柳田理科雄氏は『空想科学読本1』文庫244ページで正義のヒーローが乗るメカの速度について述べている。
特捜エクシードラフト』という番組に登場したバリアス7という自動車に関する検証が主だが、初めの前書きで『仮面ライダー』で仮面ライダーが乗るマシンについて述べている。それも新しいヒーローが登場するたびにマシンも加速されているらしい。
それによるとサイクロン号は最初、最高時速400kmだったが、新サイクロン号は時速500km、仮面ライダーV3のハリケーンは600kmになっているらしい。
そして柳田氏は
以下マシン名だけ書けば、クルーザー・700km、カブトロー・1010km、Vジェット・1340km、という具合。空想科学世界の技術進歩はものすごいのである。
と書いている。
それで『エクシードラフト』のバリアス7の話に移っているのだが、問題は仮面ライダーのマシンについて、マシン名だけ書いた部分である。これらはどのライダーのマシンなのか。クルーザーは仮面ライダーXのマシンで、カブトローはストロンガー、Vジェットはスーパー1のメカだろう。これでわかるようにライダーマンとアマゾンとスカイライダーのメカが抜けている。

昭和の仮面ライダーは、1号→2号→V3→ライダーマン→X→アマゾン→スカイライダー→スーパー1→ZX→ブラックという順である。ところが『空想科学読本1』の「メカの速度」に関する章で1号→2号→V3→X→ストロンガー→スーパー1のメカの速度を紹介しただけで、しかもXライダー以降のメカについてはメカの名前だけ。これでは読者は混乱するのではないか?

ライダーマンマシンは最高時速250kmだから初期サイクロンより遅い。
アマゾンライダーのジャングラーは最高時速300km。Xライダーのクルーザーよりスピードは落ちている。
柳田氏は「仮面ライダーのバイクがどんどん早くなっている」ということを言いたいために、それに反するマシンを省いて書いたのではないか?
一方、スカイライダーのマシンはスカイターボで最高時速が1200kmらしい。これはストロンガーのカブトローとスーパー1のVジェットの間の速度である。

1号、2号
サイクロン 時速400km
新サイクロン 時速500km

V3
ハリケーン 時速600km

ライダーマン
ライダーマンマシン 時速250km

X
クルーザー 時速700km

アマゾン
ジャングラー 時速300km

ストロンガー
カブトロー 時速1010km

スカイライダー
スカイターボ 時速1200km

スーパー1
Vジェット 時速1340km

なお、柳田氏は福田沙紀と共演したラジオ番組『ラジオ空想科学研究所』で仮面ライダーのバイクについて平成ライダーまで含めて解説している。これを書籍化した『空想科学入門!』には仮面ライダーの変身ベルトに関して書かれてあるが、バイクに関する話は収録されていない。

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2011年7/9 7月