『遠山の金さん』における遠山金四郎、遠山左衛門尉景元は今で言えば東京都知事と警視総監と東京地裁の裁判所を兼ねているような立場で、ここまでは江戸時代の制度によるものであるから、今とシステムが違っても不思議はない。

問題はドラマの金四郎が町人に化けて町なかを歩いていることである。
これは警視総監が覆面(身分を隠すこと)で聞き込みをしているようなものであるし、事件の目撃者が裁判官を兼ねているようなものでもある。

近代の裁判制度では、事件の当事者が裁判をすることはなく、第三者である辯護士と裁判官が方に基づいて判断することになる。だから裁判というのは被害者のためにあるのでもなく、加害者の人権のためにあるのでもなく、真実を明らかにするためにあるわけでもない。

相撲の八百長のように裁判が終わってから真実が分かることもあるし、極端な例がガリレオ裁判である。