月形龍之介時代
__助格____  _助格___
_↓______  ↓
東野~西村~佐野 石坂~里見
_01助格弥七__  29助格お娟せんみつひで
_02八兵衛登場_  30助格お娟せんみつひで
_03______  31鬼若アキ登場
_04______  32
_05______  33よろず屋の千太登場
_06______  34
_07______  35
_08______  36おけらの新助登場
_09______  37鬼若アキ退場、2代目弥七登場
_10______  38
_11______  39
_12______  40八兵衛(2代目)登場
_13______  41お娟退場
_14______  42楓登場
_15______  43
_16お銀登場__  
_17飛猿登場__
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第29部の石坂浩二主演シリーズは、確か印籠が必ずしも出ないシリーズだったと思う。その意味では、東野英治郎のシリーズの初期に戻ったようでもあるが、むしろ光圀の護衛が助三郎と格之進だけだった月形龍之介時代から作り直したとも言える。
もっとも第29部ではお娟とくノ一軍団というオリジナルの忍者軍団が登場した。
初代弥七は第27部を最後に退場しており、仲間の忍者が弥七以外の別キャラクターだけになったのは第28部から第37部前半までであるから、忍者のキャラクターに関しては第29部からいきなり変わったわけではない。
東野シリーズと石坂シリーズはいずれも月形龍之介までの講談や映画の世界から設定し直すところで始まっていたようである。石坂シリーズは講談からテレビにするという原点に戻っただけであった。
石坂~里見シリーズは徐々に東野~西村~佐野シリーズの歴史を繰り返して、お娟がお銀に近くなって、弥七と八兵衛も復活した。21世紀の『水戸黄門』は石坂シリーズで仕切り直しがあったから里見シリーズ最終作まで10年も続いたのである。

もし『水戸黄門』が第29部の石坂シリーズ初期のままで10年続いていたらそれなりに名作になっていただろうが、また往年の『水戸黄門』の路線に戻ってしまった。由美かおるがお銀からお娟になって続投していたせいで、簡単にお銀時代の設定に戻ってしまったわけだ。第29部では光圀役と助格役が一斉に交代したので時代設定の切り替えが明確だったが、その前後のシリーズでは光圀役の交代と助三郎役、格之進役の交代がずれているので、設定がどう切り替わっているのかわからなくなっている。長年観ている人は変だと思わないのだろうか。

21世紀の『水戸黄門』は20世紀の『水戸黄門』(計28シリーズ)の半分を越えたところで、計15シリーズで終了となった。打ち切りの意外さよりも、ここまでよく続いたものだと感心すべきであろう。
第37部後半の光圀・助・格・お娟・弥七・アキという組み合わせは前後に例がなく、貴重である。