松平健が中村吉右衛門と初共演するらしい。
長谷川平蔵(1745~1795)が火付盗賊改方の長官だったのは1787年から1795年までの8年間。
中村吉右衛門の『鬼平』は1989年から23年続いており、長谷川平蔵の実際の在職期間の3倍近い。

松平健は今回、盗賊の一人を演じるらしい。

松平健はテレ朝で徳川吉宗と遠山景元を演じたことがある。
吉宗は1745年に将軍の座を家重に譲って大御所となった。長谷川平蔵はその年に生まれた。伊能忠敬も同年生まれであった。

また、長谷川平蔵が没した1795年から2年ほど前、1793年ごろに遠山景元が生まれた。

薬種問屋(やくしゅどんや)の山城屋に入った盗賊が、かつて関東一圓を荒らした大泥棒らしいと判明。しかし生きていれば高齢で泥棒ができるわけがない。実はその2代目である弥太郎(演:市川染五郎)の仕業。先代に恩のある元盗賊の久五郎(演:松平健)が料理屋を出たとき、平蔵と顔を合わせる。
弥太郎が尾張の旅籠(はたご)の娘・糸(演:黒川智花)と婚礼を挙げることになったが、火盗改の調べで本物の糸は他界しており、婚礼に出る花嫁は偽者。平蔵がそば屋で九五郎にそれを告げ、九五郎は自分で真相を確かめようとして繁蔵(演:布施博)の仲間たちに襲われ、匕首(あいくち)で背中を刺されてしまう。九五郎は平蔵の部下に助けられるが、九五郎は出刃包丁を持って婚礼の場所に乱入し、そこに平蔵以下、火盗改が突入。乱闘の末、九五郎は繁蔵と刺し違える。
九五郎が出刃を持って乱入する意味があったかどうか疑問。何もせず待っていれば鬼平が真相を暴いてくれたはずだ。鬼平の部下が九五郎の妻に九五郎の遺髪を届けることになって、話は終わった。

金曜プレステージ『鬼平犯科帳スペシャル~盗賊婚礼』 - とれたてフジテレビ
www.fujitv.co.jp/fujitv/news/pub_2011/110905-215.html

突入の際、火盗改では、婚礼に出ている人の誰が泥棒で誰が堅気かわからないとためらう者もいた。
今、東京都の条例で暴力団関係者を客として商賣してはいけないことになっていて、元暴力団員で堅気の人も暴力団と見なされる恐れが出てきた。
建設会社の「~組」などは暴力団ではないのか。
車寅次郎はヤクザだったのではないか。そうなると暴力団の完全排除は難しくなる。

春日太一氏が『オール讀物』で書いたように、『水戸黄門』『暴れん坊将軍』『遠山の金さん』のような定番時代劇は、連続時代劇の枠の消滅によって受け入れられなくなっている。
そしてスペシャルになった『鬼平』や短期シリーズで終わった『JIN-仁-』のほうが高視聴率を稼いでいる。
『鬼平』『JIN-仁-』は確かに先の読めないストーリーで、ドラマを見せる作品である。
『水戸黄門』の視聴率の低下は、先が読める予定調和が支持されなくなったということだろう。すると最終シリーズで脚本家が勧善懲悪からの脱却を目指したのもわかる。
『水戸黄門』は「視聴者の生活のリズムに密着した定番時代劇」としての役割を終えたということだろう。
Y!Japan 水戸黄門 鬼平スペシャル 視聴率

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2011年9/25