1980年代の時代劇【壱】

1970年代末
1978年
【NHK】大河『黄金の日日』。
【日テレ】『西遊記』(孫悟空:堺正章、三蔵法師:夏目雅子、猪八戒:西田敏行、沙悟浄:岸部シロー)開始。
【TBS】『水戸黄門』で格之進役の横内正が降板し、大和田伸也が2代目格之進に。間の番組で『大岡越前』が3年ぶりに再開(それまでは西郷輝彦主演『江戸を斬る』)。
【テレ朝】松平健主役で『暴れん坊将軍』開始。横内正が大岡越前役。朝日放送の必殺シリーズは『必殺商売人』の時期。『江戸の鷹』に歌手デビュー直前の岩崎良美出演(1979年か?)。

 

1979年
【NHK】大河『草燃える』で松平健が北条義時役。
【TBS】『3年B組金八先生』開始(現代劇)。『水戸黄門』視聴率最高記録43.7%を記録。
【テレ朝】朝日放送で『必殺仕事人』開始。歌手デビュー直前の岩崎良美出演。『長七郎天下ご免!』開始。

 

1979年当時、級友も「『草燃える』なんて当たり前のタイトル」と言っていた。原作は『北条政子』を中心とする小説数作。
『水戸黄門』は1979年の視聴率が最高だったらしい。1969年に始まって10年後だった。光圀は隠居して10年後に他界しており、番組もここで一旦、終わっていれば区切りが明確であった。その後は視聴率は下がり続けていたということになる。40%強から10%まで。30年で30%減少。2011年の打ち切りは80年代当時から時間の問題だったのだろう。

 

1980年代
1980年
【NHK】大河『獅子の時代』。
【フジ】関西テレビ制作で『影の軍団』開始。

 

1981年
【NHK】大河『おんな太閤記』。鈴木健二司会の『歴史への招待』で「水戸黄門漫遊せず」が取り上げられたのはこの年らしい。NHKドラマ『マリコ』で滝田栄が寺崎英成の役。『獅子の時代』の永島敏行も出演。
Y!Japan 永島 敏行 NHK マリコ 1981
【テレ朝】朝日放送『必殺仕事人』『必殺仕舞人』『新必殺仕事人』で仕事人ブーム。このころから三田村邦彦の人気でスタッフが脚本や演出の面で女性視聴者を意識。『恐怖の大仕事』に西郷輝彦出演。のりお・よしおも獅子舞の役で出演して「ツクツクボーシ」。

 

1982年
【NHK】大河『峠の群像』で赤穂事件を扱う。翌年、ザ・グッバイとしてデビューする野村義男ほか、若手のタレントが多く出演。平成の『新選組!』の先駆けを思わせた。
【日テレ】『松平右近事件帳』。
【フジ】小林桂樹主演で『仕掛け人・藤枝梅安』。朝日放送の『必殺仕掛人』(緒形拳主演)から10年後であった。
【テレ朝】『長七郎天下ご免!』終了。朝日放送『仕事人大集合』で西郷輝彦出演。

 

1983年
【NHK】大河ドラマ『徳川家康』で滝田栄が家康役。信長を演じた役所広司が人気上昇。テレビ小説『おしん』。
【日テレ】『長七郎江戸日記』。
【TBS】『水戸黄門』で東野英治郎が降板。西村晃が主役に。
【テレ朝】朝日放送の『必殺仕事人III』『渡し人』『仕事人IV』で仕事人ブーム。

 

1984年
【NHK】大河ドラマが近代3部作。『二つの祖国』を原作とする『山河燃ゆ』に日系アメリカ人たちが抗議。水曜の新大型時代劇『宮本武蔵』で役所広司主演。
【テレ朝】朝日放送『仕事IV』第22話「主水大根めしを食べる」。三田村邦彦と中条きよしが必殺から一時降板決定。中条は引き続き『仕切人』出演。三田村は翌年の映画まで必殺から離れることに。

 

1985年
【NHK】大河『春の波涛』。近代大河2作目。『澪つくし』に沢口靖子と川野太郎が出演。『真田太平記』放送。
【日テレ】年末時代劇スペシャル『忠臣蔵』。里見浩太朗が出ていた日テレ『長七郎』『松平右近』とTBSナショナル劇場『水戸黄門』『大岡越前』『江戸を斬る』の出演者が集合。竹脇無我が多角傳八郎、西郷輝彦が毛利小平太、西村晃が荻生徂徠、佐野浅夫が林大学頭を演じた。
【テレ朝】『仕事人V』で京本政樹、村上弘明出演。

 

時代劇の人気が下降し、大河もネタが尽きて近代路線に入ったとき、日テレが大晦日に時代劇をぶつけてNHK紅白歌合戦に挑戦したのは興味深い。

 

1986年
【NHK】大河『いのち』で近代3部作は終了。『武蔵坊弁慶』で川野太郎が義経役。
【TBS】『水戸黄門』で由美かおるがかげろうお銀としてレギュラーに。
【テレ朝】『遠山の金さん』が高橋英樹主演作品のあと、一時中断。朝日放送の必殺は『必殺仕事人V激闘編』で原点回帰、『必殺まっしぐら!』でファミコンをモチーフにした作りで、『旋風編』では派手にしていいのかシリアスにすべきかスタッフも方向性を見失っていたように見える。

 

必殺が連続時代劇として継続が難しくなったとき、『水戸黄門』ではお銀、飛猿の登場でゲーム的娯楽性を高めていた。大河も時代劇を復活させる。

 

1987年
【NHK】大河『独眼竜政宗』で時代劇復活。
【TBS】『水戸黄門』に飛猿登場。『江戸を斬る』の遠山金四郎役が里見浩太朗に。徳川家慶の役で竹脇無我が出演。『ママはアイドル』で三田村邦彦、中山美穂、後藤久美子が共演。
【テレ朝】藤田まことが『その男ゾルバ』の舞台のために必殺との両立が難しくなる。この年を最後に必殺シリーズが金曜夜10時のレギュラーから離れ、季節ごとの2時間スペシャルに移る。『必殺剣劇人』にあおい輝彦出演。『三匹が斬る!』スタート。高橋英樹と役所広司という「大河の信長」同士が共演。ちなみに『西部警察』の渡哲也と舘ひろし、『必死剣鳥刺し』の豊川悦司と吉川晃司も「大河の信長」同士である。『おろしや国酔夢譚』の緒形拳と西田敏行は「大河の秀吉」同士。
フジテレビの『銭形平次』は1991年に北大路欣也主演でリメイクされ、2004年にテレ朝で村上弘明主演でリメイクされた。

 

1988年
【NHK】大河『武田信玄』放送。
【日テレ】『風少女』に後藤久美子出演。
【TBS】『痛快!ロックンロール通り』で沢口靖子と後藤久美子が共演。『水戸黄門』で里見浩太朗が助三郎役を降板、あおい輝彦にバトンタッチ。
【テレ朝】松形弘樹主演で『遠山の金さん』復活。

 

1989年
【NHK】大河『春日局』放送。
【日テレ】年末時代劇『奇兵隊』で松平健主演。

 

高橋元太郎と由美かおるが『水戸黄門』のレギュラーから降りたのは当然である。
高橋元太郎は1941年生まれなので2001年で60歳。2011年では71歳。
由美かおるは1950年生まれなので2010年で60歳。
水戸光圀は隠居した時点で63歳だった。設定上、光圀の息子か息女に近い20代か30代くらいのキャラクターを還暦の俳優が演じるのは無理がありすぎる。
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