TBS『水戸黄門』は1979年に視聴率が40%を超えるピークを迎えたが、1983年に東野英治郎が降板し、西村晃が2代目光圀役となった。

朝日放送の必殺シリーズでは1979年に始まった第15作『必殺仕事人』の人気が上昇し、81年から中条きよしが三味線屋・勇次役で参加し、82年、83年、84年には藤田まこと扮する中村主水、三田村邦彦扮する秀との3人のキャラクターが人気絶頂となっていた。

この時期、NHK大河では1963年のスタートから20年を迎えて、平安中期以降~鎌倉、戦国~江戸初期、忠臣蔵、幕末といった定番ネタが出尽くし、83年『徳川家康』のあと、84年『山河燃ゆ』、85年『春の波涛』、86年『いのち』と近代路線が続いた。一方、NHKは平日に別枠で『宮本武蔵』『真田太平記』『武蔵坊弁慶』という新大型時代劇を続けていた。

つまり仕事人ブームのときに大河は時代劇退潮を迎えていたのであるが、時代劇全体が退潮していたわけではなかった。

『仕事人』では1985年に京本政樹、村上弘明を迎えて第2次仕事人ブームを迎えたものの、87年に金曜夜のレギュラーから外れた。

一方、大河ドラマは87年に『独眼竜政宗』で時代劇が復活。

TBSは1986年に由美かおる扮するかげろうお銀が登場し、87年に野村将希扮する飛猿が参加して娯楽性が高まったが、それはストーリーでなく俳優やキャラクター目当ての視聴者だけを集める結果となり、結果、2000年に野村将希が去り、10年後の2010年に由美かおるが去って翌2011年に『水戸黄門』のシリーズ終了が決まった。

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2011年9/8 9月