになり、紋太夫は切腹した。
紋太夫は格之進(演:横内正)と深雪(演:岩井友見)に真相を告げて息を引き取ったようだ。

 

今回は柳沢と藤井だけでなく、浪人の刺客・黒田一馬(演:伊武雅刀)が西山荘に送られる。
刺客は光圀の人格に負け、一緒に農作業をするようになる。

 

柳沢と藤井紋太夫が話しているところに光圀が現れ、将軍に会って両名のことをほめてやったと言い、さらに「自分にはまだやりたいことがある」と言って、柳沢と藤井は平伏。
藤井紋太夫は処罰されなかったようだ。
藤井紋太夫が光圀に刺殺されたのは江戸・小石川の水戸藩邸で、今回の舞台は水戸なので、場所が異なる。

 

東野英治郎の光圀は何か毒があって、場合によっては悪を手討ちにする武士であったが、里見浩太朗の光圀は人格者で人を斬らないし家臣の切腹も許さない完全な善人のようである。

 

藤井紋太夫事件は2001年に石坂浩二が光圀を演じた第29部最終回でも描かれており、光圀は紋太夫を手討ちにしたことで、引きこもりとなり、それでトレードマークの白いヒゲ(くちヒゲとあごヒゲか)が生えた設定。

 

紋太夫が刺殺されたのは元禄7年、1694年末だが、陽暦では1695年初めになる。
第1部第2話と第29部最終回はその時代まで描かれたことになるが、第43部第21話では紋太夫が健在のままなので、時代は1690年から1694年までのいずれかの時期で、時代設定をそれ以上細かく特定できない。

 

この第21話はもともと第43部の最終回として作られたはずだが、次の週の19日にスペシャル版が放送されることとなって、12月の12日と19日で「最終回」が2回になってしまった。
言うまでもなく、この場合、12月12日は「最終回の前の回」になる。
そのためか、12月12日の新聞のテレビ欄を観ると、この「嗚呼、人生に涙あり」には「(終)」の文字がない。
次の週の19日の夜、スペシャル版で『水戸黄門』のタイトルまたはサブタイトルに「(終)」の字がつくのだろうと思ったが、「最終回スペシャル」で終わりだとわかるせいか、ここでも「(終)」の字はついていなかった。
12月19日は昼に金正日死去のニュースがあり、夕方4時台に予定されていた『水戸黄門最終回ナビ』も北朝鮮関連のニュースに切り替えられた。

 

『水戸黄門』第43部第21話「嗚呼、人生に涙あり」
柳沢吉保(演:石橋蓮司)が将軍のお世継ぎ問題で、水戸藩江戸家老・藤井紋太夫(演:小倉一郎)に命じて、光圀暗殺を謀る。刺客・黒田一馬(演:伊武雅刀)は新月の夜に西山荘へ向かうが、光圀の人柄に感じ入って殺せず。切腹しようとしたが、光圀はそれを止めて「ここで百姓をやらんか」。
柳沢邸で吉保と紋太夫が話しているところに光圀が現れる。光圀が「わしにはまだやりたいことがあるので、死ぬわけにはいかん。我慢してくれ」。柳沢も藤井も平伏。
ネットで調べると光圀はここで自ら印籠を出し、家康の遺灰または遺骨が入っていると言ったらしい。越後の翡翠を入れていたときは、遺灰は見当たらなかったと思うが。
別れに来た弥七に「ただ見れば 何の苦もなき水鳥も(水鳥の?)…」と自作の歌を書いた掛け軸を渡し、楓にはちりめんのプレゼント。刺客も八兵衛も百姓仕事。
『巨人の星』で花形が座右の銘としていた「白鳥が美しく泳ぐのは水の下の足で必死に水をかいているから(それを人にみせびらかしてはいけない)」という格言のもとは水戸光圀か。

 

里見浩太朗主演の「水戸黄門」の終幕 

平成23年12月12日第43部第21話(TBS)

 
 

平成23年12月19日最終回スペシャル(TBS)

 

平成25年舞台版(ORICON)

平成27年6月29日2時間スぺシャル(TBS)  

 

平成の「水戸黄門」〕

午後8:10 · 2018年(平成30年)12月27日

 

C.A.L 水戸黄門第43部〕

 

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