作品の順序
北町奉行同心として『仕置人』で裏稼業を初め、『仕留人』で仲間の糸井貢の死を目の当たりにし、『仕置屋稼業』で南町奉行所の同心となってプロとしての裏稼業をおこない、『仕業人』で牢屋見廻り同心に落とされながら、『新仕置人』で定町廻りに戻って念仏の鉄と再会。『必殺商売人』で剣の腕がピークに達し、『仕事人』では裏組織のベテランとして若い仕事人たちと組み、『主水死す』で行方不明になったかと思うと『仕事人2007』で復帰して書庫番に移動。奉行所の同僚である渡辺小五郎(~しょうごろう<~*せうごらう)と組み、『仕事人2009』で自身番となって、『仕事人2010』で江戸を離れた。

時代設定順
文化・文政時代、北町奉行同心として『仕置人』で裏稼業を初め、文政の初めに南町同心兼仕事人となって書庫番に移動をへて自身番に移り、『仕事人2010』で江戸から離れた。しかし『勢ぞろい仕事人! 春雨じゃ、悪人退治』では文政末期のシーボルト事件のときに再び南町同心に戻り、10数年後の天保の改革のときに鳥居耀蔵を暗殺。『主水死す』では黒船来航を目前にした嘉永年間に主水は小屋の爆發で行方不明になるが、『仕留人』では黒船来航のときに再び北町奉行所同心の中村主水が裏稼業を開始。5年経過した安政の大獄から桜田門外の変のあたりでまた主水は南町同心となり、仕事人として裏稼業を続け、慶応4年の鳥羽・伏見の戦いで佐々木只三郎を槍で暗殺。

主水が南町奉行所の同心だった時代は、『仕置屋』が1842年の話だとすると1851年の水野忠邦没までわずか10年弱である。しかし、『旋風編』の舞台となった1819年から『ブラウン館』の1866年末(または1867年)までを考えると50年近くになる。
文政年間で主水が南町奉行所同心だったのは少なくとも1819年から1829年までの10年。
幕末で主水が南町奉行所同心だったのは少なくとも1858年から1866年までの8年ほど。

主水が『仕置人』で裏稼業を始めたのが文化・文政時代で、文政元年の1818年と假定すると、『主水死す』までは30年経過したことになるが、『必殺仕事人2010』の時代設定が1821年とするとわずか3年間の話になってしまう。

必殺シリーズで中村主水が暗殺した実在の人物(江戸時代限定)
鳥居耀蔵(1796~1873)『江戸警察』(1990)…1844年の失脚は主水による暗殺を幕府が隠蔽して結果…という解釋。
平手造酒(ひらて みき、1844年に30代で没)『意外伝』
水野忠邦(1794~1851)『主水死す』(1996)
井伊直弼(1815~1860)『大老殺し』(1987)
佐々木只三郎(1833~1868)『横浜異人屋敷』(1990)